フリ―ランスの働き方を選んだとき、切っても切り離せない「案件獲得」の問題。
独立したばかりの方はもちろん、これまで順調に案件受注できていた方でもコロナの影響で案件獲得に課題を感じている方がいるのではないでしょうか。

そこで、今回はフリ―ランスのデザイナー向け案件獲得のためのtodoをご紹介します。

案件獲得のための事前準備

「案件獲得のためにできる6つのこと」をご紹介する前に、まず絶対にやっておかないといけないことがあります。それはポートフォリオを充実させることです。

まだポートフォリオを持っていない、という方は以下を参考にしてポートフォリオ作りからはじめましょう。
▼実績アピールに繋がるポートフォリオの作り方
https://www.creativevillage.ne.jp/16595

「すでにポートフォリオサイトは用意しているが、なかなかそこから案件獲得に繋がらない」という人は、以下の視点で見直してみると改善のポイントがあるかもしれません。

ポートフォリオサイト自体のクオリティが十分か

クリエイティブに詳しい発注者の場合、ポートフォリオサイト自体のクオリティもあなたのスキルを評価する基準としてみています。経験が浅いうちにつくったサイトのまま運用を続けている場合は、思い切ってリニューアルすることも検討するとよいでしょう。

それぞれの案件で作業範囲や制作期間が明確になっているか

発注者の立場からすると、どんなにデザインが良くても対応範囲や制作期間がマッチしなければ発注はかけられません。「どこからどこまでの作業を、どのくらいのスケジュールで依頼できそうか」が分かるように、記載しておきます。

作品数は10程度にまとまっているか

掲載している作品数が多すぎると、情報過多により「後でゆっくり…。」と判断を後回しにされてしまうことがよくあります。
重要なのはたくさんの案件を見せることより、お問合せに繋げてその後の打合せでひとつひとつの案件を丁寧に説明すること。デザイナーとしてのスキル・力量や、表現できる世界観をより効果的に伝えられる10作品程度を厳選して載せましょう。

「あなたがどんな人なのか」を伝えきれているか

初めて一緒に仕事をする人に対して「一緒に仕事をするうえで円滑にコミュニケーションがとれる人なのだろうか」と感じた経験が、あなたにもありませんか。
発注者も画面の向こうで同じように感じて、コンタクトを躊躇しているかもしれません。自己紹介ページを充実させるほか、SNS アカウントをサイトと連携しておくことで、あなたの人柄を伝えて新規のお問合せの心理的なハードルを下げることができます。

案件獲得のためにできる6つのこと

(1)マッチングサービスに登録する

フリーランス向けに案件紹介を行うマッチングサービスは、近年増加しています。
ほとんどのサービスは無料で利用でき、専任のコンサルタントが付いて経験やスキルに合った案件を紹介してもらえます。
マッチングサービスで扱っている案件は単価が比較的高めのものが多いです。そのぶんある程度の経験とスキルが求められたり常駐案件だったりするので、スキルやリソースとのバランスを考えて応募していくことが早期の案件獲得に繋がります。
いくつかのサービスに同時並行で登録してコミュニケーションのとりやすいコンサルタントを探し、案件内容についてしっかり確認しながら仕事を請けていくのがよいでしょう。

▼デザイン案件が豊富なマッチングサービスの例:
ITプロパートナーズ(株式会社Hajimari)
DX career(株式会社プロフェッショナルメディア)
レバテッククリエイター(レバテック株式会社)
JOBHUB(株式会社パソナ)

(2)クラウドソーシングサービスを利用する

クラウドソーシングはマッチングサービスに比べて初心者層も登録しやすいサイトで、幅広い層のワーカーが競合になります。
職種・働き方別にさまざまな案件が掲載されており、自分が力を発揮できそうな案件に応募して、お互いの合意があれば契約が成立します。
代表的なランサーズ、クラウドワークス、ココナラ以外にも、シュフティSOHOビレッジスキルクラウドなどのサービスがあります。

クラウドソーシングは登録の間口が広い分、案件単価も低めです。
デザイン経験者向けのいわゆる「割に合う案件」は応募が数十件集まるなど競争率が高くなりがちですが、充実したポートフォリオを提示することで受注の可能性が高まります。

