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Japan VR Summit

【Japan VR Summit 2 参加レポート】VR市場の成長と発展を体験する!(VRサミット)

「VR元年」である2016年。仮想現実をゲーム機で体験できる「PlayStation® VR(PS VR)」は、発売直後から品切れが続くなど大きな反響を呼んでいます。

3D映像のバーチャルリアリティを体験できるヘッドマウントディスプレイは、ソニーのPS VR以外にもOculus社の「Oculus Rift(オキュラス・リフト)」、HTC社の「HTC Vive Pre」など多種多様な機種が発売されています。

VRヘッドマウントディスプレイ(HMD)の価格はVRゴーグル単体で10万円を超えることも珍しくありませんが、ゲーム、映像など分野を問わず各社続々と新機種を開発しています。

世界的なVRへの期待の高まりを背景に、5月に開催されたJapan VR Summit(VRサミット)は体験ブースに長蛇の列ができるなど大変な賑わいを見せました。
ますます盛り上がりを見せるVR市場を体験するべく、2016年11月に開催されたグリー株式会社と一般社団法人VRコンソーシアムが共同開催する「Japan VR Summit 2」に参加しました!

先駆者から学ぶ〜VRアトラクション編〜

先駆者から学ぶ〜VRアトラクション編〜
Tokyo VR Startups株式会社取締役の新 清士さんをモデレーターに迎え、アミューズメント施設でVRアトラクションを展開する3社が、VRの収益化、VRの課題、2020年のVRの展望について語ります。

「VR ZONE Project i Can」

「やってみたい!」「やってみたかった!」そんな夢や好奇心を最先端のVR(バーチャルリアリティ)技術で叶える場をコンセプトに、東京お台場に期間限定オープンしたVRエンターテインメント研究施設(運営は2016年10月で終了)

小山 順一朗
小山 順一朗
バンダイナムコエンターテインメント 執行役員 AM事業部 エグゼクティブプロデューサー

田宮 幸春
田宮 幸春
バンダイナムコエンターテインメント、AM事業部VR部VRコンテンツ開発課マネージャー

「きゃりーぱみゅぱみゅ XRライド」

きゃりーぱみゅぱみゅの世界観をVRゴーグルを装着しながらコースターに乗って体験できる、今までにない体感アトラクション。

中島 啓之
中島 啓之
ユニバーサルスタジオジャパン コンテンツ開発室室長

「ZERO LATENCY VR」

東京ジョイポリスにオープンした、世界初となる6人同時プレイが可能なVRアトラクション。ブース内を自由に歩き回ってプレイすることが可能で、今回東京ジョイポリスにオープンするのは、世界初登場の正式サービス版。

速水 和彦
速水 和彦
セガ・ライブクリエイション、取締役施設事業推進部部長

ー各社VRアトラクションを展開していますが、収益は上がっているのでしょうか?

小山そもそもVRで売り上げを生もうと考えたわけではありません。
アミューズメント施設などは、2000年ごろからファミリー向けになってきて、ヤングアダルトと呼ばれるコアなファン層がどんどん減ってきました。そんなコア層を「外遊び」という観点からどうやって引っ張ってこれるか、どんな価値を提供できるのかがテーマでした。
いわば研究がメインなので、研究で得られたことが収益です(笑)

速水東京ジョイポリスのVRアミューズメント施設「ZERO LATENCY VR」は想定していた利用率を倍近く上回りました。
ただし、これはVR単体としての成功ではないと思っています。ジョイポリスというアミューズメント施設の追加アトラクションとしてVR体験があったことが大きな要因で、ジョイポリスへの入場料を得ているからこそ成立してる部分もあります。

中島ユニバーサルスタジオジャパンでは、きゃりーぱみゅぱみゅの世界観をコースターに乗りながらVRで体験できる「きゃりーぱみゅぱみゅ XRライド」を今年サービス展開しました。
新しいテクノロジーの中でVRは特に注目を浴びているが、USJの客層は女性やファミリー層が7割なのでいきなり「VR」といっても敷居が高い。
女性というターゲットにマッチするキャラクターとしてきゃりーぱみゅぱみゅを起用すればうまくいくのではと考えました。

結果的にイベントとしては成功したが、ジョイポリスの例と同じようにVR単独での成功は目的としていません。さまざまなエンターテインメントが集まる場所としてユニバーサルスタジオジャパンがある。そこに新たな付加価値を与える存在としてVRがあったと思っています。

ーテーマパークにおけるVRとは?

