凪良ゆう、瀬尾まいこ、坂木司、一穂ミチ、三浦しをんの5人による本屋さんアンソロジー『本屋さんのある街で』(文春文庫)が、発売からわずか2か月で累計6万3000部を突破した。株式会社文藝春秋が2026年5月8日に刊行した同作は、増刷を重ねながら全国の書店で人気を博している。
本作は、街の本屋さんとそこで働く人たちへの愛をテーマに、5人の人気作家がそれぞれの視点で紡いだ短編を収録した珠玉のアンソロジーだ。瀬尾まいこ氏の「続きは書店で」は閉店間近の書店を舞台に、一穂ミチ氏の「歌うように生きて」は意外な場所で桜を見ようと誘う男の物語を描く。坂木司氏の「手に取って見てみろよ」では失恋を機に雇われ店長となった男の奮闘を、凪良ゆう氏の「小鳥たち」では父の書店を継ぐ決意をした女性の再会を描く。三浦しをん氏の「見晴らし書店の一日」は、曾祖父が始めた小さな書店を舞台にした家族の物語だ。
好調な売れ行きを受け、作品を寄せた5人の作家からコメントが届いた。凪良ゆう氏は子供のころに通った近所の本屋さんへの思いを綴り、「すべての街の本屋さんへ、心からありがとう」と感謝を伝えた。瀬尾まいこ氏は「ちょっとした憩いも、知らない世界への扉も書店には詰まっています」と書店の魅力を語り、坂木司氏は「折り目がついてもそれは勲章です」と読者への温かいメッセージを寄せた。一穂ミチ氏は「書店の皆さんは、物語というバトンを託すアンカーです」と書店員への敬意を示し、三浦しをん氏は「私たちの街に、心のよりどころとなる本屋さんがいつまでもありますように」と願いを込めた。
また、大阪・阿倍野の「BOOK’N BOOTH(ブッキンブース)」店主の中村優子氏からも「町の本屋さんとして何ができるのか、いつもいつも一生懸命考えていきたい」と応援の声が届いた。
定価は紙版・電子版ともに770円(税込)。装画はせきやよい氏、装丁は野中深雪氏が手がけた。