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ユーザー目線のサービスで業績好調 ZOZOTOWNマーケティング担当の小高洋介さんと大塚健史さんに聞く、 話題企画の裏側とは?

株式会社スタートトゥデイが運営する「ZOZOTOWN」。取り扱うブランドは5,800以上、常時52万点以上のアイテムを揃える日本最大級のファッション通販サイトであり、「ツケ払い」や「ブランドクーポン」、「あなただけのタイムセール」など、他社とは一線を画したサービスで注目を集めています。

今回ご登場いただくのは、スタートトゥデイマーケティング本部ディレクターの小高洋介さんと、スタートトゥデイ工務店(ZOZOTOWNやWEARの開発・デザイン・分析など制作業務全般を担うグループ会社)で分析部に所属する大塚健史さん。お2人はZOZOTOWNが提供してきたさまざまなサービスの仕掛け人、立ち上げメンバーとして関わってきました。現在はそれぞれ所属する部署のリーダーとして活躍する小高さんと大塚さんに、業績好調の要因や企画立案の裏側などについて伺いました。

企画がイケてるかイケてないかは、第三者目線で徹底的に分析

小高 僕は2006年に中途入社して、企画やメディア運営、広告宣伝、アライアンスなどさまざまな部署を転々としてきました。今年の4月からは再びマーケティング本部に配属になり、プロモーションと販売促進、企画立案及び実行まで携わっています。社内では広告担当のイメージが強いと思うのですが、自分では入社したときからずっと企画屋だと思っていて、おもしろいことや“もっとこんなサービスがあればいいのに”ということを考えるのが好きです。

大塚 僕も小高と同じく2006年入社で、最初は物流スタッフのアルバイトからスタートしました。その後は小高が立ち上げたメディア事業部に1年程在籍し、CRMなどを経て現在はスタートトゥデイ工務店というグループ会社の分析部でリーダーをしています。具体的には、ZOZOTOWNやWEARなどの各サービスやプロジェクトに対してデータ分析や数字面から “もっとこうしたほうがいい”という支援や提案をして売上につなげること。また、各部署の人がデータを見やすい基盤を作るということもやっています。

小高 分析部のおかげで社内の数字に対する意識が高まりました。特に僕の部署はすごく分析の依頼をかけるので、大塚のチームは大変だと思います(笑)。でも、企画自体がイケてるかイケてないかという判断はすごく重要で。企画の立案者が分析をすると、どうしても自分の企画ってカワイイので無意識のうちに良く見ちゃう時があるんですよ。本当は利益が出ていないのに出てるように見たくなっちゃうこともあるので、分析部にフラットな第三者目線で厳しく見てもらうことが必須になっていますね。

誰でも思いつきそうな施策をそのまま出すのではなく、会社とお客様がWin-Winになるバランスを見極める

小高 お互い同い年で同年入社ですし、部署は違えど今までいろんな企画を立ち上げてきました。最近では「あなただけのタイムセール」というサービスの基礎を2人で手がけ、すごく反響があって売上も伸びました。

今は違う担当が引き継いで日々改良してくれています。僕自身がZOZOのヘビーユーザーで毎日サイトをさわっているんですけど、お気に入り登録している商品の中でも、なんとなくキッカケがないと買わないものって結構あるんですね。そういうものをどうしたら買いたくなるかを考えたときに、“全員に10%オフだよ”というよりも“今日だけ、あなただけのためにこの価格です”と言われたほうが特別感が出て買いたくなるよね、ということで始めました。

恐らくこのアイデア自体は誰でも思いつくんですけど、“どのタイミングでどの商品を割り引けば、売上と利益のバランスが取れて、会社もお客様もWin-Winになるのか”という点にこだわって展開をしています。

大塚 今までユーザーごとに販売価格を変えるということはやってなかったので社内で試行錯誤しました。利益の辻褄を合わせるのも大変ですね。でも、当社のCRMは優良顧客だけとコミュニケーションを取るのではなく、お客様全員を友達と捉えて、一人一人にあったコミュニケーションを取れる仕組みを作ってきたので、まさに「あなただけのタイムセール」のような施策が好評なのは嬉しいです。

小高 そうだね。そしていつも考えているのは“本当にその施策や広告がないとお客様に買ってもらえなかった分はどれだけなのか“という純増純度です。普通は施策自体の売上が上がったらバンザイで、あまり細かく分析をすることはないと思うんです。でも当社ではそこをしっかり見ることにしています。純増純度を意識しないと、利益効率は合わず、本質的にコンテンツの永続はできないと思います。

