FRACTO株式会社(本社:北海道札幌市、代表取締役社長:伊東伸太郎)が開発に携わったインタラクティブLED空間「#ヒトフミ」が、2025年6月11日に幕張メッセで開催されたデジタルサイネージアワード2025の授賞式において、優秀賞を受賞した。

この賞は、デジタルサイネージ市場の活性化を目的に一般社団法人デジタルサイネージコンソーシアムが主催しており、2009年から毎年実施されている。2025年度は、2024年1月以降に発表されたコンテンツやシステムを対象に審査が行われ、グランプリ1点と優秀賞約10点が選出された。

優秀賞を受賞した「ふむ・あそぶ・デジタルパーク #ヒトフミ」は、2025年6月2日にリニューアルオープンした大和リース株式会社の商業施設「フレスポ若葉台」(東京都稲城市)の2階に設置されている。LEDビジョンを活用し、子どもたちが楽しめる空間をつくりたいという施設側の思いからプロジェクトが始動し、FRACTO社が手がけたインタラクティブな映像演出が実現された。

この空間では、ゲームエンジンを使ったリアルタイム生成の映像コンテンツを採用。床に内蔵された赤外線センサーと連動し、子どもの動きに応じて映像が変化する仕組みを備えている。天井・壁・床をLEDビジョンで一体的に構成し、湾曲した壁面や没入感ある演出により、訪れる子どもたちが視覚・触覚・聴覚を使って仮想空間を体験できる。LEDビジョンにはすべて樹脂加工が施され、安全に触れる設計となっている。

制作には株式会社たきコーポレーション(東京都中央区)も参加し、空を飛ぶ鳥や奥深い森、水辺に泳ぐ魚たちなど、自然豊かなインタラクティブ映像が展開される。足元に踏み込むと水面が揺れ、魚が反応し、臨場感ある音響もあいまって高い没入体験を提供している。

審査委員からは、プロジェクタを使った従来の床面インタラクションと比べ、LEDビジョンによる演出は明るい環境でも視認性が高く、自身の影が映らない点や映像のリアリティが高い点で体験価値が向上していると評価された。また、センサーと連動した動的な反応が革新的であり、子ども向けのユーザー体験として特に優れているとされた。

大和リース株式会社 東京本店流通建築リース営業所の髙金営業所長は、「リニューアルを機に、子どもたちが遊べる新しいLED空間を導入したことで、来場者の動線や滞在時間に明らかな変化があった」と語り、今回の受賞を喜ぶとともに、関係者への感謝を述べた。

「フレスポ若葉台」は2006年に開業した地域密着型のショッピングセンターで、「日常生活に便利なショッピングセンター」をコンセプトに、京王線若葉台駅に隣接し、390台の駐車場を備えている。「#ヒトフミ」は、その2階に設けられており、「ひと踏みで楽しさが芽吹く」という意味を込めて名付けられた。今回の受賞により、同施設が提供する新たな商業空間の可能性が広く注目を集めている。