グラフィック社は、1960〜70年代のヒッピー・カルチャーを起点としたファンク&サイケデリックなビジュアル表現を現代の視点で再構成した書籍『ファンカデリック 60-70年代ベースのファンク&サイケなデザイン集』を、2025年7月に発売する。

本書は、当時のカウンターカルチャーが生み出したペイズリー柄や花柄、幻想的で多層的な色彩表現などを基礎とし、それらが現代のグラフィックデザインにどのように受け継がれ、再解釈されているかを豊富なビジュアルとともに紹介している。ノスタルジーと先鋭性が融合したデザインの数々は、時代の境界を越えて新たな創造性を刺激する。

構成は三部から成り、第一部では注目の現代デザイナーやアーティストへのインタビューを通じて彼らの創作哲学を掘り下げ、第二部では実際の作品をショーケース形式で掲載。第三部では当時の雰囲気を再現したユニークなフォントカタログを収録している。アイデンティティ設計やブランド構築に関わるデザイナーにとって、豊かなインスピレーションの源となる一冊となっている。

本書の編集を手がけたのは、香港のデザイン出版社viction:ary(ヴィクショナリー)。2001年にヴィクター・チュンが設立したviction Workshopltd.を母体とし、独創的なコンセプトとグラフィック手法、革新的な印刷技術によって、世界中のクリエイティブと読者を結び付けてきた。現在はVICTION-VICTIONやCITIx60といった複数のブランドを擁し、書籍やビジュアルメディアを通じて多様なジャンルのデザイン表現を発信している。

『ファンカデリック』は、ヒッピー文化が残した自由な創造精神を手がかりに、現代におけるグラフィックデザインの可能性を再確認するための貴重な資料となりそうだ。