田宮VRという新しさで客を呼べる時代は終わりつつあります。
何ができるか、どんな遊びができるかをユーザーに提示してあげる段階になってきました。

小山デバイスに頼るのではなく「驚き」を与えることが重要です。
「VR ZONE Project i Can」の高所体験では「表情で共感してもらう」ことに照準を絞りました。
怖かった、びっくりしたというユーザーの感想に対して「ほんとかよ?」と疑いを持った別のユーザーが体験しにくるというサイクルが出来上がりました。これは狙い通りのサイクル。
VRの体験は過剰に表現しても感動が上回ることがほとんどなので、どんなにハードルを上げてもユーザーの想像以上を提供できるんです。

安全を確保するためのスタッフ増員と人件費増加

ーテーマパークでVRを提供することの課題点はなんでしょうか?

田宮VRはゲームセンターのようにお客さんが百円を入れて勝手に楽しめるものではありません。
ゴーグルが外れないように、驚いた拍子に転んでケガをしてしまわないようにアテンドするスタッフが必要で、どうしても人件費がかかってしまいます。

中島ゴーグルは体験中意図せず外れることがあります。取り付け方の注意書きを徹底するなど安全には気を配りました。
そのためのスタッフの人数はかなり増やしました。

田宮VRアトラクションはまだまだ始まったばかりなので予想外のことが起こらないよう安全面にはかなり気を使ってスタッフを増員しています。でも予想外は繰り返すことでいずれ予想内になる。パターンをつかむことであらかじめ対処できるようになると思っています。

小宮刺激に対して興奮する、反応に対して主観で動くのがVRの面白さ。立ってやるよりも座ってやる方が安全だが、それではVRの持つ楽しさを活かしきれない。
安全と楽しさの両立を図るために奮闘しています。

ーVR事業で収益を上げるにはどこが発展すれば実現できますか?

速水VR単体で考えた時に回転率を改善しないと成り立たない。
VRゴーグルは装着して外して、次のお客さんにまわしてという流れに時間がかかる。その仕組みづくりができなければ改善は難しいと思います。

小山今までできてないことに対してお金を払ってもいい!という「娯楽」の価値を高めることが重要だと思います。
ゲームであればクリアすることが大切だが、VRは体験できなかったことを体験できることに価値がある。満足度が高ければ必然的にコンテンツの価格も上がっていく。

中島ユニバーサルスタジオジャパンは8年連続入場料値上げというニュースが話題になりましたが、世界と比べると日本のテーマパークの値段はまだまだ安いです。
値上げは批判や客離れのリスクがつきまといますが、コンテンツの値段を適正化していくことは常に考える必要があると思います。
また、「多人数化」はVR収益化の大きなカギだと考えています。

田宮確かにVRのバーチャル空間で多人数が共通の体験をできれば、楽しみも広がって没入感も高まり、もっとプレイ人口も増えていくと思います。

小宮アイディアと感動と驚きを中心に組み立てることが大事ですが、どんな驚きも繰り返すと感動は薄れていく。リピートする仕組みを作ることも収益化のカギですね。

田宮シミュレーションとVRは非常に相性がいい。練習して上手くなれる体験を提供できれば、VRは一度きりのアトラクションではなく「やりこんでいくもの、極めるもの」まで昇華できると考えています。

VR/ARはゲーム/エンタメから各産業へ花開く

VR/ARはゲーム/エンタメから各産業へ花開く
VR/AR技術はエンターテインメントから医療、教育、建築などさまざまな分野へと活用の幅を広げています。
ノンエンタメへと発展するVR/AR、ゲーム開発のノウハウを活かす場としてのVR開発について語ります。

Unity

ソーシャルゲームなどの開発にもよく使われているゲーム開発プラットフォーム。3Dゲーム開発の手軽さなどから、相当数のデベロッパーがUnityを利用している。
大前 広樹
大前 広樹
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 日本担当ディレクター

Littlstar

360 度パノラマ映像および VR (バーチャルリアリティ) 映像を体験できるプラットフォーム。動画、写真、VRシネマなど幅広いジャンルの作品を配信する。
Tony Mugavero
Tony Mugavero
Little Star Media, Inc.
Founder, CEO

ポケモンGO

位置情報を活用することにより、現実世界のマップ上にポケモンが出現します。プレイヤーはポケモンを捕まえたり、交換したり、バトルしたりするといった体験をすることのできるゲーム。

野村 達雄
野村 達雄
Niantic Inc.
ポケモンGOゲームディレクター

コロプラ

コロプラの100%子会社であるコロプラネクストは、世界最大級のVRファンド「コロプラネクスト2号ファンド投資事業組合」を設立し、幅広い分野サービスを提供する国内外VRスタートアップとなった。
馬場 功淳
馬場 功淳
株式会社コロプラ 代表取締役社長

ーノンエンタメの分野へVRが活用されていますが、実例をご紹介いただけますでしょうか?

