世界的なゲーム開発・運営企業であるテンセントゲームズは、2025年のゲーム開発者会議(GDC)に先立ち、最先端のゲーム開発技術を発表する。あわせて、TiMi Studio Groupが開発中のマルチプレイヤー・アドベンチャーRPG「Honor of Kings: World」の未公開デモも公開される予定だ。

同社はGDCにおいて、業界をリードするAI駆動型のアンチチート技術「Anti-Cheat Expert(ACE)」や、1億5000万人以上のデイリーアクティブユーザーを抱えるゲームプラットフォーム「GiiNEX AI」などを紹介。さらに、AIを活用したゲーム品質保証プラットフォーム「WeTest」も展示され、ゲーム開発の効率化と品質向上に貢献する技術が披露される。

また、GDCの期間中には専門家による講演が予定されている。特に注目されるのは、AI技術の進化をテーマにしたセッション「F.A.C.U.L.: 人間言語を理解する初のFPS AIコンパニオン」だ。テンセント・ゲームズのエルヴィス・リュー氏が登壇し、FPSゲーム「Arena Breakout」に導入されるAIコンパニオン「F.A.C.U.L.」の技術について解説する。

また、Team Jadeのハン・ジャオ氏とリチュアン・ワン氏は、「Delta Force」における高品質な地形およびバイオーム技術について講演。PCおよびモバイル向けのグラフィック技術に関する最新の研究成果が共有される。

GDC期間中、テンセントゲームズは「開発者サミット」を開催し、影やアンビエントオクルージョンを強化する「インラインレイトレーシング」などの先進的な技術を紹介。また、「Delta Force」の大規模PvPレベルデザインや、ゲーム・アズ・ア・サービス(GaaS)のユーザー獲得技術についてのディスカッションも予定されている。

さらに、テンセントは次世代のゲーム開発者を支援する取り組みとして「Future Innovators: Tencent Campus Drive」を実施。学生向けに採用説明会を行い、グローバルなゲーム業界でのキャリア構築をサポートする。

GDC 2025では、メディア関係者向けに「Honor of Kings: World」の独占ハンズオンプレビューも実施される。リードゲームデザイナーのシメン・ルヴ氏による解説とともに、新作のゲームメカニクスや戦闘システムを体験できる貴重な機会となる。

また、テンセントゲームズは、業界の品質保証とセキュリティ向上を目指し、TIGG(Thriving in Games Group)開発者サミットにも参加。AIを活用したアンチチート技術や、モバイルゲーム品質の国際標準「IEEE P3391」に関する最新の取り組みを紹介する。

GDC 2025におけるテンセントゲームズのブースは、3月19日から21日まで南ホールのS741に設置される。最新技術や開発戦略に関心のある来場者は、同社のブースやセッションを訪れることで、ゲーム業界の未来を垣間見ることができるだろう。