(3)SNSでデザイナーとしての仕事内容や活動情報について発信する

SNSはしっかり運用することで案件獲得に繋がりやすいプラットフォームにしていくことができます。Facebook、Twitterや、ビジネス向けのソーシャルメディアであるLinkedInYentaYOUTRUSTなどを併用するのがオススメです。

あるフリーランスの方は、単純接触効果を高めるために「Twitterを毎日投稿」「コメントは必ず返信する」の2つを徹底したとか。公開した作品だけでなく勉強の過程やそこで仕入れた知識を発信することで、親近感がわく声をかけやすい存在を目指したそうです。
誰もが驚くような案件実績をアピールするばかりがブランディングではないことがわかりますね。

また、お問合せまでの導線にも気を配りましょう。
たとえばプロフィールなど固定欄にポートフォリオサイトのURLを載せておく、お問合せ時の連絡方法を記載しておく、など。SNSを見てあなたに興味をもった人がお問合せのアクションを起こそうとしたときに迷う要素をなくしていくイメージで情報を配置します。

(4)ポートフォリオサイト以外に自分で運営サイトをつくる

ブログなどを開設してポートフォリオサイトとリンクさせ、ポートフォリオサイトの入り口を増やす方法です。
たとえばWebディレクターやプロデューサーが読んで役立つ情報を発信すれば、情報の発信者であるあなたへの関心に繋がり、依頼のモチベーションになるかもしれません。
最終的に案件の受注が目的になるため、新しく開設するサイトのターゲットはその目的に合わせて設定するとより良い効果が期待できます。

(5)イベントや交流会で繋がりをつくる

フリーランス向けの交流会はSNSやイベント検索で簡単に見つかります。人脈や情報に投資できる人は、有料コミュニティやオンラインサロンに入会すると優れたスキルや知識を持った人とより効率的に接触することができます。
またデザイナー向けのもの以外に、ディレクター、プロデューサー、人事、ベンチャー企業のリーダーなど、クリエイターをアサインする立場の人が参加するイベントで名刺交換しておくと今後の仕事に繋がる可能性が高まります。

(6)近くの店舗に営業をかける

多くの方の意外な盲点がこちらの方法です。Webサイトやデザインのニーズは身近なところでも発見できる可能性があります。
たとえば近所の飲食店や個人経営店のオーナーは、店舗サイトを開設したい気持ちがありながらどこに依頼すればいいのかわからず、具体的な相談に至っていないかもしれません。
丁寧にヒアリングしながら制作をリードし、信頼関係を築くことで追加発注がもらえる可能性もあります。

案件獲得のためにできること(番外編)

これまでフリーランスのデザイナーの案件獲得方法についてご紹介しましたが、フリーランスにこだわらず、フリーランスと兼業しやすい仕事を探す、のも一つの方法です。
フリーランスの仕事や案件獲得のための活動と並行しながら、収入面が安定しやすい働き方を取り入れる方法です。
時間の融通がききやすいアルバイトやパートのほか、まずはお金の気がかりを解消するなら、より時給の良い派遣で働くことを選択肢にいれてみるといいでしょう。
週3~4日や時短などの働き方ができ、1~3か月の契約を更新していくスタイルの派遣をフリーランスのカバーとして活用する人は意外に多いです。

クリーク・アンド・リバー社で取り扱っている「Wワーク&週3日OK」の求人

また派遣の受け入れは多くの大企業・有名企業が行っており、仕事を通じて今後に繋がる人脈を広げられることも大きなメリットの一つです。
ただし派遣元の規定によってWワークができないケースもあるため、担当者にあらかじめ相談しておきましょう。

まとめ

今回はフリーランスのWebデザイナーの方が比較的実践しやすい案件獲得方法を中心にご紹介しました。
自力で取り組んで「それでも上手くいかない……」というときには、ぜひマッチングサービスなどでプロの力を借りてみてください。
クリーク・アンド・リバー社でも、フリーランスのWebデザイナーの方へ案件紹介・キャリア支援を行っています。せっかくのスキルを活かしきれずお困りでしたら、ぜひお気軽にご相談ください。

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