Webデザイン未経験者がWebデザイナーを目指すなら、資格を持っておいて損はありません。
「資格の勉強を通して言語や知識が身につく」「就職・転職の際にスキルの証明になる」など多くのメリットがあります。

そこで、この記事では、Webデザイナー初心者向けに、とりわけ知名度が高く、おすすめの資格を6つ紹介します。
資格取得のメリット、資格ごとの合格点や難易度、特徴なども解説するので、ぜひ参考にしてください。

資格を持っていないとWebデザイナーになれない、は間違い

Webデザイナーと資格_Webデザイン
結論から言うとWebデザイナーになるのに、資格は必要ありません。
実際、資格がなくてもフリーランスで独立をしているWebデザイナーもたくさん存在します。そのため、資格がないと不利というケースはまずありません。

ただし、Webデザイナーに関連する資格の勉強は「必須」ではないものの、やっておくと資格勉強を通してWebデザインやコーディングの知識がぐっと深まります。

また、Webデザイン未経験者がWebデザイナーを目指す場合、採用担当者の評価を少しでも高くするため、資格を保有しておくのが良いでしょう。
採用を検討している企業側から見ても、あなたがどの程度のスキル感なのか、資格の有無がひとつの判断基準になります。
また、自己研鑽・学習意欲があることをアピールするのにも役立つはずです。

この記事で紹介するWebデザインに関する代表的な資格は以下の6つです。

  • ウェブデザイン技能検定
  • Webクリエイター能力認定試験
  • HTML5プロフェッショナル認定資格
  • Photoshop®クリエイター能力認定試験
  • Illustrator®クリエイター能力認定試験
  • マルチメディア検定

本記事読了後にWebデザイン未経験からWebデザイナーを目指すための勉強方法をまとめた関連記事「未経験からWebデザイナーになるには。仕事内容から勉強方法まで徹底解説!」も併せてご覧ください。

Webデザイナーが資格を取得する4つのメリット

Webデザイナーと資格_スキル
初心者WebデザイナーやこれからWebデザイナーを目指したい方が、関連資格を学習し実際に取得することは大きなメリットがあります。

資格取得の主なメリットは以下の4つです。

  • メリット1.知識・スキルの証明ができる
  • メリット2.効率的に学べる
  • メリット3.正確な情報が得られる
  • メリット4.HTML・CSSの言語仕様を学べる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット1.知識・スキルの証明ができる

資格は客観的に技量を測るのに、わかりやすい基準です。
あなたが面接の際に、いくらWebデザイナーの仕事に対する熱意を語っても、企業側の採用担当者から見れば、あなたが本当に何ができるかはわかりません。
仕事に対する熱意も大切ですが、資格を持っておくことで具体的にどんなことができるのかというスキルの証明ができ、あなたの市場価値は高いとアピールできます。

採用担当者目線で言えば「この資格を持っているなら最低限これはできるだろう。」と当たりをつけることもできます。同程度の評価だった場合、無資格未経験者と有資格未経験者、どちらを採用するかは想像に難くないでしょう。

メリット2.効率的に学べる

資格勉強をすることで、Webデザインに必要な知識を効率的に学ぶことができます。
Webデザインの知識そのものは、インターネットを通じて情報収集できますが、それらは体系立てた知識でなく断片的な知識になりがちです。
資格の取得を目指し、参考書で勉強することで効率的・体系的に基礎知識の学習ができるでしょう。

メリット3.正確な情報が得られる

資格試験を実施する団体が出している参考書や問題集は、複数の専門家がチェックしており、出題内容も定期的に更新されるため情報が信頼できます。
一方、インターネットで検索した情報は個人が偏った知識で書いたものや、真偽のチェックがないままのことがあり、正しい情報か間違った情報かが判断できないケースがあります。Web上で調べるときは、情報が古いまま更新されていない情報には特に注意してください。

資格試験は専門家によってチェックされた最新の情報から出題されるため、学習を通じて正確な情報・知識を得るのに役立つでしょう。

メリット4.HTML・CSSの言語仕様を学べる

HTML・CSSの言語仕様を学べるのもWebクリエイター系資格勉強のメリットです。
HTML・CSSには「World Wide Web Consortium(W3C)」という団体が開示している仕様書があるのですが、内容が複雑かつ高度であるため、初心者がこれを見て勉強するのはあまり現実的ではありません。

