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~飛躍するクリエイター~ 第43回 近藤 唯 声優

2013年、近藤唯は声優として大きくステップアップした。
「うまくできなくて反省ばかり、自分のダメさに泣いてしまうこともよくあるんですが、本当カメみたいに遅いんですけど、少しずつは前に進めてるのかなって」
好きだけじゃできない厳しさも知った。それでもやっぱり好きだから、悔しさを抱えながら気持ちを切り替えて前進する強さを持てた。そして、応援し背中を押してくれるファンや周囲の人たちの存在が、もっと強く、もっと声優であることを好きにしてくれる。
 

■ 揺らがなかった夢

 小さい頃から、アニメや映画を見るのが好きでした。声優という仕事に興味を持ったのは小学校高学年の頃です。ある作品の好きだったキャラクターの声が、別の番組からも聞こえてきて、初めて声優の存在を意識しました。それまでは夢がコロコロ変わっていたんですが、中学生になって声優さんになりたいと思ってからは、一度も変わることなくここまで来ました。
 中学校卒業後は養成所に入りたいと考えていたんですが、親に高校には行ったほうがいいと言われ、高校3年間のあいだも声優への気持ちが変わらなければ迷わずその道に進もうと自分なりに決めて進学しました。高校時代はこれまでで一番アニメや映画を見ていたと思います。アニメ「機動戦士ガンダムSEED」で、初めてロボットものに興味を持ち、出演して私もロボットに乗りたい!って思ったり。アニメだと、空を飛んだり魔法を使ったり、現実ではできないこともやれる。吹き替えもそうですが、自分じゃない何かになれることが声優の醍醐味だし、それがとても楽しいんです。
 高校2年生のときに初めて日本工学院専門学校声優・俳優科(現クリエイターズカレッジ 声優・演劇科)の体験入学に参加しました。声優という仕事がどういうものなのか、少しでも早く知りたかったんです。高校3年生のときにほか2校見学に行って、もう一度日本工学院の体験入学に参加し進学を決めました。設備もよかったし、ほかの学校ではアフレコなどの実技が中心なんですが、日本工学院は、まず “演じる”こと、お芝居をするための基礎づくりから始めるんです。そこが私の要望にかなっていたし、すごくいいなと思いました。家族は少し不安だったようです。どれだけあこがれ、頑張ったからといって、声優になれるかどうかなんてわからないですから。でも母だけは「あなたのやりたいことをやればいい」と言ってくれました。

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©2013 春日部タケル・ユキヲ/角川書店/のうコメ製作委員会

俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している
(雪平ふらの役)
Blu-ray・DVD全5巻絶賛発売中!(発売・販売:KADOKAWA 角川書店)

 

■ 毎日が試されている

 入学してすぐに学内オーデョションがあって、それに落ちたんです。本当にショックで。でもいまは、最初に自分に厳しい結果が出たのはよかったなって思っています。スタートの時点で負けてるんだ、頑張らなきゃって考えが引き締まりましたし、このままではダメだって危機感を持つことができたんです。
 学校での授業やレッスンは楽しかったですが、楽しいだけで過ごしていてはいけない、声優を本気で目指すなら、学校とはいえ普通の学校だと思って通っていたのではダメだと考えていました。家では自主練を毎日やってましたし、特に2年生になってからは、自分の将来に繋げるための現場、毎日が試されているというぐらいの覚悟を持って授業に臨まないといけないと思っていました。
 2年生のときに、「明・めぐみのドリーム・ドリーム・パーティ」(文化放送)のドリームチャレンジャーに応募したんですが、最終選考で落ちてしまいました。そのときもすごく悔しかったんですが、インターネットラジオ組として、番組やイベントの企画・出演と、いろんなことをやれたのはいい経験でした。しかも2年生の後半はドリームチャレンジャーとして実際にラジオ番組に出演することもできました。ただ残念だったのが、ラジオ番組の卒業収録のときにインフルエンザになってしまい、参加できなかったことです。なんでこんな日に!って、もうボロ泣きでした。二度とあんな思いはしたくないと、「体調管理をしっかりする」という強烈な教訓を最後に得ました。
 卒業を控えた2年生の1月に事務所のオーディションがあり、ケンユウオフィスさんに、お仕事をしながら、週に1回にレッスンを受けることができる事務所預かりというかたちで所属が決まりました。
 

