アフターデジタル時代の新しい書道の姿を探る展覧会「現代文人五人展」が、1月16日から東京・代官山の「DAIKANYAMA T-SITE GARDEN GALLERY」で、2月13日からは京都・梅小路公園「緑の館」で開かれる。「筆と紙の交響」をテーマに、メディアアーティストの落合陽一や書家の川邊りえこら五人の現代文人が、山のこどもたちとともに作り上げた作品を展示する。
本展は、文化庁の令和7年度「生活文化創造・戦略展開事業」の一環として実施された「書道と和紙のプロジェクト in ひのはら」で生まれた成果を紹介するものだ。檜原村の自然や信仰を題材に、和紙づくりから書作までを地域と共に行い、書を「サステナブルな文化」として継承することを目的としている。
作品の中心には、東京の山間部に伝わる狼信仰「狛おおかみ」をモチーフとした立体書作品がある。ディレクターの川邊りえこをはじめ、詩人の三角みづ紀、マルチクリエーターのKiNG、13歳の新鋭・高梨元秀らが、五体の狼をテーマにした書を檜原和紙にしたためた。川邊は信仰と自然が息づく山の文化を「祈りと共存の象徴」として表現したという。
会場では、落合陽一のインスタレーション作品「神人共食 ヌル講の直会 計算機自然」も展示される。AIを用い、古来の直会(なおらい)を現代の情報空間に再解釈したもので、音と光による“計算機自然”の気配を可視化する試みだ。
あわせて、エデュケーションプログラム「書塾」で子どもたちが制作した作品や、楮を刈るところから始まる和紙づくりの記録も紹介される。伝統素材と地域の知恵を活かした循環型文化のあり方を示す取り組みとして注目されている。
東京会場は入場無料で、1月16日午後3時30分からは落合によるオンサイトトークも行われる。



