スマートフォンの音声認識、車の自動運転、人工知能搭載のヒト型ロボット……。
高収入が期待できるともいわれている、AIエンジニア。実際の年収はいくらぐらいなのか、AIエンジニアになるにはどうすればよいのかをこちらで紹介いたします。
また、AI業界に就職・転職するためのコツについても一緒にお伝えします。

AIエンジニアとは

AIエンジニアとは

AIエンジニアは、現在IT技術の中でも最先端技術とされているAI(AIエンジニアは機械学習や人工知能)の開発をするほか、AIに蓄積されたデータの解析などを行う技術者のことを指します。ディープラーニングなどの技術を駆使して、機械が人工的ながらも人間と同じように考え、動きを再現する技術を支えています。

AIエンジニアの仕事は、「プログラミング系(機械学習エンジニア)」と「アナリティクス系(データサイエンティスト)」の2つに大きく分けることができます。機械学習エンジニアはAIの開発・構築を行い、データサイエンティストはAIが学習したデータを解析し、プログラムの改善などを行います。

AIエンジニアを取り巻く現状

AI技術を活用した家電製品や、AIがニュース原稿を読む技術などが普及し始め、私たちの生活にもAIがかかわるようになりました。まだ実用段階には至りませんが、AI技術を医療に活用する研究などもなされています。

また、経済産業省が平成28年に行った調査で「大きな影響を与え、産業界を大きく変革する可能性がある」と公表する技術として、AI技術はもちろん、IoT技術・ビッグデータなどが挙げられており、今後のIT関連市場の拡大・成長にとって重要な技術のひとつとなります。

このように、AI技術はさまざまな分野で求められているため、AIの開発・活用や技術の向上にかかわるAIエンジニアの需要も拡大傾向にあります。現状から見ても、AI技術を取り巻く人材が不足しがちの傾向にあり、これからはITエンジニアからシフトチェンジの推奨や、これからの世代に対するAIエンジニアの養成が急務となるでしょう。

AIエンジニアの年収が高い理由

AIエンジニアの年収が高い理由

AIには、ビジネスを飛躍的に伸ばす可能性が秘められているのです。そのような市場で活躍できるエンジニアは、かなりの需要があるでしょう。

具体的には、どういった点で価値が生まれるのでしょうか。ここでは、AIエンジニアの年収が高い3つの理由をお伝えします。

企業が求めているのに、人材不足だから

人工知能技術や、それを活用した製品やサービスに対する市場ニーズが高まっている昨今、それらを開発する人材がまだまだ少ない状況にあり、特に現在の技術を高めるための人材や製品やサービスへ技術を融合させるための人材が求められています。

さらに、よりよい技術を市場へ提供するために、AIエンジニアの確保が急務とされていますが、AIエンジニアとしての技術に長けた方はまだ少ないため、企業としては一人でも多くの技術者を集めるために報酬を高く設定しています。

専門性が高いから

AIエンジニアを養成する各種学校などはまだまだ少なく、現状での「AIエンジニア」のなり手は、大学院で情報科学を履修した修士や博士号取得者が中心です。
大学院などで専門知識を学んでいない人の場合は、Python(パイソン)などの汎用的プログラミング言語やR言語の取得後、機械学習の実装などに携わるというルートを経てAIエンジニアとして大成している人が見られます。

ITエンジニアがAIエンジニアへシフトチェンジするという道も少なからず存在していますが、一般的なIT技術とは一線を画すため、概念などを勉強することから始める必要があります。

このように、AIエンジニアになるためには、高度な専門知識や技術が求められます。高学歴・専門的技術を持っていることから、収入面に大きく差が出ていることも考えられるでしょう。

国内外問わず、評価されているから

海外でのAI技術の進歩は目覚ましいものがあり、高度なスキルを持っているエンジニアは年収も桁外れの額になるといわれています。日本もまだまだ追随する形ではありますが、AI技術の向上に力を注いでおり、IT企業の多くは会社の規模を問わず、有能なAIエンジニアの確保に向けた動きが出ています。

