近年、YouTuberに並ぶ存在として「VTuber」に注目が集まっています。その活動範囲はYouTubeのみならず、テレビやCMなどにもわたり、今や企業のプロモーションにも活用されています。

本記事では、VTuberについて詳しく説明するとともに、企業がVTuberとタイアップすることのメリットやプロモーション事例などを紹介します。

1 VTuberとは

VTuberとは「バーチャルYouTuber」の略語で、2Dや3Dのアバター(自分の分身)を使ってYouTube配信している人」を指します。YouTube画面でアバターが動きながら説明している動画をイメージするとよいでしょう。

YouTuberとの違いは、実際の人間がメインか、もしくはアバターがメインかという点のみです。

しかし自身の顔を出すことなく、YouTube動画をアップロードできるため、YouTubeに気軽に参入できる方法として注目を集めています。

株式会社ユーザーローカルによると、2018年3月19日に1,000人であったVTuberは、2020年11月10日には13,000人を突破しています。プライバシーを確保しながら情報発信ができるVTuberは、今後も増えていくだろうと予想されています。

人気のVTuberになれば、YouTuber以上に大きな影響力を持つこともあります。たとえば、人気のVTuberである「キズナアイ」さんは、YouTubeのチャンネル登録者が294万人を突破し、動画の総再生回数は3億7,000万回を超えています。

また、キズナアイさんはさまざまな企業とタイアップし、商品のプロモーションに参加しています。

2021年には「日清やみつきオイル」のPR担当に就任し、ウェブサイトやYouTubeをはじめとしたさまざまな媒体でプロモーション活動を行っています。

2企業がVTuberを活用するメリット

VTuber 企業PR

企業がVTuberを積極的に起用するのは、多くのメリットがあるためです。ここでは、企業がVTuberを起用するメリットについて紹介します。

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2.1 YouTuberと比べてコストがかからない

過去に有名YouTuberと企業のタイアップがブームになりましたが、有名YouTuberはコストが高いのが難点でした。しかし、知名度が低いYouTuberでは影響力が少ないため、企業の広告担当は頭を悩ませていました。

一方でVTuberとのタイアップでは、実際の人間がプロモーションを行うわけではないため、起用コストが安くなる傾向にあります。

もちろん契約をする以上、VTuberの人気に応じて費用はかかりますが、YouTuberと比べると低コストでタイアップできるのが一般的です。

2.2 顧客からのイメージが下がりにくい

YouTuberとのタイアップでは、対象のYouTuberにスキャンダルが生じた場合、タイアップしている企業のイメージも同時に低下するというリスクがありました。

しかしVTuberであれば、スキャンダルや炎上が発生することが少なく、イメージの低下を招く事態が起こる可能性が低いといえます。このリスクの少なさがVTuberの起用ハードルを低くしています。

2.3 企画やイベントを実施しやすい

VTuberのビジュアルイメージは仮想のアバターであるため、パソコン1台あればどこにいてもプロモーション動画や資料を作れるというメリットがあります。

ファンからしたら実物を見れないという物足りなさはあるかもしれませんが、それ以上にフットワークの軽さは大きなメリットになります。

2.4 通常では不可能な構成も実現可能

VTuberを利用することで、人間では実現不可能な動画を作り上げることもできます。

たとえばアバターを飛ばしたり、何かに変身させたりなど、人間には不可能な動きをつけることが可能です。この派手な演出により、視聴者を引きつける動画を作ることができます。

2.5 SNSを通したプロモーションがやりやすい

VTuberを活用したプロモーションの大きなメリットは、コラボした企業の企画が拡散されやすいことにあります。

VTuberのファンはネットやSNSに精通している人が多く、応援しているVTuberが企業とタイアップしたとなれば、応援の意味も込めて即座に拡散します。

VTuberがTwitterに投稿した情報がわずか1日で大量に拡散されるというのもよくあることです。

3 企業によるVTuberのプロモーション活用事例

3.1 大塚製薬の看板「ポカリスエット」がVTuberとタイアップ!

2020年、ポカリスエットで有名な大塚製薬株式会社が初音ミクなどのVTuberとコラボし、YouTube動画をアップロードしたことが大きな話題になりました。

2020年の東京マラソンは新型コロナウイルスのため、一般参加の取りやめを決定していました。

それを受け、東京マラソンの公式サポーターであった大塚製薬株式会社は、初音ミクやその他VTuberとコラボし、参加できなかったランナーたちを応援する公式動画を作ってYouTubeにアップロードしました。

動画の内容は、初音ミクをはじめとするVTuberたちがポカリスエットに変身し、ランナーを応援するというものでした。

現実には存在しないというVTuberの特性を活かした見事な作品に仕上がっており、企業とVTuberのタイアップの可能性を大きく向上させた事例となりました。

3.2 サントリーのエナジードリンクがVTuberとタイアップ

2020年5月に大きな注目を集めたのが、新しいエナジードリンクとして注目を集める「ZONe」とVTuberのコラボです。

ZONeは「没入」をテーマに作られた新しいタイプのエナジードリンクで、プロモーションのためにさまざまな戦略を行っています。

今回のイベントでは、没入の対象を「VTuber」に絞り、VTuberを応援する企画を実施。第1弾には超人気VTuberのキズナアイさんと花譜さんが参加し、大きな注目を集めました。

ZONeがYouTuberを応援するというのが当初の意図でしたが、ZONeのプロモーションにもつながったことはいうまでもありません。

4 まとめ

VTuberは制作者のプライバシーも守った上でYouTube動画を配信できることから、参入のハードルは低いといえます。
2020年には大手企業がVTuberとのタイアップに動き始めたことからも、VTuberが企業のプロモーションに活用される機会は今後も増えていくであろうと考えられます。

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