VRカメラは製品によって、機能性や価格が大きく異なります。1台数万円のお手頃なものから、数百万円の本格的な製品まで幅が広いので、ご自身の目的・レベルにぴったりなVRカメラを選ぶことが大切です。
そこで今回は、VRカメラ選びのポイントに加えて、おすすめのVRカメラをレベル別にまとめてみました。

「360度カメラ」とも呼ばれる、VRカメラとは?

VRカメラとは、VR映像を撮影する際に使用するカメラのこと。撮影者の前方だけではなく、後方を含む360度の範囲を撮影できることから、VRカメラは「360度カメラ」や「全方位カメラ」とも呼ばれています。
VRカメラの歴史は古く、水平方向のみ360度撮影できる「QuicktimeVR」は1990年代に開発されました。その後も開発は着々と進められ、2019年現在では360度を見渡せる全天周パノラマを表現することが可能になっています。

VRカメラには2つの種類がある!

現在ではVRカメラにも様々な製品がありますが、VRカメラは大きく以下の2つに分けられます。

VRカメラの種類 概要
全天球カメラ 超広角の魚眼レンズを2つ使用したカメラ。
2つの映像を撮影し、その映像を自動で縫い合わせる処理(スティッチ)を行う。
この仕組みにより、上下左右360度の撮影が可能。
半球カメラ 超広角の魚眼レンズを1つ使用したカメラ。
全天球カメラのように、全方向を一度に撮影することはできない。
ただし、2つのカメラを使用し、撮影後に編集をすることで上下左右360度の映像になる。

上記の通り、全天球カメラと半球カメラは特徴が大きく異なります。しかし、上記の説明だけではやや分かりづらいので、両者の違いをもう少し詳しく見ていきましょう。

全天球カメラ 半球カメラ
編集技術 必要なし(自動編集) 必要あり
難易度 初心者~上級者向き 上級者~プロ向き
動画の質 高い
コスト 高い 安い
撮影できる範囲 上下左右360度
(※カメラの底面は撮影不可)
2つ組み合わせると、上下左右360度の撮影が可能
(※カメラの底面も撮影可)

半球カメラは低コストで購入できますが、上下左右360度を撮影するためには、2つの半球カメラを購入する必要があります。また、撮影後には編集が必要になるので、全天球カメラに比べると上級者向けのカメラと言えるでしょう。

VRカメラの選び方は?押さえておきたい3つのポイント!

VRカメラを選ぶ際には、上記でご紹介したタイプ以外にも押さえておきたいポイントがあります。選び方の主なポイントとしては、以下が挙げられるでしょう。

価格帯 VRカメラの価格帯は、数万円~10万円まで幅が広い。
必要な機能に加えて、予算も事前に決めておく必要がある。
画質 VRカメラの画質は、「静止画品質」「動画品質」の2つに分けられる。
静止画・動画のどちらを撮影するのかによって、確認するべき情報が異なるので要注意。
防水機能 雨天時や水場の近くなどで撮影をしたい場合は、防滴もしくは防水の製品を選ぶ必要がある。
特に水中で撮影をする場合は、「防水」が備わった製品を選ぶことが大切。

ほかにも重量や内蔵されているメモリなど、製品を比較するポイントは数多くあります。しかし、全てのポイントを比較すると膨大な時間がかかってしまうので、まずは上記3つのポイントに絞って製品を比較すると良いでしょう。

レベル別!おすすめのVRカメラ10選

では、いよいよVRカメラの具体的な製品を見ていきましょう。以下は、これからご紹介する各製品の情報を簡単にまとめたものです。

製品名(シリーズ) メーカー レベル
RICHO THETA リコー(日本) 初心者向き
Gear 360 ニコン(日本) 初心者向き
Key Mission Samsung(韓国) 初心者向き
QooCam KANDAO(中国) 初心者~中級者向き
Kodak Kodak(アメリカ) 中級者向き
360fly 360fly(アメリカ) 中級者~上級者向き
Insta360 Insta360(中国) 初心者~プロ向き
iZugar iZugar(香港) 中級者~プロ向き
GoPro GoPro(アメリカ) 上級者~プロ向き
Nokia Ozo Nokia(フィンランド) 上級者~プロ向き

上の表はVRカメラのシリーズをまとめたものですが、各シリーズにも様々なモデルが登場しています。そこで次からは具体的なモデルにも触れながら、おすすめのVRカメラをさらに詳しく解説していきましょう。

