第96回アカデミー賞2024の授賞式が3月10日(現地時間)、米ロサンゼルスのドルビーシアターで開催。その中で、山崎貴監督作「ゴジラ-1.0」が視覚効果賞を受賞した。視覚効果賞は、その年の最も優れた視覚効果を使った映画に与えられる、アメリカのアカデミー賞の部門のひとつ。

過去には「スター・ウォーズ」「タイタニック」「アバター」などが受賞してきたが、今年は、同作のほか、『ザ・クリエイター/創造者』、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』、『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』、『ナポレオン』の4作品がノミネートしていた。

山崎貴監督「誰にもチャンスがあることの証だと思います」

受賞を受けて山崎監督は、「私たちは今、このスピーチの場に立っています。ハリウッド以外で熱心に映画づくりに取り組んでいるアーティストの皆さん、ハリウッドが私たちの作品を見てくれている。誰にもチャンスがあることの証だと思います」とコメント。

『シェイプ・オブ・ウォーター』で、アカデミー作品賞、アカデミー監督賞を受賞した巨匠・ギレルモ・デル・トロをはじめ、クリエイティブ業界で活躍するクリエイターたちや映画好きのユーザーたちからも「日本のCGが、技術が世界に認められた」「やっぱゴジラ-1.0の一番のベストシーンはこの放射熱線のシーンよな。他のゴジラシリーズより絶望感や迫力がある」「往年のハリウッドのブロックバスターの衝撃を思い出させ、70年前のゴジラの凄みを蘇らせ、こんな恐ろしいゴジラを生んだVFX本当に凄かった」などと受賞を喜ぶコメントが相次いだ。

注目される製作費。「もっとお金をかけられるようになれば」の声

一方で、注目されているのは製作費。同作の製作費は1000〜1500万ドルと伝えられているが、これは米で作られたハリウッド版ゴジラの10分の1程度の予算だと噂されている。

製作費の安さにも注目が集まるなかで受賞から一夜明けた3月12日に放送された「ZIP(日テレ系)」では、「(製作費を)抑えられるよね、ではなく、もっとお金をかけられるようになればいい。製作環境をよくしていく方向で」などと伝えている。

製作費を抑えて作られた『ゴジラ-1.0』の視覚効果については、山崎貴監督率いる白組による制作の舞台裏を捉えたメイキング映像が公開中。VFXなど視覚効果を使ったクリエイティブに携わるクリエイターにとっては必見の内容となっている。