京都芸術大学(京都市左京区)文芸表現学科4年生の古谷弦大氏が執筆した長編シナリオ「ヤクザ依存」が、日本シナリオ作家協会主催の第35回新人シナリオコンクールにおいて、特別賞である大伴昌司賞を受賞した。
受賞作は、衰退の一途をたどる現代のヤクザ社会を舞台に、組織を離れようと葛藤する若き組員の姿を描いた物語である。古谷氏は北野武監督の映画「アウトレイジ」に影響を受け、自身の趣味を色濃く反映させた作品として本作を書き上げた。
審査では、審査委員長の加藤正人氏らからセリフの卓越した表現力が高い評価を得た。専門誌「シナリオ」に掲載された講評では、多くの審査員がその筆力を絶賛し、将来の映画化を期待する声も上がったという。
同大学のクリエイティブ・ライティングコースでは、実践的な指導を通じて「ことばのプロ」を育成している。本作も授業の一環として執筆が始まり、幾度もの改稿を経て完成に至った。古谷氏は、小説執筆を目的に入学した後にシナリオ専攻へ進んだ経緯を振り返り、2年間の研鑽が実を結んだ喜びを語った。
同大学は近年、群像新人文学賞や「女による女のためのR-18文学賞」の受賞者を輩出するなど、若き書き手の育成で実績を重ねている。今回の受賞は、大学での学びが創作現場で通用することを改めて証明する形となった。奈良県出身で2003年生まれの古谷氏は、今回の結果を励みに、今後も創作活動を深めていく意向を示している。