エンジニアやプログラマー、デザイナーなど、Web開発・制作に関わるほとんどのクリエイターに関連するプログラミング言語がJavaScriptです。JavaScriptをより便利に、効率的に活用できるようにした仕組みがNode.jsと言えるでしょう。

しかし、Node.jsがどのようなものか知らない方が多いのも事実です。そこで今回は、Node.jsとは何なのか、またJavaScriptとの違いはどこにあるのかなど、基本についてご紹介します。この機会に、Node.jsの知見を深めてもらえれば何よりです。

Node.jsとは「サーバーサイドのJavaScript実行環境」

Java Script言語のマーク
Node.jsが、いかなるものか知るためには、JavaScriptとの違いについても理解しておかなくてはいけません。ここでは、Node.jsの基本知識とJavaScriptとの違いについて解説します。

そもそもJavaScript とは

Node.jsとは、端的に言えば「サーバー上で動かせるJavaScript」です。

「エンジニア白書2022」によると、Webサイトやシステム開発に使用されるプログラミング言語であるJavaScriptは、2020年から3年連続で、国内エンジニアの使用言語の1位に輝いています。実際に、スマホやパソコンで見るWebサイトの多くは、JavaScriptで作られている状況です。
たとえば、ポップアップウィンドウやスライドショーなど、動的なWebページを制作するうえで使用される言語がJavaScriptだと言えます。ただしJavaScriptは、あくまでもWebブラウザ上のみで動作する「クライアントサイド」のプログラムである点に注意が必要です。

参考:Qiita/エンジニア白書2022

JavaScriptをサーバーサイドで動作可能

ブラウザ上で動作するプログラムであるJavaScriptを、パソコン上で動かせるようにする仕組みがNode.jsです。つまり、サーバーサイドのJavaScript実行環境がNode.jsだと言えるでしょう。

JavaScriptは、本来Webブラウザ上のみで動作するクライアントサイドのプログラムであるため、単体ではサーバー上で動作させられません。しかし、Node.jsを使うことによって、JavaScriptがサーバー上でも動作できるようになります。したがって、サーバーサイドのプログラムとして、JavaScriptを実行することが可能になるのです。

なおNode.jsは、以下の公式サイトからダウンロードできます。WindowsおよびMacの両方に、インストールすることが可能です。

参考:Node.js/ダウンロード

Node.jsを使用するメリット・デメリット

Javascript Node JS コード
Node.jsを活用することによって、JavaScriptをサーバー上で動作させられること以外に、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、利用時の懸念事項についても把握しておく必要があります。ここでは、WebエンジニアがNode.jsを利用する時のメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

Node.jsのメリット

Node.jsを活用することによって、Webエンジニアの負担軽減につなげられる点がメリットです。Node.jsをインストールすると、JavaScriptをサーバーサイドで活用できることはもちろん、スマホアプリ開発やIoT開発も可能になります。また、クライアントサイドとサーバーサイドで使う言語をJavaScriptで統一できるため、Webエンジニアの負担軽減につながるでしょう。

また、高速処理が可能になることも、Node.jsの大きなメリットです。Node.jsはシングルスレッドを採用しているため、瞬時にレスポンスできます。そのため、アクセス数が1万件を超えると発生すると言われる「C10K問題」の解決や、SNSなど多くのユーザーが同時アクセスするサービスの開発に適しているでしょう。

Node.jsのデメリット

JavaScriptとの互換性がない点は、Node.jsのデメリットです。JavaScriptの記述はNode.jsでも実施できますが、フロントエンドとの互換性がないため注意しましょう。したがって、Node.jsとJavaScriptには、処理上の互換性はありません。

また、Node.jsに対応しているサーバーが少ないこともデメリットです。使用する際に、Node.jsに対応していないサーバーを利用する場合には、VPSを別途確保しなくてはいけません。

Node.js使用によって実現できる5つのこと

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JavaScriptをサーバー上で動作させられるNode.jsを活用することによって、具体的にどのようなことが実現できるのでしょうか。ここでは、Node.jsの使用によって実現できる5つのことをご紹介します。

スマホアプリ開発

Node.jsを使用することによって、スマホアプリの開発が可能です。Node.jsには、さまざまなライブラリが準備されています。そのため、Node.jsでも比較的簡単に、スマホアプリを開発できるでしょう。

Webアプリ開発

Node.jsを活用すれば、Webアプリの開発も行えます。多くのフレームワークが提供されているため、ゼロベースでの開発が不要です。Webアプリ開発の初心者でも、安心して開発が行えます。

Webサーバーでの使用

Webサーバーの構築ができることも、Node.jsの特徴です。特に一度に多くのユーザーがアクセスする、チャットツールなどのWebサーバーの構築に、Node.jsは適しています。

JavaScriptでのプログラム記述

Node.js はJavaScriptでプログラムを書けるため、PHPやPythonの知識がない方でも、サーバーサイドのプログラムを構築することが可能です。フロントエンドの開発だけに留まらず広く活用できるため、Node.jsを習得するメリットは非常に大きいと言えるでしょう。

CSSへの変換

Node.js を活用すれば、TTFフォントをCSSに変換することも可能です。標準出力でサイズの小さいファイルをCSSに取り込めるため、開発時の生産性向上につながります。

WebエンジニアはNode.jsスキルの習得がおすすめ

Web Quellcode

【Node js javascript 違い】
・Node.jsでJavaScriptをサーバーサイドで動作できる
・Node.jsはJavaScriptに新たな可能性をもたらした
・Node.js習得でさまざまな開発が実現可能になる

Node.jsは、サーバー上で動かせるJavaScriptと言えるものです。サーバーサイドのプログラムとして、JavaScriptを実行できるようになります。Node.jsを活用することにより、Webエンジニアの負担軽減につなげられる点や、高速処理が可能になることがメリットです。ただし、JavaScriptとの互換性がない点や、対応しているサーバーが少ない点に留意する必要があります。

Node.jsを習得することによって、エンジニアは以下5つのことが実現可能です。

【Node jsでできること】
・スマホアプリ開発
・Webアプリ開発
・Webサーバーでの使用
・JavaScriptでのプログラム記述
・CSSへの変換

Node.jsを習得できれば、エンジニアとして活躍できる範囲が大きく広がるでしょう。他者と差別化をするためにも、ぜひこの機会にNode.jsの習得を目指してみてはいかがでしょうか。