株式会社有隣堂(本社・横浜市、松信健太郎社長)は12月11日、2025年の年間ベストセラーランキングを発表した。同ランキングは、自社開発の店舗運営システム「Book Store Central(BSC)」により収集された販売データを基に作成されたもので、リアルタイムの売上動向分析を可能にした結果として、店舗運営や商品展開への反映が進んでいる。
書籍部門の1位は、鈴木のりたけ氏による『大ピンチずかん 3』(小学館)が獲得した。シリーズ人気の定着を示す結果となった。実用・学習書分野では、英語学習書『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』(朝日新聞出版)が2位に入った。資産形成や習慣改善の書も上位に入り、「学び直し」への旺盛な需要を印象づけた。
また、『会社四季報業界地図 2026年版』(東洋経済新報社)が9位に入った。同書は、公式YouTube「有隣堂しか知らない世界」と連動したライブ販売企画で限定特典付き3,000冊が14分で完売し、動画と販売の一体化が成功した事例として注目された。
ZINE(自主制作誌)部門では、「有隣堂 キュービックプラザ新横浜店」で販売された『自分でやってみる人のための校正のたね』(サワラギ校正部)が1位を獲得した。5月にZINE販売を開始した同店では、地元・崎陽軒シウマイ弁当をテーマにした作品が2位から4位を占めた。横浜への地元愛と、個性を重んじるZINE文化の結びつきが強く表れた結果である。ZINEを手に取る読者の多くが「創る側」に関心を寄せており、販売コーナーが創作の発芽点ともなっている。
公式YouTubeチャンネル「有隣堂しか知らない世界」関連では、MCキャラクター「R.B.ブッコロー」グッズの人気ランキングも同時に発表された。開設5周年を記念した『R.B.ブッコロー ブッコニカ学習帳』(ショウワノート)が首位となり、限定性と実用性の両立が購買を後押しした。ぬいぐるみやエコバッグなど、店舗との関連性を意識した商品も上位に入った。
今回の結果は、書店が単に「本を売る場所」から、地域文化を発信し、人と創作をつなぐ場へと変化しつつあることを示している。有隣堂は今後も書籍、ZINE、動画メディアを通じて地域に根ざした文化活動を展開し、読書体験の新たな価値を追求していく方針だ。