具体例を挙げると、フリマアプリの大手メルカリでは、AI開発担当者の人数を2019年中に現在の2倍となる60名に増やすことを発表しています。日本人だけではなく、海外の先駆けとしても注目される中国やインドからのエンジニアの採用も検討しているようです。

また、家電メーカーの国内大手・東芝では、高いスキルや専門的な知識を持っていることが認められれば、業界内でも相場より高い報酬を支払われる新しい雇用制度の導入を発表しました。家電メーカーが注目しているAIの技術向上を目指し、IoT技術につなげるための人材確保として考えているようです。

この通り、国内外を問わずAIエンジニアの評価は軒並み高く、その知識や技術への応用力が求められていることがわかります。

AIエンジニアに必要なスキル・知識

AIエンジニアとして大成するためには、いくつかのスキルが求められます。

  • 機械学習やディープラーニングに精通している、概念や基本的な知識がわかる
  • 汎用的プログラミング言語である「Python(パイソン)」を中心としたプログラミングやデータベースの集積や解析に長けている
  • 数学的知識を持ち、統計処理はもちろん、データ解析などのアナリティクス技術も持ち合わせている

なぜ、これらのスキルが求められているかというと、「即戦力としてAI技術の向上に携わる人材を確保したいから」といえるでしょう。

メディアによる報道などでも周知の通り、AI技術には「実用化しているもの」、「実用化に向けて研究が進められているもの」、「実用的な何かに応用できないか検討中のもの」などが存在しています。そして、研究・実用化の先には特許取得などの商用利権があります。
この利権を得るためには、スピード感を持って遂行する必要があるというところも「即戦力を求めている」といった理由に当たるでしょう。

ここからは、先に挙げたAIエンジニアに必要なスキルを詳しく見ていきましょう。

ディープラーニングは、AIエンジニアの基本

開発者から与えられた情報を元に学習し、そこに潜むパターンを見つけ出す「機械学習」。コールセンターのオペレーションサポートなど、近年ますます機械学習の精度が上がっています。

一方で、人間の神経細胞を模した何層にも積み重なれたニューラルネットワークをシステム活用する「ディープラーニング」。
ディープラーニングとは人工知能研究のひとつで、いわゆる「深層学習」を指しています。十分な量のデータをコンピューターに与えることで、コンピューターが自らデータの情報をもとに理解する、コンピューター自身の学習方法です。

人間と同様なタスクをコンピューターに学習させると、運転操作や短期的な未来予測、物事の意思決定などが可能となります。テクノロジーの発展により、ディープラーニングのパフォーマンスも飛躍的に向上しています。

AI業界に参入するのであれば、仕組みの部分をきちんと押さえておきたいところです

Pythonを学べばAIビジネスに参入できる!?

AIエンジニアが主に使うのは、汎用的プログラム言語である「Python(パイソン)」です。これは「書き込んだプログラムの順に処理されるコンピューター言語」であり、人間の論理的思考に近いものと考えられています。

また、AIによる機械学習の多くは、Pythonライブラリとして提供されています。ディープラーニングにもPythonが用いられており、学習によって蓄積されたデータはオープンソースなどの形でライブラリ公開されているものもあります。

Pythonを活用することで、オープンソースとして公開されているAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を利用し、自ら作成したソフトの機能を拡張させるというように商用プログラムなどへと発展させることが可能です。

これによって、新しいパソコンのプログラムを作成できるほか、サービスや商品を生み出すアイディアにもつながります。

AIエンジニアの役割はデータ解析を行い、次のAI開発に役立てること

先ほど、AIエンジニアには「ディープラーニング」と呼ばれる「コンピューターに学習させる分野」の役割があることに触れましたが、AIエンジニアとしてのメインの役割は「アナリティクス」。つまり、データの解析や分析を行い、次のAI技術の発展や開発へ役立てることが求められています。
そして、アナリティクス分野にいるAIエンジニアを、「データサイエンティスト」と呼びます。

