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子どもとしごと ママたちのお仕事復帰ストーリー Vol.3 イラストレーター にわゆりさん

子どもを育てながら働き続けるクリエイターはどんな出産、産後、復帰を経験してきたか。
さまざまな職種のクリエイターによる「子どもとしごと」の関係をリレーインタビュー!

にわゆりさん
イラストレーター。二人の男の子を育てながら、子育てにまつわるマンガやイラストをメインに、Webや雑誌で活動している。リズムーン「にわゆりの欲張りずむ」や、クックパッドベビー「ハチママのドタバタ育児」での連載が人気。

 

出産とほぼ同時に作品作りをスタートさせた

美術短大を卒業し、社会人向けのデザインスクールに通った後に就職。デザイン会社ではプロダクトデザインに携わり、その後モバイルサイトの運営会社に転職し、サイトのデザイナーを務めていたにわゆりさん。さらなるキャリアアップ のため転職を考え出した頃に妊娠を知り、転職活動を中断して妊娠9カ月で会社を退職。2011年9月に男の子を出産した。

「子どもが生まれて新しい生活が始まって、それまでずっと忙しい環境で働きづめだったからか、産後1カ月になる前には、もう物足りなさというか、何かを始めたいという気持ちが芽生え始めていました。」
そこで、好きだったイラストを描いてみたが、長い間仕事で求められるものばかりを作る環境だったので、自分らしいイラスト、自分の描きたいものがどんなものかわからなくなっていたという。
「だから“今は練習期間” と割り切って、自分の描きたいイラストは何か、試しに描いてみてはSNSで発信したり、それ以外は友人に頼まれた結婚式のウェルカムボードを描いたりしていました。そのうちにマンガも描きたくなっていろいろ研究しながら日々の子育て体験をマンガにしてSNSやブログにアップしていました。たまにそれがシェアされたりすると、それだけですごくうれしかったです。」
そのような期間を1年ほど過ごし、ようやく自分の描きたいものがつかめてきた2013年頃から、フリーランスと名乗り始めたのだそう。

 

「子育て」が今の仕事の源泉

Hatchで仕事中のにわゆりさん

Hatchで仕事中のにわゆりさん

「出産してからのフリーランス開業だったので、保育園の入園はできなかったし、そもそも保育園の入園を考えていなかったです。」
マンガや連載の仕事では子育てをネタにすることも多く、子どもと一緒の時間を大切にしたいと思っているというにわゆりさんの、出産から現在までの保育スタイルを聞くと、
「始めのうちは、打ち合わせなどの短い時間の外出は、母や姉に子守を頼んでいました。でも長男が1歳半を過ぎた頃には仕事も少しずつ増えてきたので、無認可の一時保育を利用し始めました。」という。あえて無認可の保育園を選んだ理由は、認可保育園の一時保育のほうが保育料は安いが、毎月の利用回数の制限や、翌月の申し込みは前月の決まった日の先着順なので、急な仕事が入っても預けられないことがあった。その点、連絡をすれば必ず受け入れてもらえ、家からも近かった無認可保育園の一時保育のほうが使い勝手が良かったという。その後、仕事も軌道に乗り、外出のための一時保育ではなく、日中の作業時間確保のため、週3回程度の保育を必要と感じ、今までのようなスポット利用でなく、曜日を決めて利用できる認可保育園の非定型保育(※) を1年近く利用した後、3歳になってから幼稚園に入園した。

2014年9月に二人目の男の子を出産し、現在は二児の母。長男は幼稚園に通うようになり、仕事の状況により幼稚園の延長保育も利用して作業時間を確保しているが、そうは言っても下のお子さんに、今はずっと付っきりの生活だ。長男同様、保育園を利用せずに子育てをしながら仕事もしているため、託児付きコワーキングスペースを利用している。
「長男を幼稚園のバス乗り場まで送り届けて、一度家に戻り家事を済ませます。10時過ぎにベビーカーに次男を載せて、一緒に赤坂のHatchまで行くんです。」
Hatchは保育士のいる託児スペースを完備したコワーキングスペースである。契約で週3日、11時から16時までの間、託児込で場所を利用することができるという。
「往復の移動時間は取られてしまうけど、違う場所で時間を決めて仕事をするのは、メリハリができて私には合っています。」

