Webサイトやオンラインプロジェクトの企画、デザイン、開発、運用などを統括するWebディレクター。プロジェクトのビジョンを明確にし、制作チームと連携してクリエイティブなコンセプトを実現する上で、重要な役割をはたしています。一方で、未経験からWebディレクターになることには難しさも伴います。デジタル領域の専門知識やスキルを習得する必要があり、技術やトレンドの急速な変化に追従することが求められるからです。この記事ではWebディレクターに必要な4つのスキルをはじめ、キャリアパスや年収、実際の仕事内容をご紹介します。

Webディレクターは未経験からでもなれる?

デザインやテクノロジー、プロジェクトマネジメントに精通したスペシャリストとして、プロジェクトの成功に向けて尽力するWebディレクター。未経験からでもなることは可能ですが、一般的な経験がある場合よりも難易度が高いと言われています。求人サイトの募集も、経験者を求めているケースが多いかもしれません。

しかし、独学やオンライン学習、研修やセミナーへの参加を通じてWebディレクターに必要なスキルや知識を身につけることはできます。向上心を持ちながら積極的に学び続けることで、未経験からWebディレクターの道を切り開くことができるでしょう。

Webディレクターの仕事って?

1.要求定義・要件定義・設計

Webディレクターは、クライアントと密接に連携しながら、ウェブサイトやデジタルプロジェクトの目的やゴールを明確にします。クライアントのニーズやビジョンを理解し、それをプロジェクトに反映させるために、要求定義や要件定義を行います。さらに、ユーザーにとって使いやすく魅力的なデザインを構想するために、プロジェクトの設計を行います。

2.プロジェクト進行・管理

Webディレクターは、プロジェクトの進行と全体の管理を担当します。チームメンバーの役割分担やタスクのスケジュール管理を行い、プロジェクトが計画通りに進行するように調整します。また、プロジェクトの進捗状況を監視し、問題が発生した場合には迅速に対処します。予算管理やリスク管理も重要な仕事であり、プロジェクトが予定通りに進行するためには、これらの要素を適切にコントロールする必要があります。

3.運用・改善

Webディレクターの仕事はプロジェクトが立ち上がった後も終わりません。運用フェーズでは、ウェブサイトやコンテンツ制作が順調に稼働し続けるように監視します。定期的なデータ分析やユーザーフィードバックを取り入れ、サイトの改善策を提案します。また、テクノロジーの進化や市場の変化に合わせて、サイトの改良やアップデートを行い、ユーザー体験の向上に努めます。

4.未経験からWebディレクターになる方法

未経験可でWebディレクターを募集している企業に入社する

一部の企業は未経験可でWebディレクターを募集しています。こうした企業に入社し、プロジェクトの進行や企画、ウェブサイトの管理などに携わりながら実務経験を積むことで、Webディレクターとしてのスキルを磨くことができます。

制作会社や事業会社にWebディレクターアシスタント職で入社する

一方で、制作会社や事業会社では、Webディレクターアシスタントとして募集するケースもあります。こうしたポジションでは、経験豊富なWebディレクターの指導のもと、プロジェクトに関連する業務をサポートしながら学ぶことができます。

デザイナーやライターからスキルの拡充を図る

デザインやライティングの経験がある場合、Webディレクターに向けたスキル拡充が可能です。プロジェクトマネジメントやユーザーエクスペリエンス(UX)デザインなどにフォーカスした研修やセミナーを受講し、Webディレクターに必要な知識とスキルを補完することで、転職の可能性が広がります。

就職だけでなく独学でスキルをつけてフリーランスになる道も

また、Webディレクターになるためには、就職だけでなく独学でスキルを身につけてフリーランスとして活動する道もあります。インターネット上には、Webディレクターに関連した情報や教材が多く存在し、自己学習に適した環境が整っています。Webデザイン、プロジェクトマネジメント、UXデザインなど、幅広い分野にわたるスキルを磨くことで、独自のクライアントにサービスを提供するフリーランスとして活躍することができます。ただし、フリーランスとしての活動は自己管理能力やマーケティングスキルが求められるため、十分な準備と計画が必要です。

未経験からWebディレクターを目指す際の転職活動のポイント

マーケティングの知見や営業経験をアピールする

未経験からの転職では、Webディレクターとしての実務経験がない場合でも、他の分野で培った知識やスキルを活かすことが重要です。特に、マーケティングや営業経験がある場合は、顧客のニーズを理解し、プロジェクトを進めるうえでのコミュニケーションスキルや調整力がWebディレクターとしての役割にも役立ちます。これらの経験やスキルをアピールし、Webディレクターに必要なプロジェクトマネジメントやクリエイティブな要素を補完することで、採用担当者にアピールすることができるでしょう。

Webディレクターとしてどのような仕事をしたいかを明確にする

Webディレクターの仕事は幅広い領域をカバーしており、プロジェクトの企画やデザイン、テクニカルな要素など様々なスキルが求められます。転職活動の際には、具体的にどのようなWebディレクターとしての仕事に興味を持っているかを明確にすることが重要です。自分のスキルや興味が合致するポジションをターゲットにし、そのポジションに必要なスキルや知識を向上させるために努力することで、採用担当者に自信を持ってアピールすることができます。

また、転職活動においては、自らの経験やスキルを適切にアピールし、目指すWebディレクター像を明確にすることで、未経験からでもWebディレクターの道を切り開くことができます。ポジティブな姿勢と向上心を持ちながら、様々な可能性に挑戦することで、理想の職場でWebディレクターとしてのキャリアをスタートさせることができるでしょう。