情報が膨大すぎて挫折してしまう可能性が高いでしょう。
HTML・CSSの仕様を日本語でわかりやすく学ぶには、資格試験の参考書がおすすめです。基礎からしっかり覚えたいなら「HTML5プロフェッショナル認定資格」の参考書を買って勉強するのがおすすめです。

Webデザイナーおすすめ資格6選|それぞれの特徴と難易度

資格取得の主なメリットの一つに「知識・スキルの証明ができること」があります。
Webデザイナーは、求人に応募する際に、必ずポートフォリオで過去の作品の提出が求められることからもわかるように、実績が重視される職種です。

未経験からWebデザイナーを目指す方は、実績をアピールできない分、資格によって知識・スキルをアピールすることになります。
先述の通り、資格を持っていることで採用を検討している企業側から見ても、あなたがどの程度のスキルなのかというひとつの判断基準になるため、Webデザイン未経験での採用・転職の際には資格を取得していることが大きなアドバンテージとなります。

それを踏まえて、Webデザインに関する資格について、それぞれの特徴と難易度を見ていきましょう。
ここで紹介する6つの資格は知名度も高いので、参考書や情報を入手しやすくなっています。

ウェブデザイン技能検定(国家資格)

Webデザイナーと資格_ウェブデザイン技能検定
参考:ウェブデザイン技能検定

厚生労働省が認定している国家検定で、1〜3級のランクがあります。
3級は比較的難易度が低く、Webデザイナーを目指している人や職業としている人は誰でも受験できます。

1級・2級を受験するにはそれなりの実務経験が必要となり、とりわけ1級はとても難易度が上がります。
デザインやコーディングだけでなく、インターネットの全般的な知識やWebサイトの運用などの幅広い知識が求められます。
合格には各級とも学科・実技試験で100点満点中70点以上得点する必要があります。
過去累計の合格率は3級60〜70%、2級30〜40%、1級10〜20%でしたが、過去3年の合格率平均は高めになりました。
参考:よくある質問(合格率はどのようになっていますか?)

3級 2級 1級
受験資格 なし 3級合格者 2級合格者
受験料 学科:6,000円 学科:7,000円 学科:8,000円
実技:8,000円 実技:16,000円 実技:25,000円
(ペーパー実技含む)
出題形式 学科・実技 学科・実技 学科・実技・ペーパー実技
合格基準 7割以上
合格率 約65% 約47% 約36%
難易度 ★★☆☆☆ ★★★☆☆ ★★★★☆

※令和4年度第一回試験より、試験実施年度の4年1日において25歳未満かつ、受験申請日において在職者の方は2級または3級の実技試験の受験手数料が減免されます。
※学科・実技ともに両側(両側免除)にて申請の場合、受験手数料は2,000円となります。
(2022年1月現在)受検資格には他にも実務経験年数や大学卒業などがあり、詳細は公式サイトを参考にしてください。

Webクリエイター能力認定試験

Webデザイナーと資格_Webクリエイター能力認定試験
参考:Webクリエイター能力認定試験|資格検定のサーティファイ

株式会社サーティファイという企業が主催している民間資格試験です。Web標準に完全準拠したスキルを測定、世界照準に対応した初めての試験で「スタンダード」と「エキスパート」の2つのランクがあります。
スタンダードは実技問題のみで、エキスパートには実技問題と知識問題があり、出題範囲も広くなっています。それぞれ得点率を65%以上獲得する必要があります。
科目はスタンダードが「制作環境」「Webサイトの構成と設計」「HTML5」「CSS」。
エキスパートは「ビジュアルデザインと配色」「運営と管理」が追加されます。

スタンダード エキスパート
受験資格 なし
受験料 5,900円(税込) 7,500円(税込)
出題形式 実技問題 知識問題・実技問題
合格基準 得点率65%以上
合格率 90.5%(2021年度)
難易度 ★☆☆☆☆ ★★☆☆☆

