現在の仕事にやりがいや成長を感じなくなったなどで転職を考えるとき、Web業界に興味を持つ方が少なくありません。実際、転職サイトを見ても、Webディレクターの求人は多く出ています。

経験者が優遇されやすい職種ですが、仕事内容は企画・マーケティング系、アート・クリエイティブ系、システム系、営業系の4つのタイプに分類されるため、前職の経験を活かし応募することも可能です。

また、必要なスキルや活かせる資格もさまざまあり、それらを持っていれば未経験でも採用されやすくなるでしょう。
今回は、Webディレクターへの転職のコツや選考対策について詳しく解説します。

Webディレクターには4つのタイプがある

Webディレクターの仕事の様子
Webコンテンツ制作は、エンジニアやデザイナー、ライターなどさまざまな職種の方が関わります。そのメンバーを統括する役割を担うのがWebディレクターです。

一言にWebディレクターといっても仕事内容が非常に広範囲であり、すべてに対応しようとすると膨大な知識やスキルが必要になるでしょう。

そういったことから、仕事内容によって大きく4つのタイプに分かれています。

Webディレクターへの転職を目指すなら、まずはどのような仕事の種類があるのかを知っておきましょう。

企画・マーケティング系

この分野のWebディレクターは、プロジェクトのコンセプト設計と市場分析を担当します。
具体的には、最新のアクセス解析ツールやSNSデータを活用し、ターゲット層やキーワードを徹底的にリサーチ。得られた情報を基に企画書を作成し、クライアントへの提案を実施します。プロジェクトリーダーとして、スムーズな制作進行のためにチーム全体の管理・調整も行います。
未経験者の場合、マーケティングや企画職で培った経験を活かしながら、デジタル業界特有の知識を身につけることが鍵となります。

アート・クリエイティブ系

クリエイティブな視点でWebサイトのデザイン戦略を担うのがこのタイプです。
クライアントのブランドイメージや課題をデザイン面から解決するため、最新のデザイントレンドやUI/UXの知識を取り入れながら、具体的なビジュアルプランを策定します。
デザイナーとしてのキャリアからWebディレクターへのステップアップも一般的で、現在はツールやプロトタイピングの手法も高度化しているため、柔軟な発想と技術のアップデートが求められます。

システム系

このタイプは、Webサイトの運用・技術面の管理を主に担当します。
エンジニアリングやプログラミングのバックグラウンドを持つ人が多く、最新のCMSやクラウドサービス、セキュリティ対策などに精通しています。
サイトのパフォーマンスやユーザー行動をデータドリブンで解析し、改善策をクライアントに提案することで、事業の成果に直結するサポートを行います。
未経験の方は、基礎的なITスキルやデジタルツールの知識を独学やオンライン講座で補うことで、転職のハードルを下げることができます。

営業系

クライアントとの窓口として、言語化しにくい要望やビジネス課題をプロジェクトに反映させる役割です。
営業やカスタマーサポートの経験を活かして、円滑なコミュニケーションを図りながら、Web制作全体の進行管理にも携わります。
近年はリモートワークやオンラインミーティングの普及に伴い、コミュニケーションツールの活用やデジタルマーケティングの知識も重視されています。
未経験者でも、対人スキルや営業経験があればキャリアチェンジの強みとなります。

未経験でもOK!Webディレクターに転職するコツ

Webディレクターの求人は、他のWeb業界の職種と比べても未経験者歓迎の割合が高いのが特徴です。
その理由は、専門的な技術力よりも「コミュニケーション能力」「管理能力」が重視される職種だからです。

Webディレクターは、プロジェクトを円滑に進めるためにチームをまとめる力やクライアントとの折衝スキルが求められます。
そのため、前職で営業、販売、企画、カスタマーサポートなどの経験があれば、未経験からでも十分に活躍できるチャンスがあります。

さらに、業界知識を学んだり、関連資格を取得したりすることで、転職成功の可能性を高めることも可能です。また、いきなり正社員を目指すのではなく、副業やフリーランスの案件で実務経験を積むのも有効な方法です。

ここでは、未経験からWebディレクターに転職するための3つのポイントを紹介します。

未経験からWebディレクターを目指すために必要な知識とスキル

Webディレクターの仕事の様子
Webディレクターの仕事は多岐にわたり、幅広いスキルが求められる職種です。
プロジェクトをスムーズに進めるためには、以下のようなスキルを身につけることが重要です。

  • コミュニケーション・マネジメントスキル:チームをまとめ、クライアントとの交渉を円滑に進める能力
  • プロジェクト管理スキル:スケジュールや予算を管理し、制作進行を調整するスキル
  • マーケティング知識:Webサイトの効果を最大化するための分析力・戦略設計能力
  • デザイン・UI/UXの理解:最新のデザイントレンドを把握し、ユーザーにとって使いやすいサイトを提案する力

