テレビ・音楽業界などで良く耳にする職種「プロデューサー」「ディレクター」。
しかし両者の違いは分かりづらいですよね。この記事ではクリエイターのキャリア支援を行うクリーク・アンド・リバー社がテレビ業界の「プロデューサー」「ディレクター」を目指す方に向けて仕事内容・年収の違いについて解説します。
「CREATIVE VILLAGE」の取材に応じてくださったテレビプロデューサー・テレビディレクターの声もぜひ参考にしてくださいね。
- 1.プロデューサーとディレクターの言葉の意味・違い
- 2.テレビプロデューサーとは
- 2-1.テレビプロデューサーの仕事内容
- 2-2.テレビプロデューサーの年収
- 3.テレビプロデューサーになるには?
- 4.テレビディレクターとは
- 4-1.テレビディレクターの仕事内容
- 4-2.テレビディレクターの年収
- 5.テレビディレクターになるには?
- 6.まとめ
1.プロデューサーとディレクターの言葉の意味・違い
プロデューサー(producer)とは「ゼロから内容を企画する人」や「企画・進行を導く人」を意味します。
ディレクター(director)は、「指揮する人・監督する人」や「離れた目標に導く人」などの意味があります。
つまり、プロデューサー・ディレクターは以下のようなちがいがあるといえます。
- プロデューサー
- テレビ番組制作において企画・進行を行う職業。テレビディレクターが統括する現場を含む、番組全体の指揮を担当する。
- ディレクター
- テレビ番組制作において現場の総監督を行う職業。企画・予算管理を行うプロデューサーと異なり、現場の指揮を主に行う。
次でテレビプロデューサーとテレビディレクターの業務・年収の違いについて説明します。
2.テレビプロデューサーとは
テレビプロデューサーは、テレビ番組の制作統括を担当する総責任者です。主な仕事は以下の5つです。
- 新企画の立案
- 予算管理
- 新企画の立案
- 番組のPR
テレビ番組の制作現場はディレクターが統括しますが、プロデューサーは制作ではなく、ディレクターから一歩引いた立場で予算管理などを行います。
2-1.テレビプロデューサーの仕事内容
業務の流れは、まず世の中のトレンドを把握してテレビ番組の企画を立案します。
テレビ朝日ドラマプロデューサーの内山聖子さんは『私、失敗ばかりなので へこたれない仕事術』(2019)で番組の企画について以下のように述べています。
・「特に、世の中の空気を一番肌で感じるのは、ファミレスのお客さんや電車に乗っている人などの、街の中でたまたま耳にする雑談だ」
放送作家から企画を持ち込まれることもありますが、最終的にはプロデューサーが企画を判断します。企画の段階では放送作家や演出家などの専門家と打ち合わせを行い、企画をブラッシュアップします。
このようにして完成した番組の企画はテレビ局・制作会社の役員などに承認される必要があります。そして、会社内の承認が取れたのちに番組の制作資金を集めるために、スポンサー企業へ企画のプレゼンテーションを行います。
また、番組出演者への出演交渉もプロデューサーが行います。この際に出演者との関係値や人脈が重要になります。ほとんどのテレビプロデューサーはADとディレクターを経験していることからも、現場の業務への理解だけではなく業界関係者との関係値は必要だといえるでしょう。
2-2.テレビプロデューサーの年収
テレビ局、特にキー局の場合は、30代でも1000万円以上の年収になることもあります。40代以上では年収1500万円を超え、プロデューサーの一番上のランクであるエグゼクティブ・プロデューサーともなると、年収2000万円以上だと言われています。
キー局は有名大学の出身者の採用が多いですが、番組制作会社の場合は、専門学校卒やアルバイトからの採用もあるのでチェックしてみると良いでしょう。
しかし、番組制作会社の場合は、必ずしも高収入とは言えないこともあるようです。番組制作会社では年収500万円程度にとどまることも多く、人気のある番組を手がけたかどうかで、給料は随分と異なってくると言われています。
テレビ局のプロデューサーのような高い給料は一見とても魅力的に思えますが、ADやディレクター時代よりも仕事が楽になるかというと、そうでもありません。もちろんプロデューサーともなれば自分の仕事に合わせて働ける場合がほとんどですから、決まった勤務時間に縛られることはありません。
3.テレビプロデューサーになるには?
プロデューサーを目指すのであればテレビ局や制作会社に入社する必要があります。
入社後すぐにプロデューサーになれるわけではなく、ほとんどのテレビプロデューサーはAD(アシスタントディレクター)とディレクターを経験した上で仕事をしています。
テレビ東京プロデューサーの濱谷晃一さんによると、
テレビ業界に向いている人材は「何か強烈に好きなものがある人」そして、「自分が面白いと思うクリエイティブを追い続けられるタフな人」
加えてこれからのテレビ業界に本当に求められている人は「旧態依然としたテレビの枠にとらわれず、新しいシーンに導いてくれる人」のようです。
4.テレビディレクターとは
テレビディレクターは番組制作現場の責任者で、主な仕事内容はプロデューサーが決定した番組のロケや編集・制作スタッフの選定と割り振り、制作現場の指揮です。
4-1.テレビディレクターの仕事内容
テレビ番組を制作するためには、数十~数百人規模のさまざまな分野の技術スタッフが必要となります。それらスタッフに、自分の演出について細かな指示や指導を出して番組を作り上げていきます。
演出の指導については「CREATIVE VILLAGE」の取材でテレビ朝日『激レアさんを連れてきた。』演出の舟橋政宏さんが以下のように述べていることから、テレビディレクターは出演者の良さを引き出すためにも現場のスタッフと何度も打ち合わせを行うことがあるようです。
4-2.テレビディレクターの年収
テレビディレクターの年収はまずテレビ局か制作会社かによって大きく違い、さらに同じテレビ局でもキー局だとテレビディレクターの年収も1000万円を超えることがあります。
しかし地方のテレビ局のテレビディレクターの年収は、キー局のテレビディレクターの年収と比べると2割から3割程度は低くなります。
さらに番組制作会社のテレビディレクターになると地方のテレビ局のテレビディレクターの年収よりも低く、550万円~700万円程度でなかには年収が400万円前後のテレビディレクターも少なくないようです。
5.テレビディレクターになるには?
まずはAD(アシスタントディレクター)からスタートすることがほとんどです。そこで数年間、下積みとして番組制作の基礎を学んだのち、ディレクターに昇格することが一般的なルートになります。テレビ局によっても異なりますが、キー局、地方局とも5年前後ADを経験し、ディレクターになる人が多いと言われています。
テレビ局の制作部門では、四年生大学卒業以上の学歴が求められることがほとんどです。
岡宗秀吾さんのようにフリーランスでディレクターをしている方もいますが、フリーディレクターの多くは制作会社でキャリアを積んで独立しています。
6.まとめ
テレビプロデューサーは企画・予算管理を含めた番組全体の統括を行う職種である一方、テレビディレクターは現場のスタッフとコミュニケーションを取りながら番組の企画を実現させる現場監督です。
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