大前医療に関わる分野でVRが活用されていますね。
あらかじめスキャンした人体のデータを3D化し、メスで切る前に患部のイメージが確認できる。
そんな風に手術室にヘッドマウントディスプレイが持ち込まれるのは珍しいことではなくなってきました。

Tony360度動画のプラットフォームにはさまざまな動画が集まります。
その中でも「エンターテインメント」と「教育」を合わせた分野は大きな影響力があります。
教育を楽しいモノとして体験できれば、人はもっと伸びていくことができます。
また、医療の分野でもVRは活躍しています。入院中に360度動画を楽しんでもらえることにより術後の不安を取り除いたり、けがの回復を促すコンテンツも生まれてきています。

野村ナイアンティック社では、ゲーム会社という意識はありません。「どうやって人を外に連れ出すか」を命題にしてコンテンツを生み出しています。
ポケモンGOでは東北地方の被災地にレアなポケモンを出現させることで人を誘致しました。
また、自閉症の子がポケモンを捕まえに外に出て、他の子と触れ合うきっかけづくりになったなど、一定の成功を収めていると考えています。

ゲームで培ってきた経験を活かせる場としてのVR開発

ーゲームやエンタメの開発経験がどのようにVRに活かされているのでしょうか?

TonyVRの開発にはUnityを使うこともあればAdobeを使うこともあります。
各分野のプロフェッショナルが使用しているツールをVRでも活かせるというのは大きなメリットだと思います。

馬場VRの開発はゲーム開発のエンジニアがそのまま担当しており、ゲームのノウハウを転用できるところは大きい。
ゲームで使っている3Dの技術を活かし、機材開発に多くの人員を充てています。

大前VRはエンタメだけでなく教育やジャーナリズムにも転用できる。
製造業であれば、これまではプロトタイプの作成を繰り返しながら製品を作っていました。
VRであれば、仮想スペースにプロダクトを配置して、どう見えるか、どう動くかをあらかじめ確認してから生産に踏み切ることができる。圧倒的なコスト削減を実現できるため、チャンスを求めてさまざまな会社から引き合いがきている。

ーARの動向はどのように考えていますか?

野村ARは裾野が広い。スマートフォン1つでエンターテインメントは作れるということをポケモンGOが実証したと思います。
ARと組み合わさることで世界を把握できる未来がすぐそこまで来てるのではないでしょうか。

馬場ポケモンGOのすごいところは、ARやGPSとして厳密な精度がなくても楽しめるところ。自分のいる位置やポケモンのいる位置がなんとなく合ってるだけでも面白いことは、今後のエンターテインメントとしての見せ方のヒントになると思います。

VR/ARが活きるのは「シミュレーション」と「コミュニケーション」

ーVRが活用される、相性のよい分野はなんでしょうか?

大前建築や製造業が合っていると思います。プロダクトの分野においてプロトタイプが減らせると大幅なコストダウンができる。建築や製造業の経営者でVRに興味がない人はいないと言ってもいいぐらいです。

また、NASAでも実際のプロダクトを作る前にVRでデータを作成し、スペースシャトルの作業アームが動くかの検証を行っています。
「テレプレゼンス」と呼ばれる遠隔地のメンバーと対面しているかのような仕組みづくりを火星探索に活かせないかという試みもすでにVRで行っています。

Tony「分析」という観点からとても相性がよいと思います。
例えば360度動画で野球の試合を観戦しているユーザーがいるとします。
ユーザーの視線をトラッキングすることで、試合中どこを観ているのか、どの広告を見ているのかを分析することができます。
コンテンツがどのように影響を与えるかがわかることで、広告業界に多大な影響を及ぼすでしょう。

野村実際の部屋にAR上で家具を置くことで、インテリアのシミュレーションができる。家具メーカーがリリースしたアプリが話題になりましたが、ARはシミュレーションという分野で相性がよいと思います。

馬場VRはコミュニケーションが軸になります。
ゲームはひとりでやるよりも、他の人とやる方が評判がよい傾向にあります。コミュニケーションが必要とされる分野はVRと相性がよいでしょう。

どのように他の分野にソリューションしていくのか、マネタイズ、投資も多く盛り上がりはまだまだ衰えないという言葉でこのセッションは幕を閉じました。

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