(2022年11月現在)

HTML5プロフェッショナル認定資格

Webデザイナーと資格_HTML5プロフェッショナル認定資格
参考:HTML5プロフェッショナル認定試験

特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が認定する資格で、HTML5だけでなくCSSやJavaScriptなどに関する技術や知識が必要です。
レベル1とレベル2があり、エンジニアレベルの内容になるので難易度も高くなっています。
Webデザイナーになりたい人はもちろん、コーディングに自信のない現役Webデザイナーも受験してみると良いかもしれません。
合格点は公表されておらず、公式サイトのQ&Aによると、およそ7割の正答率が必要とのことです。

レベル1 レベル2
受験資格 なし
受験料 16,500円(税込) 16,500円(税込)
出題形式 知識・記述・コードリーディング 知識・記述・コードリーディング
合格基準 約7割
合格率 不明(難易度及び合格率は非公開)
難易度 ★★★☆☆ ★★★★☆

(2022年11月現在)

Photoshop®️クリエイター能力認定試験

Webデザイナーと資格_Photoshopクリエイター能力認定試験
参考:Photoshop®クリエイター能力認定試験 サーティファイ

株式会社サーティファイが主催している民間資格試験です。
試験は全てPCでおこなわれ、紙や鉛筆は使用しません。
内容としては「知識と制作能力」が試される試験であり、知識問題、実技問題があります。
実技問題では実際にPhotoshopを操作して指示されたコンテンツを作成する必要があるため、実際にPhotoshopに慣れておく必要があります。

合格率は7割を超えており、比較的難易度は低い試験ですが、合格すれば履歴書にも書くことができます。

スタンダード エキスパート
受験資格 なし
受験料 7,600円(税込) 8,600円(税込)
出題形式 実技・実践試験 知識・実技・実践試験
合格基準 知識・実技問題65%以上かつ実践問題得点率70%以上
合格率 74.1%(2021年度平均合格率)
難易度 ★★☆☆☆ ★★★☆☆

(2022年11月現在)

Illustrator®️クリエイター能力認定試験

Webデザイナーと資格_Illustratorクリエイター能力認定試験
参考:Illustrator®クリエイター能力認定試験 サーティファイ

こちらも株式会社サーティファイが実施している資格試験です。
先述の「Photoshop®️クリエイター能力認定試験」とは姉妹試験のような立ち位置であり、同時に受験して両方資格を得る方も少なくありません。

内容もPhotoshopとIllustratorの違いがあるだけで基本的には同じです。

スタンダード エキスパート
受験資格 なし
受験料 7,600円(税込) 8,600円(税込)
出題形式 実技・実践試験 知識・実技・実践試験
合格基準 知識・実技問題65%以上かつ実践問題得点率70%以上
合格率 73.2%(2021年度平均合格率)
難易度 ★★☆☆☆ ★★★☆☆

(2022年11月現在)

マルチメディア検定

Webデザイナーと資格_マルチメディア検定
参考:マルチメディア検定

公益財団法人画像情報教育振興会(通称CG-ARTS協会)が主催するCG-ARTS検定のひとつです。
ビジネスシーンで有用なマルチメディアやICT{Information and Communication Technology(情報通信技術)}の知識を証明するための資格試験です。

検定は「マルチメディア検定ベーシック」と「マルチメディア検定エキスパート」の2種類あり、ベーシックは基本的な知識が出題され、エキスパートは専門知識の理解と知識を応用する能力を測ります。

マルチメディア検定を持っていることで、コンピュータやインターネットを活用して情報を発信したり、メディアのセキュリティや知的財産権などの取り扱いについて造詣が深い証明ができ、マルチメディア関連の技術職やコンテンツ制作会社などで仕事をするのに役立ちます。

スタンダード エキスパート
受験資格 なし
受験料 5,600円(税込) 6,700円(税込)
出題形式 知識問題
合格基準 得点100点満点中70点以上
合格率 65%以上 30〜40%(2021年度)
難易度 ★★☆☆☆ ★★★☆☆

(2022年11月現在)

