メディア運営においてもっとも重要なのは、閲覧してくれるユーザーの視点に立つことだと言えます。なぜならどのメディアも例外なく、閲覧してくれるユーザーがいて成り立つものだからです。しかし、制作側の人間はユーザー視点について忘れがちな傾向にあります。ユーザー心理をきちんと把握したうえでメディア運営をするためには「UXリサーチ」の活用が注目されています。

「UXリサーチ」はユーザー視点に根ざすうえでは欠かせないリサーチで、いわばユーザーの声やユーザーの体験をメディア運営に取り入れるのと同義です。しかし、「UXリサーチの方法が分からない」「UXリサーチで注目すべき指標が知りたい」という歴3~4年ほどのメディア担当者の方もいるでしょう。

メディア運営におけるUXリサーチの重要性や、意識しておくべき指標などを解説します。アナログ的なUXリサーチの方法も紹介しますので、ぜひチェックしてください。

UXリサーチの結果は「ユーザーからの金言」と考えるべし

UXリサーチの重要性_UXリサーチ結果のイメージ

UXリサーチはメディア運営時もさることながら、さまざまなビジネスにおいて行われています。そもそもUXリサーチとはユーザー体験にかかわる調査を意味します。

UXリサーチに基づいてメディアの改修をすることで、「読了率を上げる」「離脱率を低くする」「回遊率を上げる」などメディアのパワーを上げることにつながります。UXリサーチに基づく施策は、いわば「ユーザーからの金言」なのです。

UXリサーチによって発覚するユーザーの本音

UXリサーチによって得られる有益な情報としては、「ユーザー心理」「メディアの課題」が挙げられます。メディアの分析・改善を図るうえで、ユーザーがどこに不満を持ち、何に疑問を抱いたかというUXこそが貴重な意見であり、本音なのです。メディアの数値や実績を上げるためには、訪問してくれるユーザーにファンになってもらうことが第一と言えます。そして、ファン目線で考える改善点を運営に上手く活かすことが大切です。

たとえば、メディアでユーザーがどんな情報を閲覧し、何に興味を示し、どのタイミングで他のページに変遷したかを把握することで、ユーザー心理を紐解けます。リアルなUX(ユーザーの本音)を把握することで、ユーザーの実体験に基づいた改良やアップデートが可能になります。

一口に「UXリサーチ」と言っても、その手法はさまざまです。インタビューやアンケートなどの定性・定量調査やユーザーテストなどのリサーチを実施することでもユーザー心理に近づくことができます。また、メディア運営においてはもちろんですが、WebサイトなどのオウンドメディアにおいてもUXリサーチはもはや不可欠です。マーケティング活動においてもユーザー視点に立つことが必須なだけに、UXリサーチは職種問わずにおすすめの手法だと言えます。

メディア運営において意識しておくべき指標とは

UXリサーチの重要性_メディア運営における指標

メディア運営においてセッション数やPV数、UU数などは日常的に分析している担当者がほとんどでしょう。もちろん、それらの数値は正確に把握してメディア運営に活かすことが不可欠です。

しかし、セッション数やPV数、UU数はあくまで結果。なぜそうした数値になったのかを分析するがより重要だと言えます。数値の分析にはユーザー心理で考えることが重要であり、そのためには「読了率」や「離脱率」、「回遊率」、「メディアの公式SNSのエンゲージメント率」などを指標にすることをおすすめします。

読了率

読了率とは、ページにランディングしたユーザーがどの割合までページ内コンテンツを読み進めたのかを表した指標です。当然ながら読了率が高ければ、ユーザーにコンテンツが評価されていることが分かります。

コンテンツの評価が高い、つまり良質なコンテンツは検索エンジンからも好まれるため、メディアのパワーを上げることにつながります。
さらにページの最後まで読んでもらえることでコンバージョンにもつながりやすくなるでしょう。CTAをページ下部に設置している場合は、途中離脱されるとコンバージョンにはつながりません。いかに最後まで読んでもらえるかは、メディアの収益にも影響をおよぼします。