Webディレクターに求められる4つのスキル

①テクニカルスキル

Webディレクターは、ウェブサイトやデジタルプロジェクトの企画・進行・管理を行う立場。そのため、ウェブ制作やデジタルメディアに関連するテクニカルスキルが必要です。HTML/CSSやJavaScriptなどの基本的なウェブ技術を理解し、ウェブサイトのデザインや構築に関わる知識が求められます。また、ウェブ制作ツールやCMS(コンテンツ管理システム)の操作にも熟達することが重要です。

②ヒューマンスキル

Webディレクターは、クライアントやチームメンバー、ユーザーなどとのコミュニケーションが欠かせません。プロジェクトの進行や成果を上げるためには、優れたコミュニケーションスキルが不可欠です。要求定義や要件定義の際には、クライアントのニーズを的確に把握し、チームとの円滑なコラボレーションを図る必要があります。また、ユーザーのフィードバックを収集し、サイト改善に反映させるためにも良好なコミュニケーション能力が必要です。

③課題解決スキル

Webディレクターは、プロジェクト運営において様々な課題に直面することが多いと言われています。予算の制約や期限の厳しさ、ユーザーからの要望など、多様な問題を迅速かつ効果的に解決する能力が求められます。課題の把握と分析、適切なアクションを取るための判断力が必要とされます。また、柔軟性を持ちながら問題に向き合い、チームをリードするリーダーシップも重要なスキルと言えるでしょう。

④企画・提案スキル

Webディレクターは、プロジェクトの企画・提案にも関与します。Webサイトのコンセプトや戦略を立案し、クライアントに提案する際には、創造力と戦略性が求められます。また、マーケット動向や競合他社の分析を行い、トレンドを取り入れながらユーザーに価値を提供する企画力が重要です。クリエイティブな視点とビジネス的な視点を融合させ、プロジェクトの成果に貢献することが期待されています。

独学でWebディレクターを目指すなら勉強しておくべき3つの知識

①Webサイト制作の流れと各工程に関連する知識

Webディレクターはウェブサイトの企画・進行・管理を担当します。そのため、Webサイト制作の基本的な流れや各工程に関連する知識を理解することが重要です。要求定義・要件定義、デザイン、コーディング、テスト、運用など、ウェブサイト制作には複数の工程があります。それぞれの工程がどのように進行し、チーム内での連携や調整がどのように行われるかを把握し、プロジェクト全体の理解を深めることで、より効果的なWebディレクターになることができます。

②「Googleアナリティクス」の基本操作の知識

Googleアナリティクスは、ウェブサイトのトラフィックやユーザーの行動データを分析するための重要なツールです。Webディレクターは、ウェブサイトの成果を把握し、改善策を提案する際にGoogleアナリティクスを活用します。基本的な操作からデータ解析までを習得し、ウェブサイトのパフォーマンス評価に活用できるようにすることで、データに基づいた意思決定ができるWebディレクターとしての価値を高めることができます。

③SEOの知識

SEOは、検索エンジンに対してウェブサイトを最適化するための手法です。Webディレクターは、ウェブサイトの検索エンジン上での可視性を高めることで、より多くのユーザーにアクセスしてもらうことが求められます。キーワードリサーチやメタデータの最適化、コンテンツ戦略など、SEOに関する基本的な知識を習得することで、ウェブサイトの検索エンジン上でのランキング向上やアクセス増加に貢献することができます。

Webディレクターの年収相場は?

求人ボックスのデータによると、Webディレクターの仕事の平均年収は約499万円。厚労省が発表した厚生労働省2020年家計調査では、日本の全年齢の年収中央値は437万円であると公表されています。スキルや所属先、雇用形態にもよりますが、日本の平均年収よりも高い傾向にあることがわかります。

Webディレクターのキャリアパス

① Webプロデューサーになる

Webディレクターの経験を活かし、より高度なプロジェクトの企画・運営に携わるWebプロデューサーになることが考えられます。Webプロデューサーは、ウェブサイトやデジタルメディアのコンテンツ企画やプロジェクトのマネジメントを担当します。より複雑なプロジェクトや大規模なキャンペーンなどに関わり、クライアントとのコミュニケーションを強化しながら、プロジェクトの成功に向けてリーダーシップを発揮します。

② 技術に詳しいテクニカルディレクターになる

技術に強いWebディレクターは、テクニカルディレクターとしてのキャリアを選択することができます。テクニカルディレクターは、ウェブ技術の最新動向に詳しく、プロジェクトの技術的な課題を解決するためのアイディアを提供します。Webサイトの開発・制作における技術的なリーダーとして、チームの開発メンバーやエンジニアと連携しながらプロジェクトを進行することもあるでしょう。Webサイトの機能性やパフォーマンスを向上させることに貢献し、より技術的なスキルを発揮することができます。

③ Webディレクションで独立・起業をする

一定の経験を積んだWebディレクターは、独立してフリーランスのWebディレクターとして活躍する道もあります。クライアントと直接取引し、自分のスケジュールやプロジェクトを自由に選ぶことができます。また、Webディレクションのスキルを活かし、デジタルマーケティングやコンサルティングなどの分野で起業することも考えられます。独立・起業は自己責任が伴いますが、自らのビジョンを実現するための幅広い可能性を秘めているでしょう。

まとめ

Webサイトの需要は年々増加しており、Webディレクターは将来性のある職業です。未経験の場合、採用の難易度は上がりますが、Webディレクターに必要なスキルがあれば目指せる職業でもあるでしょう。この記事で紹介したように、Webディレクターになるには、マーケティングやプロジェクトマネジメントの知識、基本的なウェブ技術、コミュニケーションスキルが重要です。これらのスキルは、独学やオンラインスクールでも身につけることができます。多様な経験を積むことで、未経験からでもWebディレクターとしてキャリアを築くことができるでしょう。