【おすすめVRカメラその1】RICHO THETA

初心者向けのVRカメラとして、特に人気を得ているお手頃なシリーズです。リモコンのようなコンパクトなボディが特徴的であり、デジタルカメラ用の三脚も利用できるので、様々なシーンで活躍するVRカメラでしょう。
さらに、専用アプリでの編集が容易な点、分かりやすいボタン配置になっている点も、初心者にとっては嬉しいポイント。モデルはいくつかありますが、従来のモデルから動画撮影の機能を向上させて、さらにライブストリーミング機能が搭載された「RICHO THETA V」がおすすめです。

モデル THETA V
THETA S
THETA SC など
https://theta360.com/ja/
価格帯 30,000円~50,000円
解像度 静止画…★★★★☆
動画…★★☆☆☆~★★★☆☆
防水機能 無し(オプション品あり)
特徴 ・機能やデザインがシンプル
・持ち運びがしやすい
・初心者でも簡単に扱える

【おすすめVRカメラその2】Gear 360

初心者向けにシンプルな機能を搭載した、球形のVRカメラです。手ブレ補正や内蔵メモリは備わっていませんが、防滴機能が備わっているため水場でも安心して撮影ができます。
最大の魅力は、価格帯が約3万円と低コストで購入できること。解像度もそれなりに高いので、コストパフォーマンスの高いシリーズとして注目されています。
動画を撮影したい場合は、初代から解像度を向上させた「Gear360 (2017)」を選ぶと良いでしょう。

モデル Gear360 (初代)
Gear360 (2017) など
https://www.galaxymobile.jp/gear-360/
価格帯 約30,000円
解像度 静止画…★★★★☆
動画…★★★☆☆~★★★★☆
防水機能 防滴あり
特徴 ・コストパフォーマンスが高い
・防滴が備わっている
・形状が球形タイプ

【おすすめVRカメラその3】Key Mission

「耐水性・耐衝撃性・耐寒性・防塵性」と、耐久性に特化したタイプのVRカメラです。アウトドアでの撮影に最適であり、多少の濡れや衝撃であれば故障の心配がありません。
また、形状が収納しやすい長方形であり、各部品を分けて持ち運べる点もアウトドア向きです。ただし、全方位を撮影できるモデルは「KeyMission 360」のみであるため(※2019年1月現在)、その点に注意して検討するようにしましょう。

モデル KeyMission 360
https://www.nikon-image.com/products/action/lineup/360/
価格帯 30,000円~35,000円
解像度 静止画…★★★★☆
動画…★★☆☆☆
防水機能 防水あり
特徴 ・耐久性に特化している
・アウトドアでの撮影に最適
・収納や持ち運びも便利

【おすすめVRカメラその4】QooCam

スティック状で持ち運びしやすい点が魅力的な、コンパクトな高機能カメラです。3つのレンズを搭載することにより、「2Dの360度・3Dの180度」を切り替えて撮影ができるので、様々なシーンで活躍するVRカメラでしょう。
解像度はそれほど高くありませんが、手ブレ補正機能が備わっているため、初心者でも綺麗な映像を作りやすいでしょう。

モデル QooCam
https://www.mitomo.co.jp/products/kandao-qoocam/
価格帯 約50,000円
解像度 静止画…★★★☆☆
動画…★★★☆☆
防水機能 なし
特徴 ・スティック状で持ち運びに便利
・2Dと3Dを切り替えられる
・手ブレ補正が備わっている

【おすすめVRカメラその5】Kodak

高い静止画品質と、防滴・防水機能が魅力的なVRカメラです。動画品質はそこまで高くありませんが、本体が軽量で持ち運びがしやすく、セットになっている三脚もコンパクトなので扱いやすさが評価されています。
モデルはいくつかありますが、解像度にこだわりたい方には4Kに対応している「SP360 4K(半球)」「4KVR360(全天球)」がおすすめ。モデルによってカメラの種類が異なるので、その点に注意しながら選ぶようにしましょう。

モデル SP360 4K
4KVR360 など
https://kodakpixpro.com/AsiaOceania/jp/
価格帯 45,000円~60,000円
解像度 静止画…★★☆☆☆~★★★★☆
動画…★★★☆☆~★★★★☆
防水機能 防滴・防水あり
特徴 ・静止画品質が高い
・防水機能が備わっている
・全体的に軽量で持ち運びに便利

【おすすめVRカメラその6】360fly

防水・防塵機能が備わっている、スティッチレスのVRカメラです。つなぎ目のない自然な映りを再現できる上に、動画品質にもこだわられた製品であるため、動画撮影をしたい方にぴったりなVRカメラでしょう。
特に「360fly 4K」は最深10mの防水加工が施されており、電子コンパス・GPSといったアウトドアに特化した機能が備わっています。内蔵メモリも64GB搭載されているため、長時間の撮影にも適しているでしょう。

