株式会社KADOKAWAは、第一回「ワードレス漫画コンテスト(英:Wordless World Manga Contest)」の受賞作品を、2025年4月30日に発表した。本コンテストは、セリフやナレーションなど言語表現を一切使わずに物語を描く「ワードレス漫画」によって、世界中の多様な文化と表現力をつなぐことを目的として創設された新たな漫画賞である。

今回は世界104の国と地域から計1,126件の応募が寄せられ、審査の結果、オリジナル部門から7作品、テーマ部門から1作品、計8作品が受賞に選ばれた。金賞はカナダのcocosmによる『My Hope In Bloom』が受賞した。アーティストとライターのデュオであるcocosmは、漫画を通じて築かれた二人の絆を語りながら、今回の受賞を大きな挑戦と喜びであったと述べた。

銀賞にはインドのmasterlynxによる『Heartsteel』と、アメリカのREKUによる『Dungeon Duo』が選ばれた。masterlynxは締切直前から制作を始めたとしながらも、困難な制作過程を楽しみながら乗り越えた経験を語った。REKUは、時間的制約の中でも創造性を発揮し、作品を完成させたことに強い誇りを感じていると話した。

銅賞には、台湾のLizard B.Rainによる『Mother』、アルジェリアのMarika Mangaka DZによる『Pierrot inside me』、インドネシアのSodafungiによる『Hear No Evil』、そして台湾の静(Shizu)による『雨の日も好きになるように(No Rain, No Rainbow)』の4作品が選ばれた。それぞれの作者が、自身の内面や体験、表現したいテーマを丁寧に描いた作品が高く評価された。

また、今回唯一の受賞となったテーマ部門の銅賞には、Mari Kosakiによる『The Don’s Final Quest』が選ばれた。世代を超えて人と人をつなぐ「物語」の力を描いた本作は、静かでありながらも深い共感を呼ぶ内容となっている。

今回の受賞作は、KADOKAWAの公式サイト「ワードレス漫画コンテスト」ページにて公開されており、言語を超えて心に届く珠玉のストーリーを誰でも楽しむことができる。コンテストの今後の開催については未定だが、世界中のクリエイターに向けた次なる挑戦の場として期待が高まっている。