エックスサーバー株式会社(大阪市北区、代表取締役:小林尚希)は、同社が提供するレンタルサーバー「エックスサーバー」および法人向けサービス「XServerビジネス」に搭載された独自AI機能「WordPressリカバリー」の累計利用件数が、3万件を突破したと発表した。これは、WordPressサイトに発生するさまざまなトラブルを自動で診断・復旧する機能であり、初心者や非技術者でも簡単に扱えることから、多くのサイト運営者に支持されている。

このたび同社が行った調査によると、これまで「WordPressリカバリー」が対応したトラブルのうち、最も多かったのは「画面が真っ白になる」といった表示エラーで、全体の42%を占めた。主な原因はプラグインの競合や更新時の不具合などであり、これによりユーザーがサイトにアクセスできなくなるだけでなく、運営者にとっては信用の低下や収益機会の損失に直結する深刻な問題となっている。

次に多かったのは「管理画面にログインできない」ケースで、全体の20%を占めた。ログイン不可の背景には、テーマやプラグインのアップデート失敗、自ら設定したログインURLの失念、二段階認証の操作ミスなどがある。これらは複数の要因が重なって発生する場合が多く、復旧には高度な知識が求められることもあるという。

さらに、「不正アクセス」による被害も16%に達しており、サイバー攻撃の脅威が個人事業主や中小企業にも及んでいる実態が明らかとなった。サイトの改ざんや乗っ取り、ランサムウェアによる攻撃などが報告されており、企業のブランドイメージや信頼を損なう深刻なリスクとなっている。

こうした背景には、保守管理を制作会社などに委託せず、自らWordPressサイトを運営する中小企業や個人が多いという実情がある。日々の業務に追われる中で、WordPress本体やプラグインの更新を放置した結果、セキュリティ上の脆弱性やエラーの発生リスクが高まっている。特に長期間メンテナンスされていないサイトでは、アップデート時に突然のエラーが生じることが少なくない。

「WordPressリカバリー」は、こうしたトラブルを自動で検出し復旧できるAI機能であり、クリック操作だけで原因の特定から修復までを実行できるのが特長だ。表示エラーの修復、ログイン障害への対応、不正アクセスの排除、パスワードのリセット、さらにはWordPress本体の再構築まで、幅広いトラブルに対応している。サーバー運用における多様な事例をもとにAIの精度を高めており、トラブルの早期解決と安定運用に貢献している。

「エックスサーバー」は、国内シェアNo.1のレンタルサーバーサービスであり、250万件を超えるサイト運営の実績を持つ。最新の高性能サーバーや10Gbps直結の大容量回線、高速化技術「KUSANAGI」の導入により、高速・高安定な運用環境を提供している。今後もAI技術を活用し、初心者から上級者まで、あらゆるユーザーの課題解決に向けたサービス強化を進めていくとしている。