AI回答エンジンを展開するPerplexity AIは2026年5月11日、SHIBUYA QWSにて、スタンフォード大学、米日財団、京都大学とともに「日米AIガバナンス・シンポジウム」を開催した。本シンポジウムには政策立案者、法学界、テクノロジーリーダーらが集結。AIガバナンスの未来について、抽象的な原則論を超えた「実践的な導入と信頼」を軸に深い議論が交わされた。

AI導入の「絶対条件」としての信頼

全セッションを通じて中心テーマとなったのは、AIへの「信頼(Trust)」である。これは単なるシステムの性能を指すものではなく、AIが社会に統合されるプロセス全体への信頼を意味する。ガバナンスの実現には、政府や産業界、そしてエコシステム全体にわたる協調的な行動が必要不可欠であるとの認識が共有された。

平 将明 議員が語る「世界で最もAIフレンドリーな国」への戦略

自民党の平将明衆議院議員は、AIを経済競争力と国家安全保障の最優先事項と位置づけ、以下の戦略を表明した。

・アジャイルな統治: EU型の包括規制ではなく、機動的な「ソフトロー」によるガバナンスを継続し、世界で最もAIフレンドリーな国を目指す。
・エージェンティックAIによる政府変革: 自律型AIの台頭を見据え、政府自身のシステムをAI駆動型へと変革させる。
・「AI主権」の進化: インフラからデータ、文化的適応までを含む「戦略的統制」を重視。
・悪用への厳格な対処: 認知戦や重要インフラへの脅威に対し、罰則を含む執行措置の導入も検討する。

主要論点とクリエイティブへの示唆

1. 規制の収束:日本モデルが世界の「架け橋」に
各国の規制手法は文化背景により異なるが、現在は日本の「柔軟で信頼ベースのモデル」へと収束しつつあるとの見解が示された。日本は世界の規制アプローチを橋渡しする重要なポジションを確立している。

2. 知的財産:訴訟から「持続可能な共生」へ
著作権を巡る不確実性に対し、訴訟による境界線の明確化と、直接ライセンスやデータ共有等の実践的な協力の両輪が必要であると議論された。特に、出典を明示するRAG(検索拡張生成)システムは、適切な帰属と対価支払いを可能にする現実的な解決策として期待されている。

3. 社会実装:人間の役割は「意思決定」へ
AI導入が大規模化する中で、人間の役割は監視、判断、そして戦略的な意思決定へとシフトしていく。信頼とプライバシー確保のため、ローカルとクラウドを組み合わせたハイブリッド構成の重要性が指摘された。

結論:協調的アクションが未来を形作る
AIガバナンスは、単一の規制ではなく、政策、技術、ビジネス慣行の相互作用によって形作られる。政府、AIプロバイダー、そしてエコシステム全体が足並みを揃える「協調的行動」こそが、信頼あるAI社会を切り拓く道であると結論付けられた。

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000157647.html