基本的なコーディング・システム知識:エンジニアとの円滑なコミュニケーションのための最低限の技術知識
未経験者は、持っていないスキルを積極的に学ぶ姿勢が重要です。特にオンライン講座や独学で基礎を固めておくと、転職の際に有利になります。

Webディレクターで活かせる資格を取得する

Webディレクターになるために必須の資格はありませんが、以下のような資格を取得しておくと転職時のアピールポイントになります。

  • Webディレクション検定
  • Web検定(Webディレクション)
  • Google アナリティクス個人認定資格(GAIQ)
  • ITパスポート(基本的なIT・システムの知識を証明)

これらの資格を取得することで、Web業界未経験でも基礎知識を持っていることを証明でき、採用の可能性を高めることができます。また、実際に現場で働く際も、デザイナーやエンジニアとのコミュニケーションがスムーズになり、信頼獲得につながります。

未経験歓迎の求人を選ぶ

Webディレクターとしての実務経験がない場合、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)を採用している企業や、研修制度が充実している企業を選ぶのが有効です。
未経験者向けの求人では、社内研修や勉強会を開催し、スキルを学びながら働ける環境が整っていることが多く、先輩ディレクターの指導を受けながら成長できる機会も豊富です。

「未経験歓迎」「研修制度あり」「OJTあり」といった条件を意識して求人を探すことで、安心してWebディレクターのキャリアをスタートできます。

また、最初から正社員を目指さず、副業やアルバイト、業務委託案件に挑戦することで実務経験を積むのもひとつの方法です。実務を通じてスキルを身につけ、自信を持って転職活動に臨みましょう。
Webディレクターとしての実務経験がなくても、実務を通してスキルを身に付けられるOJTを採用している会社や、外部講師を招いた勉強会や社内研修を開催する会社も多く見られます。

クリーク・アンド・リバー社でも、未経験からWebディレクターを目指す方々を対象に研修・就業支援プログラムを提供しています。研修期間中も有給で、先輩ディレクターの指導やフォローのもと実践的なスキルを身につけていくことができます。

自分の経験やスキルに合わせて求人を選びましょう。Web業界に興味がありコミュニケーション能力があれば、はじめは先輩の隣に付きながら仕事を覚え、スキルアップしていくことも可能です。

Webディレクターの転職活動時の注意点

Webディレクターは、事業会社と制作会社のどちらに所属するかによって求められる役割やスキルが異なるため、転職活動を進める際には以下の2点に注意しましょう。

どのような仕事がしたいのか明確にする

Webディレクターの仕事は大きく「企画・マーケティング」「アート・クリエイティブ」「システム」「営業」の4つに分かれます。

転職を考える際は、自分がどの分野に興味があり、どのようなキャリアを目指したいのかを明確にすることが重要です。

  • 営業経験を活かしてクライアントとの折衝力を強みにしたい
  • システム開発に関わり、エンジニアと連携しながらサイト構築を進めたい
  • 年収アップを目指し、マネジメントスキルを磨きたい

このように、自分の強みやキャリアプランを整理し、転職の目的を明確にするために自己分析を行いましょう。

業務範囲をチェックする

職の目的が明確になったら、求人情報を集め、業務範囲をしっかり確認することが重要です。企業によってWebディレクターの業務範囲は異なるため、入社後のミスマッチを防ぐためにも事前のリサーチが必要です。
Webディレクターは会社によって、次のように業務範囲が異なります。

事業会社のWebディレクター

自社サイトの運用・改善をメインとし、マーケティング施策の立案やデータ分析を行うことが多い。

特徴:分業が進んでおり、マーケティングや運用に特化しやすい
求められるスキル:データ分析、SEO、マーケティング知識

制作会社のWebディレクター

クライアントのWebサイトを企画・制作・運用するのが主な仕事。業界ごとに異なる課題を解決するため、幅広い経験を積める。

特徴:多種多様なプロジェクトに関われるため、スキルアップしやすい
求められるスキル:クライアント対応力、スケジュール管理、最新トレンドの理解

求人票の業務内容と自分の希望を照らし合わせ、入社後にギャップを感じないようにしましょう。
また、企業の公式サイトや過去の制作実績を確認し、どのようなプロジェクトに関われるのか事前にリサーチすることも大切です。
自己分析して転職の目的が明確になったら、求人情報を集めて業務範囲をチェックします。その会社のサイトや公開されている実績なども確認し、把握するようにしましょう。

まとめ

未経験でもWebディレクターへの転職は可能です。特に資格が必要ない求人も多く見られますが、Webディレクターに関わる資格を取得しておくと、業務内容をスムーズに把握できるでしょう。

また、Webディレクターは企業によって業務内容に差があるので、その会社がどのような人材を求めているのか、自分に何ができるのかを明確にすることが大切です。未経験の方は未経験歓迎の求人に応募するなど、できることから始めるとよいでしょう。

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