離脱率

離脱率とは、メディア内の全セッションのうち、ユーザーが検索行動を終了した割合をページごとに数値化したデータです。Google社が提供するGoogleアナリティクスなどでは、簡単に離脱率を確認できます。
離脱率が高いページは、「ユーザーからの不支持」を意味します。そうしたユーザーの本音をもとにメディアの課題を考え、改善につなげることが大切です。

回遊率

回遊率とは、ユーザーの1訪問あたりのメディア内におけるページビュー数(PV数)を指します。
回遊率はユーザーが最初に訪れたページからメディア内の他のページにアクセスすればするほど高まります。一般的に回遊率が高いとユーザーとのエンゲージメントも高いとされています。
ECサイトならば回遊率が高いことでより多くの商品が売れる可能性が高まります。またコンテンツを提供するメディアであれば、回遊率が高ければ、ユーザーがファンになって再訪問してくれる割合も増えることが期待できます。

SNSのエンゲージメント率

SNSのエンゲージメント率は、SNSの投稿に対してどれだけの反応(いいね、リツイート、クリックなど)があったかを示す割合です。エンゲージメント率とユーザーからの興味は比例する傾向があります。
ただし、エンゲージメント率が良いからといってメディアに好影響ばかりあるとは限りません。エンゲージメントにはネガティブな要素が含まれることもあります。炎上商法のようにネガティブなエンゲージメントが増加すると、メディアにも悪影響をおよぼす恐れがあるのです。エンゲージメントの詳細をきちんと分析することに努めましょう。

対面のアンケートやインタビューなども有効活用すべし

UXリサーチの重要性_対面アンケート

UXリサーチを使うことで読了率の把握など、定量的なデータを入手できます。Googleアナリティクス、ヒートマップツール、ABテストツールなどを活用することで、ユーザー心理を貴重なデータとして深く分析できます。

しかし、ツールに頼ったUXリサーチだけではなく、アンケートやインタビューなどを対面での調査を実施するのも方法の1つです。アナログな方法だからこそ、話してくれる重要な情報が得られることもあります。

アナログな手法でこそ知り得るユーザーの本音もある

アンケートやインタビューは、UXリサーチにおいて探求型リサーチと呼ばれることがあります。探求型リサーチはアンケートなどの回答を基に仮説を立てて、ニーズを深堀します。その結果、顕在ニーズだけではなく潜在ニーズを把握することが可能です。

自由記述式のアンケートであれば、先に立てた仮説を質問にしてみるといいでしょう。回答者が文章で答えることから、選択形式では得られないユーザーの本音が分かります。

またインタビューを実施する際は、時系列に沿って質問してください。メディアを知ったきっかけ、メディアの各ページを閲覧してどう思うか、気に入ったコンテンツは何かなどの質問を設定しましょう。時系列に沿った質問をすることでユーザーの理解が深まります。
アンケートやインタビューで得た貴重な情報を基に再度仮説を立てて、ユーザビリティテストを行うと、改善策の効果が判明します。コンテンツの再構築、内部リンクの強化、メディアデザインの変更などを実施して、各指標が向上するか経過を観察しましょう。

ユーザーの意見を聞くうえでUXリサーチは不可欠

UXリサーチの重要性_まとめ

【メディア運営 UXリサーチのまとめ】

  • メディア力向上においてUXリサーチは金言となる
  • 読了率・離脱率・回遊率などをメディア運営の指標に
  • アナログな調査でしか知り得ない情報もある

メディアを運営するにあたりUXリサーチでユーザーのニーズや意見を把握することが重要です。ユーザーのニーズを把握するためには、回遊率などの指標にも注目する必要があります。UXリサーチはGoogleアナリティクスなどのツールを使ったり、数値から算出したりします。またUXリサーチはユーザーに対面でのアンケートやインタビューを実施することも効果的です。

アナログな手法で得たユーザーの意見からもさまざまなニーズが判明します。その後、ツールなどで得た数値とユーザーからの本音を活かしてメディア改善に努めましょう。改善策を実施した後は、ユーザビリティテストで効果を検証、さらに改善とPDCAサイクルを回すことでより良いメディア運営を目指す姿勢が大切です。