映像とアートを軸に世界とつながる国際フェスティバル「恵比寿映像祭2026」が、2月6日から23日まで東京都写真美術館や恵比寿ガーデンプレイスなどを会場に開かれる。主催は東京都、公益財団法人東京都歴史文化財団、東京都写真美術館、日本経済新聞社で、今年で17回目の開催となる。参加アーティストは国内外から30組以上にのぼり、展示や上映、パフォーマンスなど多彩な企画が16日間にわたり繰り広げられる。
今回の総合テーマは「あなたの音に|日花聲音|Polyphonic Voices Bathed in Sunlight」。メインキュレーターの邱于瑄(チィウ・ユーシュェン)が台湾語を出発点に、多様な言語や文化が交差する社会を重層的に捉えようとする。木洩れ陽を意味する「日花」と、声や音を表す「聲音」を組み合わせ、異なる声が光とともに響き合う様子を表現している。
展示プログラムでは、映像やサウンド、パフォーマンスを通じて「声」「環境」「記憶」「誤読」を探求する。台湾のアーティスト張恩滿による船形インスタレーション《蝸牛樂園三部曲—啟航或終章》は、移動と定着をテーマに生命の記憶を描く。侯怡亭は刺繍による作品を通じ、台湾語の背後にある文化的記憶を掘り下げる。日本からは鶴巻育子やキュンチョメ、田中未知/高松次郎らが参加する。
東京都写真美術館3階では「コミッション・プロジェクト」として新作を依頼した映像作品を公開する。第2回特別賞受賞者の小森はるかが、人と風景の関係を見つめ直す新作2点を発表。恵比寿ガーデンプレイスでは、エキソニモやFAMEMEらによる屋外展示も行われ、都市空間を舞台に偶発的なアート体験を生み出す。
映像上映プログラムでは、大木裕之の追悼特集や、言語とコミュニケーションのずれを描いた河合健《みんな、おしゃべり!》などを上映。モーガン・クウェインタンスの短編特集も組まれている。さらに、アーティスト・トークや演劇、音楽パフォーマンスなど多様なライブイベントが実施され、劇団ゴツプロ!と峸劇場による《拝啓》が注目を集める。
東京都のコレクション展示や、地域の文化施設との連携企画も充実する。今年は恵比寿近隣の18施設が参加し、街全体で映像祭を盛り上げる。バリアフリー設備や多言語対応体制も整えられ、誰もが楽しめる環境を目指す。
2009年に始まった恵比寿映像祭は、映像とアートの創造・継承を目的に発展してきた。社会や文化のひずみを映し出しながら、多様な声が共鳴する場として、東京から世界へ新しい芸術の波を発信する。



