メディアプラットフォーム「note」を運営するnote株式会社は5月15日、2026年4月の新入社員(以下、新卒)および彼らを迎える企業側が投稿した記事を大規模言語モデル(LLM)で分析した結果を発表した。調査からは、企業の多くが新人の「主体性のなさ」を嘆く一方、新卒側は「自己成長」を強く望みながらも空回りし、双方が共通して「指示待ち」という壁に葛藤している実態が浮かび上がった。

新卒の本音「成長したい」けれど「手応えが見えない」

調査では、2026年4月の約1ヶ月間に投稿された新卒関連タグ付きの記事2万件超から、新卒本人の視点による記事3,247件を分析。新卒が「働く上で最も大切にしたいこと」の1位は「自己成長・学び」(42.5%)となり、「健康・メンタル」(31.4%)がそれに続いた。一方で「報酬・待遇・安定」を挙げたのはわずか0.6%にとどまり、心身の健康を保ちつつも、早期に成長したいという前向きな意欲が目立つ結果となった。

しかし、悩みや不安に関する分析では、1位の「組織風土・価値観の不一致」(27.5%)に続き、2位に「成長実感の欠如」(20.6%)がランクイン。職場になじみきれず、優先順位がわからないまま空回りしてしまい、「成長している手応えが得られない」という不安から、具体的な行動を起こせずにいる心理が透けて見える。

企業の視点 7割以上が「主体性・自律性不足」に課題感

一方で、新卒の育成やオンボーディングに携わる企業側の視点(447件)を分析したところ、課題認識の1位は「新人の主体性・自律性不足」が74.2%と、2位以下を大きく引き離す圧倒的な数字となった。

企業の目には新卒が受動的に映っているものの、上述の通り新卒自身は強い成長意欲を抱いている。本人の意欲が企業の期待する形で行動として表れていないという、手痛い「すれ違い」が生じていると言える。

共通の壁は「指示待ち」同じ現象に異なる言葉を貼る両者

この構造を象徴するのが、双方の記事に頻出するキーワードだ。受入企業側のネガティブな文脈における頻出ワード1位が「指示待ち」であったのに対し、新卒側のネガティブワードでも3位に「指示待ち」が登場した。企業が「指示待ちで困る」と頭を抱える一方で、新卒自身もまた「指示待ちになってしまっている自分が嫌だ」と、同じ壁にぶつかり苦悩している。自走して成長したいという根本の願いは、実は両者で共通していた。

また、新卒側の記事では「同期」という言葉がポジティブ・ネガティブ双方で大きな存在感を示した。「同期がいるから頑張れる」という心の支えになる一方で、「同期はもう仕事を任されているのに……」という焦りや比較の対象にもなっている。企業側では、理想として「伴走」「対話」「心理的安全性」を掲げながらも、現場の実態としては「指示待ち」「属人化」「放置」といったギャップに悩む声が上がった。

「書く」ことで見えてくるギャップと歩み寄り

note株式会社は、新卒が言葉に詰まるようなあやふやな葛藤も、文章として「書く」ことで自らの大切にしたい価値観や戸惑いを整理できていると指摘。新卒と企業が同じ職場にいながら異なる視点で同じ現象を見ている現状について、「こうしたギャップに気づくこと自体が、互いに歩み寄る出発点になる」としている。

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000397.000017890.html