ファイルーズあい
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注目の若手声優・ファイルーズあいさんが語る、クリエイティブの現場で活かせる“新人”の強み

無名の新人声優から一躍人気声優の仲間入りを果たしたファイルーズあいさん。

しかし、そんな華やかな活躍の裏では、キャリアの短さゆえの焦りや、それを乗り越えるひたむきな努力があったと言います。

今回は今注目の声優、ファイルーズさんに、クリエイティブな現場で活かす「新人の強み」についてお話を伺いました。

ファイルーズあい

ファイルーズあい(ふぁいるーず・あい)


声優。1993年生まれ。

2019年、テレビアニメ『ダンベル何キロ持てる?』の主人公、紗倉ひびき役で声優として初主演。以降も、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』など、人気作品に多数出演。

高い演技力と筋トレ好きのキャラクターが、多くのアニメファンの注目を集める。第14回声優アワードで新人女優賞を受賞。エジプト人の父と日本人の母を持つハーフ。

幼い自分を声の仕事に導いた、“母の言葉”

初めて自分の声を意識したのは小学生の頃です。音読の課題のために、自分の声を録音したテープを聴いて、「なんだこれ、変な声!」と言ったら、母親が「私は素敵な声だと思う」と褒めてくれたんです。

ファイルーズあい

だから、母に声優になることを反対された時は反発しました(笑)当時私はデザインの専門学校を卒業したてで、20歳前後。

ただでさえ声優としてデビューするには出遅れていたのですが、親を納得させるために一度就職し、社会人を経験してから養成所に入ったんです。

緊張を隠して挑んだ『ダンベル何キロ持てる?』のアフレコ

――『ダンベル何キロ持てる?』の主人公・ひびき役は、初のアニメ作品だったとか。にも関わらず、アフレコ現場では常に堂々とされていたそうですね。

ファイルーズあい

私、緊張している時ほど笑顔を心がけているんです。

アニメ『カイジ』の中で「胸を張れ、やばい時ほど堂々と」という台詞があって。だから、『ダンベル〜』の現場でも「堂々と・笑顔」を心がけていました。

そのせいか、新人とは思えないと褒めていただくこともあって。カイジくんのおかげです(笑)

TVアニメ『ダンベル何キロ持てる?』の主人公・紗倉ひびき
紗倉ひびき
©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

皆さん、すぐに受け入れてくれて嬉しかったです。芝居に関しては、みなさんの懐に飛び込んで自由にやらせてもらったという気持ちです。ただ、先輩たちとの差を感じて落ち込んでしまうこともありました。たとえば、監督の指示に対する瞬発力。

自分が頭の中で咀嚼している間に、他の方は一瞬で応えてしまう。悔しさはありましたが、「先輩たちのすごいと思ったところはどんどん吸収しよう!」と切り替えました。

“イエスマン”になることで、自分の引き出しを増やしたい

――ファイルーズさんが登場した時、「ものすごい新人が出てきた!」と周囲のアニメファンが絶賛していました。

ファイルーズあい

ぜんぜんです!私、緊張すると滑舌がダメダメで…昨日もアフレコで何度も失敗して落ち込みました。そんな時は初心に戻って練習するのみですね。天才型ではないので…。

――演技をする上で、新人だからこそできるアプローチというのはあるのでしょうか?

「イエスマンになること」かなと思います。

TVアニメ『ダンベル何キロ持てる?』
©2019 サンドロビッチ・ヤバ子,MAAM・小学館/シルバーマンジム

――ベテランや中堅どころの声優さんとの共演はいかがでしたか?

私はプロの表現者であるからこそ、自分の思いに凝り固まらず、一緒に物作りをする先輩方のアドバイスを素直な気持ちで受け止めることが一番大切だと思っていて。

『ダンベル〜』でも、「相手のセリフを受け止め、心の変化を作ってから台詞を言ってごらん」というアドバイスをもらったことで、苦手だった掛け合いのシーンがうまくいくようになったんです。

演技に限らずですが、新人だからこそもらえる愛のあるアドバイスは自分を成長させてくれる。素直に聞いて自分の引き出しを増やした方が絶対にトクだと思います!

