今回は2023年1月23日に行われた“エンターテインメントロイヤー&プロデューサー・四宮隆史先生に聞く ~契約と権利と労働 権利編~”のイベントレポートをお届け。
エンターテインメントビジネスやコンテンツビジネスを展開するうえで避けては通れない「著作権」の問題。
「著作権ってなに?」
「肖像権侵害でお金は請求できないの?」
「許諾を得るのは著作権者だけではないの?」
TVディレクターの経験もお持ちの弁護士・四宮隆史先生に、クリエイターが押さえておくべき著作権の基本を解説していただきます。
【記事で得られる学び、要点】
- 著作物を利用するためには権利者から許諾が必要
- 著作権という権利はない
- 原著作者(原作者)は非常に強い権利を持っている
- 権利処理をスムーズに進めるうえでの鉄則
- 著作権とは
- 「著作者」と「著作権者」
- 「原著作者」と「著作隣接権者」の権利
- その他の主な権利
- 映像系コンテンツとライツ
- 権利者の許諾なく著作物を利用できる場合
- 質疑応答
- まとめ
登壇者紹介
四宮 隆史(しのみや・たかし)氏

権利処理をスムーズに進めるうえでの鉄則
いきなり鉄則の話から入りますが、様々なビジネスをしたり、学生さんの場合は卒業制作を作ったりする中で、必要な著作権があるとします。たとえば絵の展示会をやろうと思ったら、その絵の展示権が必要ですね。
皆さんはまず、誰に問い合せればいいのか、その著権権を持っているのは誰なのかを調べると思います。
すると「© ~」といった表記を見つけて、「著作権はどうやらあの人のところにあるらしい」とわかる。
ただ、このような「© ~」という記載は、法律上はまったく意味のないことなんですね。
「この人に権利がありますよ」という印として書いてあることもあれば、「この人に問い合わせてください」くらいの意味合いで書いてあることもあります。
「©〇〇」の表記を見つけたら「まあこの人に聞けば、著作権がどこにあるかわかるんだろう」と推測はできますが、本当の著作者・著作権者は誰なのかは、さらに深掘って確かめる必要があります。
今日は講義を通して、誰が何の権利をもっているのか見込みをつけてスムーズに権利処理を行うための、マップというか、道しるべになるようなものをお渡しできればと思います。