「ヘルスケア×AI」に特化したサービスで注目されている株式会社FiNC Technologies。パーソナルトレーナーAIを内蔵したヘルスケアプラットフォームアプリ「FiNC」が、「ヘルスケア/フィットネス」カテゴリ(※1)・ダイエットアプリ(※2) においてダウンロード数国内No.1を獲得。さらに経済産業省の「健康経営優良法人(ホワイト500)」に同社が3年連続で認定されるなど、ヘルスケア分野で躍進を遂げています。

台湾出身のクリエイター・祁慶亞さんは、FiNCのビジョンに共感し、2017年に同社のクリエイティブ部に入社しました。しかし、チームメンバーは全員日本人。日本語をほとんど話せないまま転職を決めた祁さんの前には、言葉の壁が大きくはだかりました。

そんなピンチを乗り越え、「FiNCが好きすぎて(笑)」と笑顔で語る祁さんの、異国という環境で働くモチベーションとは何か。そして、FiNCという場でどんなキャリアを築いていきたいと考えているのか。
現在チームでアプリ内の広告用プロモーション動画や映像の制作に携わる祁さんに、お話を伺いました。
※1日本国内App Store/ Google Play「ヘルスケア&フィットネス」カテゴリにおける1年間のダウンロード数(2017年11月〜2018年10月)の合算/出展:App Annieのデータに基づくFiNC Technologies社調べ
※2ダウンロード数/ダイエット目的の食事管理、運動促進、体調管理いずれかの機能を有するアプリにおいて日本国内 App Store / Google Play 3ヶ月間(2019年1月〜2019年3月)の合算/出典:App Annie

株式会社FiNC Technologies 開発本部 クリエイティブ部 祁 慶亞(Chi Chin Ya)
ヨーロッパの芸術大学でアニメーションを学び、外資系企業でマルチメディアデザインのスペシャリストとして活躍。2017年10月、FiNC Technologiesのクリエイティブ部に入社した後、YouTubeのバンパー広告やプロモーションビデオ、動画や映像に使うタイトルデザインの制作、マルチメディアキャンペーンの開催など多岐にわたる業務を担当している。

言葉が話せないまま、期待と不安を胸に日本へ

――転職を考えたきっかけについて教えてください。

当社に入社する前は、台湾にある企業で医療機械やヘルスケア関連のプロモーション動画を制作していました。ですが、たとえいい作品を作っても「お客様が健康的なライフスタイルを楽しむ」ということには直接的に繋がらないなと感じていたんです。もともと日本で生活したいと考えていたので、色々と調べていたところ、FiNC Technologies(以下FiNC)に出会いました。

予防ヘルスケアにフォーカスした企業というのは珍しいですし、「一生に一度のかけがえのない人生の成功をサポートする」というビジョンにも共感しました。日本で働くという希望も叶いますし、ここでなら、自分の作品をみんなの健康に役に立てられるのではないかと期待を胸にFiNCを選びました。

ただ、ドラマなどを見ていると、日本で働くことは台湾で働くよりハードルが高いというイメージがありました。それに日本語を全く話せなかったので「本当に今の会社を辞めて日本で働いていけるのだろうか」と不安だったのですが、まずは1年と区切りを決めてチャレンジしてみようと思い入社しました。

――実際に入社してみていかがでしたか?

やはり言葉の壁が大きく立ちはだかりました。私が所属するクリエイティブ部は、動画チームとデザインチームに分かれており、私以外のメンバーはみんな日本人。その中で、私が一番コミュニケーションを取るのは8人ほどいる動画チーム。ミーティングで週の目標や企画の構成を議論していても、日本語が理解できずに内容を把握することができないこともありました。あるクリエイティブを作る上でのプロジェクトリーダーとして良いアイデアを出さないといけない場面で、何をどう話したらいいか分からなくて…。落ち込んだこともあります。

でも、そのままだと自信を喪失してしまうので、上司に「どうすればチームメンバーに伝わるか」と相談したところ、「祁さんが意見を言わないと他のメンバーにも伝わらないので、まずはどんな日本語でもいいから話してください」と言われました。

チームメンバーのサポートを受けつつ、地道にお互いの考えを擦り合わせる

――とにかく、積極的にコミュニケーションを取ってみるようアドバイスされたわけですね。チームメンバー(日本人)の方の反応はどのようなものでしたか?

