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OisixのUX体験設計 デザインの力でECの売上が2倍にアップ! お客様の行動心理に基づいたUX改善例

2018/06/19 ECUIUXコラム
注目企業の中の人によるコラム
今回は、OisixのUX改善について、アートディレクターを務める荒金さんに成功事例を紹介いただきます。
お客様の行動心理に基づいた改善で売上が2倍になったという施策の具体的な解説です。

OisixにてサイトのUX向上やブランディングに携わっております、EC事業本部CX室のアートディレクター兼グラフィックデザイナーの荒金知乃です。

今回はUXのデザインで売り上げを伸ばした事例を、問題発見から、解決に至るまでのポイントを交えて紹介いたします。

VIP会員ページのUXデザイン改善から売上を伸ばす

Oisixは「子どもに安心して食べさせられる食材」をコンセプトに、有機・特別栽培農産物、添加物を極力使わない加工食品や、プレミアム時短をコンセプトとしたミールキット「KitOisix」などを、インターネットや実店舗で提供しています。

2000年からスタートしたOisixは、全国の美味しくて安全な食品の発掘を行い、青果以外にも献立キット・肉・魚・日配品・惣菜・スイーツ・酒類など4000品目以上を取り扱い、全国1000軒以上の優良生産者と提携しており、約16万人のお客様に会員として利用していただいております。

その中でもOisixの主力サービスである”おいしっくすくらぶ”は、毎日の食事を作るための食材を毎週購入してもらう、定期購入サービスです。

その会員の中の約70%を占めるのがVIP会員様です。

“おいしっくすくらぶ”でのお買い物金額などが一定の条件を超えると昇格できる仕組みがあり、VIP会員専用ページというものがお客様に提供する売り場の一つにあります。

本記事では、Oisixでたくさん買い物をしてくれるVIP会員専用ページの売り場のUXを変えることで売上を前月比2倍に伸ばした秘訣をご紹介します。

VIP会員ページで得られる経験を改善する

まず、現状のVIP売り場を見たとき問題点がいくつか挙げられました。

このような問題があり、結果、徐々にVIP売上も下がってきているという状態でした。

ジャーニーマップからもわかるように、今までのデザインだと、そもそもページを見た段階でユーザーが自分がVIPだと気が付かず、自分のために特別に用意されたページだと認識してもらえませんでした。

よってVIP専用商品の購入にもつながりませんでした。
VIPの会員のテンションを上げるために用意されたページなのにテンションを上げきれていません。
そのため次週が楽しみになりロイヤルティの上がるサイクルを用意する必要がありました。

それを改善し、このような結果に導きたいと考えました。

まず、認知の段階でお客様にVIP会員なのだと気が付いてもらい、どんな待遇を受けられるのか、何を提案してくれるのかを知ってもらう。
そしてVIPページでおいしそう、買いたいと感じてもらうことで購入につなげる流れを作ります。

そうすることでテンションを上げ、その後も高めのテンションのまま次週の購入につなげることが期待できます。

課題解決に対する打ち手

では、どのようにUXを改善したら、お客様によい買い物体験を提供できるのか。
3つの課題に対する打ち手を実行しました。

① VIPであることに気づいてもらう
② VIPならではの価値を伝える
③ おいしそう!買いたい!直感的な価値を伝える

①VIPであることに気づいてもらう
以前のデザインはお客様の名前の表記も小さく、VIPである特別感がなく、VIPが何なのかが伝わりにくいデザインでした。

そこでお客様の名前を大きく表記し、毎週更新される季節のご挨拶で自分が特別な会員であるとわかり、VIPサービスの内容確認もしていただけるようにしました。

その結果自分がVIPで、自分専用ページなのだとすぐに認識できるようになりました。

② VIPならではの価値を知ってもらうには
以前のデザインでは他の売り場と売っているものがどう違うのかが分からず、差別化ができていませんでした。

そこを青果、肉・魚、加工など、それぞれの専門のバイヤーが”その時一番おすすめしたい商品”をお客様のためにご紹介するという構成にしてバイヤーの顔が見えることで普通の会員とは違ったVIPならではの、丁寧なおもてなし感を出しました。

③ おいしそう!買いたい!直感的な価値伝達するには
以前は商品一つ一つの、最大の強みを抽出して絵にすることができていませんでしたが、

・おなかが減ってくるような、シズル感のある写真
・サブコンテンツのビジュアル化でおいしさの裏付けを写真で伝える
・調理方法のアイコンで手間がかかりそうな料理が簡単にできることを伝える
・おすすめの食べ方紹介としてレシピを一緒に訴求する

これら4つの組み合わせによって直接価値伝達して結果につなげることができました。

まとめ

お客様の行動心理に基づいた問題発見をし、お客様の気持ちに立ち返って以上の3つの打ち手でUXを改善した結果

前月比が2倍の売上を達成しました。

結果としてお客様にデザインの力で楽しいお買い物体験を提供することに成功しました。


オイシックスドット大地はこれからも私達はよい食を作る全国の生産者とご家庭の食卓を繋ぎ、より多くの人が幸せな毎日を送れる食の未来をつくります。

企業サイト:
https://www.oisixdotdaichi.co.jp/

荒金 知乃(あらがね・ちの)

オイシックスドット大地株式会社:アートディレクター

2009年にオイシックスドット大地株式会社へデザイナーとして入社。
現在、EC事業本部 ユーザー・エクスペリエンス室でアートディレクターを務める。