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ポールトゥウィンホールディングス株式会社の連結子会社であるSide International Holdings Limited(本社・ロンドン、CEOデボラ・カーカム)は22日、ゲーマー向けブランド大手Razer Inc.(本社・米国カリフォルニア州およびシンガポール、CEOミン・リャン・タン)と共同で、AIを活用した新たなゲームデバッグソリューション「Razer Cortex: Playtest Program – Powered by Side」を発表した。世界中のプレイヤーによる大規模なプレイテストと専門デバッグを組み合わせた業界初の仕組みで、開発会社は従来比で最大80%のコスト削減が見込めるという。

このプログラムは、Razerが展開するPCゲームランチャー「Razer Cortex」上で提供される。5,000万人以上の利用者を抱える同サービスを通じ、条件を満たしたゲーマーがNDAに署名の上でテストビルドを入手し、安全にプレイへ参加できる。プレイ時間やパフォーマンスデータは自動的に収集され、条件に応じてアンケートによる定性的なフィードバックも提出可能だ。参加者は報酬としてRazer Silverを受け取り、ゲームや周辺機器と交換できる。

収集されたデータはSide独自のAIで重複やノイズが整理され、専門デバッグチームが解釈・検証を行う。これにより、従来のラボ環境では見落とされがちな不具合も検出されやすくなる。SideのカーカムCEOは「プレイテスターは私たちにとって大切な株主のような存在だ」と語り、開発段階から熱心なプレイヤーを巻き込むことがゲームの品質と売上に直結すると強調した。

Razerのクエン・クアック副社長も「開発会社が低コストで大規模なテストを行える新たな手段を提供する。プレイヤーの動向に基づいた選定やフィードバック収集により、より良い開発判断を支援する」と述べた。

従来、プレイテストは高コストかつ少人数に依存し、効率性に課題があった。今回の取り組みは、Razerの広大なゲーミングコミュニティとSideのAI技術を掛け合わせることで、より多様で適切なテスター層にアクセス可能とし、開発会社にとっても商業的成功に向けた有力な準備手段となる。Sideのハーラン・ビバリー最高技術責任者は「少量・高関与から大量・低関与へと転換し、誰も実現できなかったレベルのデータ分析を可能にする」と説明した。

このソリューションにより、プレイヤーは発売前から自らの声を直接開発会社に届けることができる。開発会社にとっても方向転換や品質改善を事前に図る貴重な機会となり、ゲーム産業におけるプレイテストの在り方を大きく変革する試みとして注目を集めている。

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