■ 「好き」よりもっと強い気持ちで

 プロの声優として活動を始めてからの2年間は焦ってばかりの毎日でした。オーディションをいろいろ受けさせていただいても落ちてばかりで。すごく落ち込んで、こんなに受けてもダメだなんて、どうしようどうしようって。だから、ノベルゲーム「ノーブルリージュ!」(11)のノア・テトレィ役で初めてオーディションに受かったときは本当にうれしかったです。オンラインゲーム「トイ・ウォーズ」(12)の海藤茜役に受かったのも大きかったと思います。これまでやったことのない勇ましい女番長役で、それまではおとなしい女の子の役が多く、まさか自分に決まるなん思ってもなくて。カッコいい女の人もできるんだとみなさんに思っていただけたようで、いただける役の幅が広がりました。
 去年は、ケイタイゲーム「THE IDOLM@STER MILLION LIVE!(アイドルマスター ミリオンライブ!)」(篠宮可憐)や、テレビアニメ「俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している(のうコメ)」(雪平ふらの)に出させていただきました。「のうコメ」もオーディションだったんですが、決まったと電話をもらったときは泣きました。初めてのテレビアニメでしたし、この作品で、応援してくださる方たちとイベントで直に触れ合える機会をいただき、本当に感動しました。
 今年から、ディズニー・チャンネルのドラマ「うわさのツインズ リブとマディ」 で、主人公の双子のリブとマディの吹き替えをやらせていただいています。私はドラマ「フルハウス」が好きだったので、同じスタイルのホームコメディに出られることがうれしくて。コメディや、双子を演じる難しさはありますが、とてもいい経験をさせていただいていますし、自分と自分が会話しているようで、私自身すごく楽しみながら放送を見ています。
 学生の頃、「どこにでもいる声」って言われたことがあってひどく傷つきました。と同時に、いつか見返したいって思いました。負けず嫌いなんですね。どれだけ心折れても、辞めたくない、やっぱり立ち上がって前に進みたいって思えるのは、それだけ声優の仕事が好きだからだと思います。でも、“好き”という気持ちだけでは続けられないということも実感しています。お芝居のプランを具体的に考えられるようじゃないとダメだし、自分がどうなりたいか、ビジョンを明確に持つ必要性も感じています。やっぱり大きな支えは、応援してくださる方の存在。くじけそうになったときはいただいた手紙を一生懸命読んで、自分を励ましています。こんなふうに思ってくださる人がいるんだからまだ大丈夫!って。

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うわさのツインズ リブとマディ
毎週土曜・日曜 19:00・22:00から
ディズニー・チャンネルにて大人気放送中!

 

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近藤 唯(こんどう・ゆい)

声優
1988年神奈川県生まれ。高校卒業後、2007年日本工学院専門学校 クリエイターズカレッジ声優・俳優科(現声優・演劇科)に入学。2年時には、ネットラジオ「フレッシュ・ドリーム・パーティ」に参加後、「明・めぐみのドリーム・ドリーム・パーティ」にドリームチャレンジャーとして出演する。卒業後2009年からケンユウオフィスに所属。主な作品に、ゲーム「THE IDOLM@STER MILLION LIVE!」(篠宮可憐、13)、テレビアニメ「俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している」(雪平ふらの、13)、「アイドル事変」(雨宮唯奈、14)、「Kadenz fermata//Akkord:fortissimo」(フレイア=シュヴェルトライテ、14)、ショートアニメ「ピチ高野球部」(シイシイ、10)、吹き替え「うわさのツインズ リブとマディ」 (リブとマディ、14)ほか。

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