モデル 360fly HD
360fly 4K など
https://shop360fly.jp/
価格帯 40,000円~60,000円
解像度 静止画…★★★☆☆
動画…★★☆☆☆~★★★★☆
防水機能 防水あり
特徴 ・スティッチレスである
・防水加工がしっかりとしている
・アウトドアに特化した機能性

【おすすめVRカメラその7】Insta360

Insta360シリーズは、初心者~プロ向きまで様々なタイプのモデルが存在しています。
比較的安価な「Insta360 Nano」や「Insta360 Air」はiPhone専用のVRカメラであり、スムーズな撮影・データ転送を実現しています。機能も全体的にシンプル、さらにサイズが小型であるため、初心者にとっては扱いやすいカメラと言えるでしょう。
一方で「Insta360 Pro」や「Insta360 Pro2」は、3D撮影に特化した高解像度のVRカメラです。撮影時重量は1kgを超え、値段もやや張りますが、プロレベルの映像を制作したい方には最適なモデルでしょう。

モデル Insta360 Nano
Insta360 Air
Insta360 Pro
Insta360 Pro2 など
https://hacosco.com/insta360/
価格帯 40,000円~1,700,000円
解像度 静止画…★★☆☆☆~★★★★★
動画…★★★☆☆~★★★★★
防水機能 なし
特徴 ・様々なタイプのモデルがある
・モデルごとに機能、形状が大きく異なる
・iPhoneに特化したVRカメラ

【おすすめVRカメラその8】iZugar

パソコンマウス程度のサイズである、超小型デジタルカメラを4台合体させることで全方位撮影を可能にしたVRカメラです。レンズ交換も可能であり、大型レンズも問題なく取り付けられるので、質の高い静止画・動画を撮影できるでしょう。
扱いやすいサイズ感、自分好みに撮影環境を変えられる点から、中級者~プロまで幅広い層に使用されています。備え付けの三脚がコンパクトな点も、ユーザーにとっては大きな魅力でしょう。

モデル iZugar Z4XL
http://www.izugar.com/shop/product/z4xl/
価格帯 約460,000円
解像度 静止画…★★★★☆
動画…★★★★★
防水機能 なし
特徴 ・三脚も含めて、サイズがコンパクト
・撮影シーンに合わせてレンズを交換できる
・大型レンズも装着可能

【おすすめVRカメラその9】GoPro

「HERO4 Black」というアクションカメラを、複数台組み合わせるタイプのVRカメラです。「Gopro Omni」では6台、「Gopro Odyssey」では16台と多くのカメラを装着できるので、映像のつなぎ目が自然な映像を撮影することができます。
また、モデルによっては防水機能も備わっているので、水場での故障を心配する必要もありません。ただし、対応しているスマートフォンがやや少ないため、事前に対応機種を確認しておきましょう。

モデル Gopro Omni
Gopro Odyssey
Gopro Fusion など
https://jp.gopro.com/
価格帯 80,000円~1,000,000円以上(一式で)
解像度 静止画…★★★★☆~★★★★★
動画…★★★★☆~★★★★★
防水機能 防水あり
特徴 ・映像のつなぎ目が自然
・解像度が圧倒的に高い
・防水機能が備わっている

【おすすめVRカメラその10】Nokia Ozo

8つのカメラとマイクを搭載した、映像・音響の両方にこだわったVRカメラです。音声も立体的に撮影できるので、臨場感や迫力のある映像を制作できるでしょう。
さらに、撮影中の動画をリアルタイムでモニタリングできる点も、このVRカメラの大きな魅力。この仕組みにより、例えば撮影中の映像を編集者が同時にチェックするといった動きが可能になります。
重量は4kgほど、サイズは人の頭ぐらいとやや大きいですが、本格的な映像作品を撮影したい場合は大活躍するVRカメラでしょう。ただし、Nokia社はすでに「Ozo」からの撤退を表明しており、2019年1月現在ではメーカーから販売されていません。
サポートは続いているものの、購入したい場合は中古品を探す必要があるでしょう。

モデル Nokia Ozo
https://ozo.nokia.com/
価格帯 新品の販売なし(当時は約5,000,000円で販売)
解像度 静止画…★★★★★
動画…★★★★★
防水機能 不明
特徴 ・8つのカメラとマイクを搭載
・音響にもこだわられている
・2019年1月現在では、新品の販売なし

VRカメラの購入前には、予算・必要な機能を見極めておこう!

いかがでしょうか?

機能が充実したVRカメラは魅力的ですが、機能性や解像度が高いほど販売価格も高くなっていきます。そのため、特に初心者の方は事前に予算を確認し、その予算内でコストパフォーマンスの高い製品を選ぶことが大切です。
また、実際に撮影するシーンを想定し、必要な機能をきちんと見極めることも忘れないようにしましょう。

(CREATIVE VILLAGE編集部)