Webに関する知識全般を勉強したいのであれば「ウェブデザイン技能検定」か「Webクリエイター能力認定試験」
HTML/CSS/JavaScriptのコーディングを深く学びたいのであれば「HTML5プロフェッショナル認定資格」
デザインソフトのスキルを磨くのであれば「PhotoshopRクリエイター能力認定試験」「IllustratorRクリエイター能力認定試験」
マルチメディアやICTの知識を得るなら「マルチメディア検定」の取得を目指してみましょう。

Webデザイン資格の勉強方法

Webデザイナーと資格_資格の勉強について
Webデザイン系資格を勉強する方法は、主に以下の3つです。

  • 独学
  • オンラインスクール
  • 専門学校

それぞれのメリット・デメリットについて、ここで詳しく見ていきましょう。

勉強方法1.独学で学ぶ

Webデザインは工夫次第で独学も可能です。
Webデザインに関する書籍はもちろんのこと、インターネット上でも無料教材などWebデザインについて学べる情報やコンテンツは多数存在しています。

独学のメリットは自分で学びたいことや学習方法を設計すれば、コツコツとマイペースで学習を進めていけることです。また、オンラインスクールや専門学校に比べお金が掛からないこともメリットといえるでしょう。

対してどこからどのような勉強を始めたらいいかがわかりづらいこと、ひとりで勉強を続けていくためのモチベーションの維持が難しいことはデメリットといえるでしょう。

また、無料でWebデザインを学べる情報はインターネットで調べればいくらでも出てきますが、玉石混交で正しい情報ではなかったり、そもそもなにから勉強したら良いのかがわかりづらい、わからないところを検索してもそれらしい記事が見つからないなどの問題が起きやすい勉強方法と言えるでしょう。

煮詰まってしまっても根気強く続ける意思がある方、自発的に勉強ができる方、自ら調べることが得意な方は独学がおすすめです。

勉強方法2.オンラインスクールに通う

オンラインスクールのメリットは通学が必要無く、好きな場所で好きな時間に勉強ができる点です。
田舎でも首都圏でも地域差なくスキルの習得ができ、ZOOMなどを使ったオンラインでの講座や作業会、ときには生徒同士でのオンライン飲み会などの交流会があり
「仕事が終わってから学びたい」
「自分のペースで勉強したいけどメンターが欲しい」
「一人で勉強を続けていく自信がない。共に頑張っていく仲間も欲しい」
というような方にはオンラインスクールが最適かもしれません。

対して、ライブ配信の場合は時間が限定されてしまう点や、配信中の通信トラブルに弱いこと、オンデマンド配信の場合は、自主性が求められること、不明点がその場で質問できない点がデメリットでしょう。

勉強方法3.専門学校に通う

専門学校で学ぶメリットは、座学で一から体系的にWebデザインを学べることです。
また、質問したいタイミングですぐに先生からアドバイスをもらえることで学習が停滞しづらい点や、クラスの仲間たちと目標に向かって切磋琢磨できることでモチベーションが保ちやすいというのもメリットでしょう。

完全就職保証や国家資格取得保証などを設けてる学校もあり、就職指導やインターンなどの就職バックアップが充実していることもメリットといえるでしょう。

デメリットは、第一に授業料が他の勉強方法と比較して高額になりがちであることです。
また、自主的な予習復習をしっかりしない限り、体系立てて学べる反面、知識が浅く広くなりがちです。早い段階で自分が学びたい領域を取捨選択して、専門性に磨きをかけると良いでしょう。

知識と経験の両方があれば強い

知識と経験の両方を備えることで、より優秀なWebデザイナーになれます。
知識の部分は資格取得を通して身につけるのもひとつの有効な手段です。
また、資格を取得することで、Webデザイナーを募集する企業に対して「あなた自身の市場価値」をアピールすることにもつなげられます。

未経験からWebデザイナーを目指している人は、経験がないという不利を資格取得で補うのも良いでしょう。

経験を積みたい方向けに、クリーク・アンド・リバー社では「Webデザイナー就業サポートサービス」をおこなっています。Webデザインの実務経験がなくても始められるお仕事もありますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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