クラスター株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役CEO:加藤直人氏)は、メタバース空間内でAIエージェントが自律的に接客を行う技術の特許(特許第7861975号)を2026年5月11日に取得した。AIがユーザーとの会話内容と空間情報をリアルタイムに判断し、案内・移動・説明までを自動で行う技術で、2025年7月より提供中のAI接客サービス「AI Agent Flex」の中核として、出願中から実用化されていた。
本特許の核心は、「会話するAI」から「会話して、動くAI」への進化にある。従来のAIエージェントも会話機能は持っていた。しかし案内や移動といった動作は、あらかじめ定めたルールに沿って実行する方式が中心で、柔軟な対応には人手による作り込みが必要だった。本技術ではユーザーとの対話内容に加え、空間の3D構造やナビゲーション地点、他のアバターの状況、ユーザーの行動履歴などをAIに入力する。そのうえでエージェントが次にとるべき動作を自律的に判断し、制御情報として出力する仕組みだ。
エージェントがとり得る動作は多岐にわたる。その場での対話はもちろん、おすすめ地点への案内・誘導、ユーザーへの追従、指定地点へのワープ、適切なタイミングでの呼びかけや対話の中止なども含まれる。たとえば「おすすめの場所に案内して」という一言から、エージェントが最適な地点を選び、発話しながらユーザーをその場所へ誘導する一連の流れが実現する。
さらに、エージェントの外見・声・性格・口調といった設定や、空間ごとの運営方針も加味される。そのため、ブランドや空間の世界観に沿った一貫した振る舞いが可能だ。活用シーンとしては、バーチャル店舗での接客、メタバースイベントの会場案内、観光地を再現した空間での個別案内、多言語対応の接客などが想定されている。
今後は「AI Agent Flex」をはじめとするサービスへの順次活用に加え、Webサイトや実店舗など多様な顧客接点への展開も検討している。同社はAIによる体験の高度化と、人が介在するデジタルツインの社会実装を加速させていく方針だ。