株式会社河出書房新社は、ブックデザイナーの松田行正氏による最新刊『〈連鎖〉の冒険 関係の発見史とデザイン』を2026年5月27日に発売する。本書は、古今東西のグラフィックに潜む不思議な因果関係を読み解き、デザインの視点から人類の歴史と文化の変遷を紐解く一冊である。
グラフィックデザインの第一線で40年以上にわたり活躍する松田氏は、博覧強記の知識人としても知られる。本書では、日常に馴染み深いデザインや色彩が、時代や地域によって意味を大きく変えてきた歴史に焦点を当てる。たとえば、かつてキリスト教カトリック派から忌避されたストライプ模様が国旗に採用されて近代モダンデザインへ転換した経緯や、ユダヤ人差別の象徴だった黄色がポップな色彩へと変化した過程などを解説する。さらに、戦争や差別、独裁政権の成立背景といった現代社会にも通じる負の側面にも、デザインの観点から鋭く切り込んでいる。
また、本書には紙の本ならではの仕掛けが施されている。本の小口を左側にずらすと「真珠の耳飾りの少女」が、右側にずらすと「The Yellow Book」第1号の表紙画が浮かび上がる仕様となっており、ページごとにわずかに幅を変えた印刷による視覚効果を楽しめる。
同書は46変判の並製、352ページで、税込定価は3,520円。電子書籍の発売予定はない。河出書房新社の代表取締役である小野寺優氏は、多角的な視点から価値観の変遷を楽しめると同時に、現代の課題を過去の歴史的構造と地続きのものとして捉え直すための一冊であるとしている。