データで測りきれないからこそ、ユーザー感覚を持ち続けることが大事

小高 自分達で好調の理由を分析するならば、まず第一に代表取締役社長の前澤がいち早くファッション通販に参入していたことが大きいと思うんですね。
「まずやってみよう」の精神で、ファッション通販がブルーオーシャンだった時代に、様々な施策の良し悪しがどこよりも先にノウハウとして蓄積された恩恵はかなりあると思います。

僕や大塚は洋服が好きだからこそ、ユーザー時代は洋服をネットで買うことに抵抗がありました。でも、当時裏原ブームでなかなか手に入らないブランドの商品がZOZOなら手に入るということで、夢のようなサイトだったんです。実際に僕も1回使ってみたらすごく便利だったので、洋服はネットで買う時代が来るだろうなとも思わせてくれました。

二つ目には、月並みなんですけどZOZOのスタッフは洋服がすごく好きだということ。みんな毎日ZOZOをさわっていて、「もっとこうしたら探しやすいのに」「これは使いづらいよね」なんて常に話しているんです。洋服って定性商材で、データで測りきれない部分が大きくて。たとえば今日僕が着ているシャツを買ったら、次に何を欲しがるかというのはテクノロジーで解析するのも今はまだ限界があり難しい。だからこそユーザー感覚を持ち続けられるかどうかで打ち出す施策も変わるし、もちろん売上にも反映されてると思っています。

大塚 僕も小高とほぼ同じなんですけど、自分がどういうメッセージが来たら嬉しいかということを考えてユーザーとのコミュニケーションを取っています。値下がりましたという情報も、サイトに来てないと気づけないことですけど、こちらがリアルタイムでメッセージを送ることで、在庫がある状態でサイトに来てもらうことを実現できているのかなと思います。

小高 あとは、大塚もそうだけどみんな真面目なんです(笑)。僕を含め、みんな会社を自分の分身みたいな感覚で好きなんです。ZOZOダサいよねって言われたら傷つきますし、ZOZOが好きだからこそもっとよくしたい。スタッフ同士のコミュニケーションも活発で、メールとかチャットを打ってるうちにわずらわしくなって直接席に行って話すことも多いんです(笑)。でもそれがお互いを高めあったりアイデアにつながってるのかもしれないですね。

クリエイターを目指す人へ「何がやりたいか突き詰める」「当たって砕けろ!」

大塚 僕自身は、人に求められることを実現していくのがすごく好きなんですね。今の仕事も全力で自分のできることをやって、喜ばれたらすごく幸せ。だから、月並みになってしまうんですけれど、働きたいと思っている会社に本当にやりたい仕事があるのか、その会社じゃないとできないことなのか、それができると将来的に幸せなのか。これを突き詰めていくと、やりがいを感じながら働けるんじゃないでしょうか。

小高 今まで振り返って嬉しいことも失敗したこともたくさんあったんですけど、それがZOZOTOWNの血となり肉となってきたと思うと自信にもつながってくるんですよね。正直、絶対うまくいくと確信して世の中に出した企画でも打率5割切るくらいなんです。だから失敗してもくじけず、当たって砕けろ精神でいること。砕けてもその経験を積み重ねて学んでいくのが大切なのかな、と思います。

(取材・ライティング:上野 真由香/編集:CREATIVE VILLAGE編集部/
撮影:TAESOO KANG)


1998年設立。輸入CD・レコードのカタログ通信販売事業から、2000年よりファッションのインターネット販売事業を開始。2004年にファッションショッピングサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」をオープン。現在、ZOZOTOWNは5,800以上の人気ブランドを扱い、常時52万点以上の商品を掲載。2013年にはファッションコーディネートアプリ「WEAR(ウェア)」を提供開始(現在世界中で900万ダウンロード)。2007年、東証マザーズに上場(3092)、2012年2月、東証第一部に上場。2017年3月期では商品取扱高2,120億円を達成。事業を通して、「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」という企業理念の達成を目指す。
https://www.starttoday.jp/

小高 洋介(おだか・ようすけ)

株式会社スタートトゥデイ
マーケティング部 ディレクター
2006年入社。企画職、オウンドメディア運営、広告宣伝、アライアンスなどを経て今年4月より現職。ZOZOTOWNのプロモーションと販売促進、企画立案及び実行を手がける。

大塚 健史(おおつか・けんじ)

株式会社スタートトゥデイ工務店
分析部 分析戦略チーム リーダー
2006年入社。物流スタッフからメディア事業部、CRMなどを経て今年7月より現職。各サービスやプロジェクトのデータを分析、売上につながる施策の支援・提案や、分析基盤の構築などを行う。

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