データサイエンティストに求められるスキルとして、データサイエンティスト協会が定義しているのは次の3つです。

  • ビジネス力
    課題背景を理解したうえで、AIを用いて課題を解決する力
  • データエンジニア力
    データサイエンスの利用環境を実装・運用する力
  • データサイエンス力
    情報処理、人工知能、統計学などを理解し活用する力

このように、データサイエンティストには幅広いスキルが求められます。しかし、まだまだ人材が少ない分野ともいえるので、チャンスがあればデータサイエンティストへのスキルアップを選ぶこともよいでしょう。

AI業界に就職・転職する方法

ITエンジニアからAIエンジニアへのシフトチェンジを検討している人はもちろん、これからAIエンジニアとして就職を試みたいと考えている人に向けて、必要なポイントをご紹介します。

  • 大学院や高度教育機関での学習
  • AI関連の大学研究室に所属する
  • AIエンジニアの専門学校に通う

大学院や高度教育機関での学習

大学で情報科学を専攻したあとに大学院へ進学することで、より高いところで働けるAIエンジニアへの道が開かれます。中には、海外の大学でさらに情報科学や専門知識を学ぶ人もいます。

大学進学者の中でも、大学院へ進む人の割合は全体的に見てもほんのわずか。情報科学やAI研究などの分野になると履修できる大学が少ないため、さらに難易度が高まります。
博士号の習得までには、修士課程2年・博士課程3年の合計5年の履修が必要です。そのため大学卒業後、AIエンジニアとして第一線に出られるには、最短でも5年の時間を要すことを覚えておきましょう。

大学院の履修にかかる費用は、国公立大学の場合で標準授業料が年額で約550,000円、入学金は約300,000円 となり、博士号取得までの5年間で200万円以上の費用がかかります。

大学院卒で博士号を修得していると、AI分野の研究開発を行う最大手企業への就職がかないやすくなります。広く評価された論文がある場合や、オープンソース・商用として公開しているプログラムがあるなどの実績があれば、さらなる強みにつながることでしょう。

AI関連の大学研究室に所属する

先に触れた大学・大学院で情報科学を履修後、職員として大学の研究室に残ることも一案です。リーダーとなる教授の下で、企業とタッグを組んで研究員としてAIシステムの研究開発に臨むなどの道も開けます。

大学で研究を続けることで、新しい概念や理論などに触れるチャンスもありますし、タッグを組んでいる企業へ就職(あるいは転職)できる可能性も高まります。

大学研究室に入った場合、研究費として大学側に所定の金額を支払う必要があり、費用は大学ごとに定められています。また研究員としての期間は、6ヶ月~1年間程度となる場合がほとんどです。

ただし、大学や大学院卒業後も研究室に残れるのは、限られた人材となることは間違いありません。そのため、在学中に人脈づくりや信頼関係の構築、相応の実績づくりなども求められます。

AIエンジニアの専門学校に通う

ITエンジニアとして業務に携わっているという方を対象とした、ディープラーニング系の育成プログラムを提供する専門学校が増えています。C言語などを修得して実務で使っているというように、受講するために必要なスキルを提示したうえで生徒を募集するため、より高度な内容を学習できることが期待されます。

しかし、それにともなって難易度も高まることが予想されるでしょう。中には、PythonやR言語などのAIには欠かせないコンピューター言語を指導する学校もあるため、自分のスキルにおける弱点を強化したいという場合にもおすすめです。

期間や費用は、履修内容などの提供サービスが異なるため、専門学校ごとに異なります。
追加学習程度の履修の場合は、36時間前後の学習期間で20万円前後、2年間の通学・全日制専門学校の場合、卒業時までは250万円ほどの費用 が必要です。

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