自宅キッチンを改造して作った仕事スペース

自宅キッチンを改造して作った仕事スペース。

そう話すにわゆりさんだが、Hatchの契約は5月で切れるので、それ以降は長男が通った認可保育園の非定型保育を週3回利用することになっているという。
「次男の保育が始まれば、これからは自宅のキッチンを改造した仕事スペースでの作業になると思いますが、家にいるとやっぱり家のことが気になってしまい集中できなさそうなんですよね……。慣れたらまたコワーキングスペースを探してみたいですね。今度はもっと家の近くで。」

 

フリーランスで働くママイラストレーターの方へメッセージ

産後フリーランスをスタートさせてずっと仕事はしてきたが、「保育園」という選択をしていないのでいわゆる「保活」はしていないというにわゆりさん。保育園に通っている家庭よりもちろん制約も多かったが、フリーランスという仕事柄、なんとかやりくりをして仕事はできているという。
「復帰前の方や子どもを預ける先がないままフリーランスで復帰したという方は、営業にもなるのでSNSでの近況報告、お仕事情報はきちんと更新したほうがいいと思います。私も昨年末くらいからSNS経由での仕事の依頼も定期的にもらえるようになっています。だから忙しくても、そこはマメにやったほうが良いと思いますよ!」
そして、描くという作業的なことも大切だけれども、刺激にもなり、作品のネタにもなるので、これからも家にこもらず多くの人と交流をしていきたいという。それが後の仕事につながることも多いからだと語ってくれた。

 

仕事4:家事育児6から、仕事6になれるように

今はどうしても子どもたちに手がかかるから、仕事が4割といったところだが、これからは手を抜くという意味ではなく、子どもたちが成長して手がかからなくなった時間をもう少し仕事に傾けたいという。働くママにしては比較的子どもと一緒の時間が長い上に、家事育児の夫婦分担は特になく、家のことはすべて一人で引き受けているというにわゆりさん。
「夫は夜も帰りが遅くて、忙しいときは徹夜もするような仕事なので、これは私でこれは夫でと、日々の家事を分担することは難しいんです。でも週末にやることや、最後に入った人が洗うことになっているお風呂掃除は、何も言わず夫がしてくれています。」
大変さをにじますどころか、ありがたそうにそう言いながら、今日も4人分のお弁当を作ってきたとサラッと言ってのけるにわゆりさんの、女子力ならぬ母力、妻力の高さに驚き、以前にわゆりさんの描いたマンガで見た「仕事のスピードには自信あり」の言葉に頷かされた。

(※)非定型保育等の呼び方や、利用回数などは自治体によって異なります。

 

一日のスケジュール

7:30 子どもたちと起床
食事、洗濯、必要な時はお弁当作り
9:00 長男送り
9:15 一度家に戻り残りの家事を片付ける
10:20 次男と一緒に出発
11:30 Hatchに到着
15:30 Hatch退席
16:30 最寄り駅到着 → 長男お迎え
17:15 帰宅
18:00 食事
19:00 おふろ
20:30 寝かしつけ
21:00 仕事再開
1:00 就寝

 

ホッと一息
近所の子どもたちと、自分の子どもたちとの関わりを観察して楽しんでいます。男の子っておもしろいですよね。子どもが多いと勝手に遊んでくれて手がかからなくなることを知りました。将来この子たちがずっと友だち同士でいてくれたらいいな、と思っています。

 
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Vol.1 ライター 真貝友香さん
Vol.2 テレビ番組ディレクター 木元菜々子さん
Vol.4 アートディレクター 渡邉有香さん
Vol.5 Webディレクター 守屋綾希さん
Vol.6 Webプロデューサー 小野梨奈さん
Vol.7 アシスタントディレクター 関口亜希子さん
Vol.8 カメラマン 関戸聡子さん
Vol.9 ゲームデザイナー 高原佐緒理さん

profile

赤荻 瑞穂

子どもとママに向けて「育つこと」「働くこと」をテーマにした企画、記事、イベントを多く手掛けるフリーランスのライター及びディレクター。
フリーランスで働く女性のためのサイト「Rhythmoon」の編集メンバーでもある。

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