若手映像クリエイターの育成と発表の場を提供する目的で、有限会社ザットインターナショナル(本社:名古屋市中区新栄、代表取締役:大矢善司)が主催する「ZAT映像コンテスト」の受賞作品が決定し、5月25日に名古屋市中村区の中村文化小劇場で上映会と表彰式が開催された。

同コンテストは、「未来のクリエイターへ、映像作品発表の場として広く提供し、若者の成長を応援する」という趣旨のもと初開催されたもので、2024年12月1日から2025年3月31日までの募集期間中、実写、CG、アニメーションなど形式を問わない15分以内のオリジナル映像作品を公募した。部門は、自社が所有する廃墟(ルインズ)を作品の一部に取り入れる「ルインズ部門」と、自由な発想で制作された「一般部門」の2つに分かれている。

応募条件は、完成が2023年以降であることや著作権処理が適正であることなどが求められ、プロ・アマチュア、年齢、国籍を問わず広く募集された。結果として、ルインズ部門に5作品、一般部門には87作品の応募があった。

ルインズ部門の最優秀賞に輝いたのは、アクション教室に通う中高生5人で構成された「highlevelアクション教室」による『キルデイズ』。殺し屋の兄妹の日常を描いた本格アクション作品で、リアルな動きや緊張感ある演出が高く評価された。メンバーは昨年12月から作品制作に取り組み、初めての映像制作に挑戦した。高校3年生で長男役を務めた河合海采さん(17)は「リアルな動きを突き詰めた。多くの経験ができ、皆と一緒に作品をつくることができてよかった」と受賞の喜びを語った。

同部門ではこのほか、『A Little Nightmare – 小悪夢 -』(Tatsumi)、『私の焦りと』(seconds)が優秀賞を受賞した。

一般部門では、筑波技術大学マルチメディアチームによる『Eyeself〜ワタシノセカイ〜』、升田天海さんの『この先、ワニ注意!』、ゲラルディ サロモ パンケレゴさんの『木の宝物』、山田玄徳さんが代表を務める「480時間労働」による『非常口』と『人間農場』、井上由紀夫さんの『スタンド・バイ・優』が優秀作品として選出された。

会場となった中村文化小劇場では、午後2時から受賞作品の上映と表彰式が行われ、多くの来場者が若手クリエイターたちの才能あふれる映像表現を楽しんだ。入場は無料で、地域住民や関係者を中心に賑わいを見せた。

ザットインターナショナルは、今後も東海3県(愛知・岐阜・三重)を中心に、若手クリエイターの育成と発表の機会を提供していく考えだ。