「ハーフであることを隠して生きていた」。同じ悩みを持つ子どもたちに勇気を

――今後の夢や目標があれば、教えていただけますか?

日本のサブカルチャーと、自分のルーツであるエジプトの“文化の橋渡し役”になることです。今、アラブでは日本のアニメがとても人気なんです。

ファイルーズあい

ただ、アラブはイスラム文化なので、女性の肌の露出があるアニメは表現規制されることもあったりして、向こうで見られる日本のアニメは限られています。

私が自分のルーツを活かして活躍することで、多国籍のルーツを持つ日本の子どもたちにも勇気を与えたいですね。私、自分のルーツのことで悩んだことがあったんです。

ファイルーズあい

当時は「なんで自分だけこんな生まれなんだろう」と苦しんで、自分がハーフであることを隠して生きていました。でもこの業界に入って、名前やルーツは自分に興味を持ってもらう大事なきっかけになりました。

だから、同じように悩んでいる子どもたちに私の存在を知っていただき、「そのコンプレックスは武器にできるよ」と伝えたいんです。

夢をたくさん持つことで、心に余裕が生まれる

――ファイルーズさんといえば、ファンの間では「筋トレキャラ」として知られています。

コロナの影響で外出を自粛している方に、家でできるおすすめの筋トレ方法があれば教えてください。

まず、ダンベルを買いましょう!可変式ダンベル、30Kg!バー自体が1Kgで、プレートで重さが変えられるんです。

はじめは、1.5Kgのプレートを2個つけて、計4Kgくらいから。私は、足・胸・背中を1〜2日置きにトレーニングしています。

ファイルーズあい

筋トレって、筋繊維を破壊する行為なんです。束になっている筋繊維が筋トレで一度壊れて、食事と睡眠によってまたくっついて強くなる。だから、同じところを続けてトレーニングするのではなく、部位ごとに日を空けてしっかり筋肉を休ませることが大切です。

――クリーク・アンド・リバー社(以下C&R社)では、※スポーツに携わりたい求職者のキャリア支援を行なっているのですが、ファイルーズさんだったら、どんなトレーナーの方にレッスンを受けたいと思いますか?

様々な国の文化を知っていて欲しいですね。その人の生まれた国の文化を理解することで、トレーニングだけじゃなく、食事や生活習慣まで総合的な指導に役立つのではないかなと思います。

※C&R社 アスリート・エージェンシーについて


現役・引退問わず、全国大会などへの出場経験を持つアスリートの方々に向けて、競技活動の継続と引退後のスムーズな就労移行を目的に、デュアルキャリアとセカンドキャリアをサポートするサービスを提供しています。

■主な3つのサービス
(1)カウンセリング・キャリアアドバイス
(2)ビジネスマナーやビジネススキル、一般常識、言語化力、発信力のトレーニング
(3)お仕事のご紹介

【担当窓口】
C&R社アスリート事業部
Email: athlete-info@hq.cri.co.jp

――最後に、クリエイター業界を目指す人にメッセージをいただけますか?

ぜひ、第2、第3の夢を持ってください。私、夢が多いほど、どんな経験も無駄にならないと思うんです。

たとえば、声優になりたいという人が声優養成所の授業で日本語の美しさに気づいて、脚本家という第2の夢に出会えれば、声優の勉強だって役に立ちます。

ファイルーズあい

それに、夢をたくさん持つことで「これがダメでも他の夢がある」という心の余裕が生まれ、第1の夢にも前向きになれるんです。

時には第2、第3の夢を思い描きながら、焦らず自分の夢に向かってください。

インタビュー・テキスト:原田さつき/撮影:SYN.PRODUCT/企画・編集:田中祥子(CREATIVE VILLAGE編集部)

著者情報
株式会社クリーク・アンド・リバー社
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監修
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