すごく優しく丁寧に接してくれました。今でも変わらずそうなのですが、いつも「手伝いましょうか?」「分からないことはありますか?」と進んで声をかけてくれ、私の拙い日本語を聞いても変な表情ひとつせず、私が分かるよう辛抱強く説明してくれました。私の方も「ここが分からないのですが」「こういう理解で合っていますか?」と何度も質問と確認を繰り返し、地道に意思の疎通をはかり続けました。

どんなにしんどくても、辞めて日本を離れようとは全く思わなかったです。あたたかく支えてくれるFiNCが大好きで、「自分自身だけではなく、チームや会社のためにもっとコミュニケーションを上手く取れるよう頑張ろう!」という気持ちが湧いてくるんです。まだまだ日本語を学んでいる段階ですが、当初感じていた「日本で働けるだろうか」という不安やプレッシャーは払拭されました。

――言語以外の面でギャップを感じることはありましたか?

言語以外では仕事をする上で周囲とのギャップはほとんど感じません。私自身、スキル面では色々と経験を積んできたので、グラフィックやアニメーションなど、言葉ではなく絵を通じて説明することもありました。

チームメンバーとのコミュニケーションを工夫しながら、毎週広告をブラッシュアップしていくのですが、面白くてかっこいい動画を作ることにやりがいを感じております。私たちが手掛けた動画が「すごい!」とSNSで拡散されたり、ポストされたりすると本当に嬉しいですね。

2018年にマーケティングの部署とコラボして制作した「毎日5分ダイエット!人工知能があなたにあったメニューを厳選」といった内容のバンパー広告は、Google社から高い評価を受け、「良い結果を残した広告の事例」としてThink with Googleに掲載されました。

この事例は、チーム内におけるコミュニケーションの積み重ねによって得た賜物であり、私一人では決して達成することが出来なかったものでした。

プロジェクトマネージャーになるために、自分に与えられた業務以上のことに積極的に取り組んでいきたい

――言語の大きな壁を、チームメンバーのみなさんとともに乗り越えてこられたという苦労の先に、このような大きなギフトが贈られたのですね。課題がクリアされつつある今、この先どのようなキャリアステップを踏んでいきたいと考えておられますか?

私には、「プロジェクトマネージャーになる」という目標があります。ですが、プロジェクトマネージャーになるには、他の部署や取引先とのコミュニケーションが必要不可欠です。そのために、周囲のサポートに頼りっぱなしになるのではなく、自分に与えられた業務以上のことにも積極的に取り組んでいきたいと考えています。自分から動いて提案していかないと、キャリアや成長には繋がらないと思っています。

これまでは、チームに対しても会社に対してもそれほど役に立てていなかったと感じているので、いずれ「あなたのおかげですごく助かりました」と感謝してもらえたり、私の作ったものでお客様に喜んでもらえたりしたらいいですね。

――お話を伺っていて、祁さんは今後のキャリアパスに対する意識を含め、多くのことを周囲との関わりの中から得てこられたのではないかと感じます。

FiNCには、上層部をはじめとしてさまざまな分野の有名企業から優秀な社員が集まってきています。そのため、あらゆる専門的なフィールドの知識や経験を吸収できるのが当社の良いところだと思います。スキルやキャリアをブラッシュアップするために、お金を払って外部に通学したり、セミナーに参加したりという方もいると思いますが、FiNCなら社内だけで様々な分野のプロフェッショナルから知見を得ることができるんです。そういう点でもとてもいい環境だなと思います。

このような学びの多いFiNCで、みんなに喜んでもらえ、感動してもらえる作品を作れるよう、この先も頑張っていきたいです。

インタビュー・テキスト:小泉 ちはる(YOSCA)/撮影:SYN.PRODUCT/編集:岩淵 留美子(CREATIVEVILLAGE編集部)

会社プロフィール


当社は、「Personalized AI for everyone’s wellness」をミッションに掲げる予防ヘルスケア×テクノロジー(⼈⼯知能)に特化したヘルステックベンチャーです。
薬剤師や管理栄養⼠、理学療法⼠やトレーナー等の健康領域の資格保有者、データサイエンティストやエンジニア、遺伝学・栄養学・運動学・⼼理学などのライフサイエンス領域の研究者で構成されたプロフェッショナル集団です。

■ 社名  :株式会社FiNC Technologies
■ 所在地 :東京都千代田区有楽町1丁目12-1 新有楽町ビル5階
■ 設立  :2012年4月11日
■ 代表者 :代表取締役CEO 溝口 勇児
■ 事業内容:モバイルアプリケーション事業ほか
■ URL:https://company.finc.com/

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