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C&R Staff’s Voice Vol.2|映像作家 野本 梢さん 映像への道をブレずに進めるようになるまで

「ストーリーを作るのが好き」という想いを胸に、時には進路に迷いながらも映像作家への道を歩みはじめた野本さんの、“自分らしさを貫く”キャリアとは?

resize野本 梢 映像作家
1987年、山形県生まれ埼玉県育ち。学習院大学文学部卒。2012年よりテレビ局にてデスク業務を行う傍ら、ニューシネマワークショップにて映像制作を学びはじめ、以後短編映画を中心に制作している。
2015年・2016年に短編映画『私は渦の底から』が東京国際レズビアン&ゲイ映画祭、あいち国際女性映画祭にてグランプリ、田辺・弁慶映画祭にて映画.com賞を受賞した。

表現する“場”を映像の世界に見出す

もともと自分でストーリーを考えるのが好きで、大学生の時にシナリオを書きたいと思いたち、専門の学校にも通い始めたんです。4年生になり就職活動の時期を迎え、周囲と同様に面接を受けたりしていましたが、「本当は何がやりたいのか」と考えた時に、やはりストーリーを書くことだと思い、そちらの道に進むことを決意しました。
ある時、シナリオ学校の先生が私の脚本を読んで、“自分で撮ってみたら”とおっしゃったんです。その言葉がきっかけで、撮影に興味を持ち始め、映像の学校に通うことにしました。自分が書いたその脚本が校内で採用されて短編映画を撮ることになり、監督を務めたのですが、これがとても楽しかったんです。この経験から「自分で書いたシナリオを映画にしたい」という思いが湧いてきて、映画の世界に本格的に入ることを決めました。

テレビ局の仕事で身につけた“現場感”

卒業後は就職をせずに、映像の学校とアルバイトを両立する生活を送っていました。ただ、映画とはかけ離れたところばかりで働いていたので、業界に近い仕事がしたいと思い、いろいろ探した中でクリーク・アンド・リバー社に出会いました。
紹介されたのは某テレビ局のデスク。自分にぴったりだと思い、お引き受けしました。テレビ番組を裏側でサポートする立場でいろんなものが見えて、すごく興味深かったですね。書類の申請とか、楽屋のセッティングなど細かい部分をこなすポジションですが、後から振り返ってみると、この経験が今すごく役に立っているなと実感しています。学校で、撮影現場の裏側なんて学びませんから(笑)。
勤務中はクリーク・アンド・リバー社の営業さんが何度かこちらに足を運んでくれて、声をかけてくれたりして、とても安心感がありましたね。待遇面の交渉とか、休日出勤した時の代休取得など、相談するとすぐに動いてくれて色々と助けてもらいました。

作品の受賞で自信を得て、映像作家としての道を歩み出す

以前は就職した同年代の子達と自分を比べて「やっぱりきちんと就職するべきかな」と迷う時期がしばらく続いていました。3年ほど前に、東京国際レズビアン&ゲイ映画祭で受賞し、ショートショートフィルムフェスティバル映画祭でも入選するなど、いくつか賞を獲れるようになって、ようやく自信が持てるようになり、「これからは映画でやっていこう」と迷いが吹っ切れました。

夢は、日本アカデミー賞で、自分の作品に出演した女優・俳優さんに主演賞を獲ってもらうことです(笑)。私が脚本・監督を手掛けた短編映画『私は渦の底から』では、主演の橋本紗也加さんが観客の方々から女優賞をいただきました。
また出演いただいた女優の岡村いずみさんは、以前勤務していたテレビ局のドラマに出ていたのを見て「出演してもらえないかなぁ」と思い、その頃のつてを頼りオファーさせていただいて、自主映画にあまり出ないところを出演いただけることになったんです。最近では他の映画作品で大きな賞も受賞されるなどのご活躍ぶりで、とても嬉しく思っています。

4月にはLGBTをテーマにした作品がレイトショー上映されることになりました。他の映画祭で既に上映しているものですが、観客の方から「希望が持てた」といった感想をいただいてとても励みになっています。次は初の長編映画で、トランスジェンダーを取り上げた作品を撮る予定です。これからも自分の想いを思い切りぶつけた作品作りをしていきたいと思っています。

作品情報

『私は渦の底から』
2017年4月30日(日)テアトル新宿にてレイトショー上映
◆監督・脚本:野本梢
◆出演:橋本紗也加、岡村いずみ、長尾卓磨、藤原麻希、はぐみ ほか

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