ビジュアルコミュニケーションプラットフォームを展開するCanvaは2026年4月17日、設立以来最大級のアップデートとなる「Canva AI 2.0」を発表した。本機能の導入により、同社は従来の単なるデザイン制作ツールから、業務全般を完結させる中核的なシステムへの変革を図る。
同社は2013年の設立以降、ブラウザ上で直感的に操作できるデザイン環境を提供し、現在は世界で月間2億5000万人以上の利用者を抱える。米国ロサンゼルスで開催された新機能発表会で披露された今回のアップデートは、長年のAI研究とデザイン用基盤モデルへの投資を背景に、対話型およびエージェント型のプラットフォームへと進化させたものである。
Canva AI 2.0の大きな特徴は、自然な対話や音声入力から編集可能なデザインを即座に生成する会話型デザイン機能である。ユーザーが目的や構成を伝えるだけでブランドの指針に沿った作品が構築され、文脈を維持したまま細かな調整を重ねることも可能となった。また、エージェント型オーケストレーション機能により、AIがユーザーの意図を理解して最適なツールを自ら組み合わせ、SNSキャンペーンの資料一式を自動で作成するなど、クリエイティブパートナーとしての役割を果たす。
作業効率を高めるための外部ツール連携も強化された。SlackやGmail、Zoomなどの主要ツールと接続し、会議の議事録や電子メールの内容をもとに提案資料や社内報を自動生成する。さらに、あらかじめ設定したタスクを自動実行する機能も備えており、SNSの定期投稿や会議用資料の準備といったルーチンワークを大幅に短縮できる。
技術面では、オブジェクトごとのインテリジェンスにより画像や見出しを個別に識別し、精密な編集を可能にした。新たに導入された「Canvaコード2.0」では、AIを用いてレスポンシブ対応のブラウザアプリを構築できるほか、HTMLファイルのインポートにも対応する。これにより、専門的なコードの知識がなくとも、対話型フォームやウェブページなどの高度なコンテンツを視覚的な操作だけで編集し、公開できるようになった。
Canva Japan株式会社の担当者は、今回の刷新が複雑なソフトウェアからブラウザへの移行以来の大きな転換点になると位置づけている。同社は、個人の創作活動から企業の広域な広告戦略までを支える一気通貫の環境を提供し、世界の働き方の再定義を目指す。