インターネット広告などを手がける株式会社グレイドは、個人ファンが少額で都心の街頭ビジョンに広告を出せるプロジェクトを、6月1日から応援購入サービス「Makuake(マクアケ)」で開始する。中間の代理店を挟まない直販モデルの採用により、業界相場の約4分の1から5分の1となる月18万円からの限定価格を実現した。拡大を続ける「推し活」の需要を取り込み、企業の予算が中心だったサイネージ広告市場の流通改革を目指す。

プロジェクト名は「ミチビキ 推し活サイネージ広告プロジェクト」で、渋谷センター街や歌舞伎町、新大久保、高田馬場、三軒茶屋の都内5拠点が対象となる。1カ月間、1時間に4回にわたり15秒の動画を放映できる。価格は三軒茶屋の18万円からで、最も高額な5拠点同時放映のプランは100万円となっている。

同社によると、渋谷センター街の街頭ビジョンに1カ月間広告を放映する場合、複数の代理店を経由する従来の商習慣では140万円から190万円が相場だった。これに対し、同社が運営する街頭ビジョン事業「ミチビキ」では、一次代理店のみで完結させることで通常でも60万円に抑えている。今回はさらに、マクアケでの直販限定価格として渋谷センター街の枠を36万円で提供する。

国内の推し活市場は年々拡大しており、クラウドファンディングではアニメやゲームの応援プロジェクトに億単位の資金が集まる事例も出ている。駅構内のポスター広告はファンによる応援広告として普及しているが、街頭のデジタルサイネージ広告を個人が少額で購入できる仕組みは整備されていなかった。有志のグループで費用を分担すれば、1人あたり数千円から数万円で都心の一等地に広告を出すことが可能になる。

同社の澤田佳宏代表取締役は、これまで企業の広告予算でしか実施できなかった街頭ビジョン放映を、ファン1人やグループ単位で少額から購入できる仕組みは国内の広告業界で極めて稀少な取り組みであるとしている。なお、実際の放映にあたっては、推し本人や所属事務所、権利者からの掲載許諾が確認できない映像は受け付けない方針で、事前に公式ファンクラブなどへの相談を推奨している。マクアケでの公開期間は6月1日からで、5月27日より事前の予告ページが公開されている。