デザイナー/アートディレクターとして活躍してきた佐藤直樹氏。現在、太田市美術館・図書館にて開催中の個展公式カタログ『佐藤直樹 紙面・壁面・循環──同じ場所から生まれる本と美術の話』は、デザイナーとして画家としての幅広い活動をまとめた1冊です。
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【本書の構成】
1. 壁画
ベニヤ板に木炭で身近な植物を描きはじめた同氏。初期の作品から160 メートルを超え、現在も完成形を想定せずに増殖している《その後の「そこで生えている。」》など、5点を掲載しています。
2. 都市
同氏がプロデューサーとして、企画・運営したイベントの記録。「Tokyo Designers Block Central East」「Central East Tokyo」「TRANS ARTS TOKYO」など。
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3. 紙面
『WORKS』『GURU』『WIRED』日本版『composite 』『ART iT』『NEUT. 』『くくのち』『百年の愚行 オリジナル複写版』『百年の愚行 普及版』『続・百年の愚行』『写真家・岡本太郎の眼 東北と沖縄』『Tokyo Designers Block 』『TDB Central East 』など
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【本書のみどころ】
佐藤氏がアートディレクションを担当。
作家とデザイナーの両局面をみることができる1冊です。
充実の、寄稿・鼎談
鼎談「佐藤直樹になにが起こったか」・・・伊藤ガビン、椹木野衣、佐藤直樹
鼎談「Central East Tokyo」 前後・・・竹内昌義、馬場正尊、佐藤直樹
寄稿「終わりなき〆切り」を解放する絵画・・・中村政人
寄稿 : 具体的な世界の具体的な活動として・・・室賀清徳
寄稿「完成を想定しない」絵のあとさき・・・小金沢智
(以下、すべて本書より)
絵は、人に見せるということが前提に描くものですよね。でも佐藤さんは全体を見ていない。つまり、見せることが前提になっていなくて、描くことだけが目的になっている。だから、それはもう絵ではないのではないか。
椹木野衣(美術批評家)
200m に近づこうとしている作品内部では、「利己的な遺伝子」が独自に進化していくようにその先の画面をつくり出していく。そして絵画史上類を見ない独自な作品存在として「純粋な信頼」を勝ち取り、自律し、進化していくのだ。
中村政人(アーティスト)
デザインから絵画にいたる一連の活動は、佐藤にとって具体的な世界のなかの具体的な活動として確かに繋がっている。そして具体的な実践としてコンテクストや理論に先立って、私たちの目の前に現れてくる。
室賀清徳(編集者)
【著者プロフィール】
佐藤直樹(さとう・なおき)
1961 年東京都生まれ。北海道教育大学卒業後、信州大学で教育社会学・言語社会学を学ぶ。美学校菊畑茂久馬絵画教場修了。1994 年、『WIRED』日本版創刊にあたりアートディレクターに就任。1998 年、アジール・デザイン(現アジール)設立。2010 年、アートセンター「アーツ千代田 3331」の立ち上げに参画。2012 年からスタートしたアートプロジェクト「TRANS ARTS TOKYO(TAT)」を機に絵画制作へと重心を移し、「大館・北秋田芸術祭2014」などにも参加。札幌国際芸術祭 2017 バンドメンバー(デザインプロジェクト担当)。3331 デザインディレクター。美学校講師。多摩美術大学教授。
【書誌情報】
『佐藤直樹 紙面・壁面・循環──同じ場所から生まれる本と美術の話』
発売:2019年8月30日
定価:2400円+税
発行:美術出版社
ご購入はこちら https://www.amazon.co.jp/dp/4568105161
【展覧会情報】
本と美術の展覧会 vol.3
「佐藤直樹展:紙面・壁画・循環」展
太田市美術館・図書館(群馬)にて
2019年6月29日(土)〜 10月20日(日)開催
https://www.artmuseumlibraryota.jp/post_artmuseum/3330.html
(CREATIVE VILLAGE編集部)