東京都渋谷区千駄ヶ谷に、イベントやオフィスワーク、撮影など幅広い用途に対応する多目的スペース「CINCI(シンチ)」が11月4日に開業した。場所はJR千駄ケ谷駅から徒歩4分のK&Kビル3階で、シェアキッチンとレンタルシャワーを備え、利用者の創造的な活動を支援する空間として運営される。
この施設の特徴は、特定のオーナーを設けず、異分野の専門家ら8組が「Boarding Member」として共同運営する点にある。運営統括を務めるのは長野県茅野市に本社を置くカルチャープロデュース企業の株式会社Kotobitoで、デザイン、不動産、アートディレクションなど多様な分野のメンバーが連携して企画から管理までを担う。
CINCIはイベントや展示会、会議などに利用できるラウンジと、シェアキッチンを併設したスタジオを中心に構成される。ミーティング後に軽食を囲んで交流を深めたり、撮影後に懇親会を開いたりと、仕事と余暇を行き来しながら利用できる設計だ。プロジェクターやWi-Fiなどの設備も整い、最大30人程度まで対応できる。
施設は「WE ARE URBAN COLLECTIVE.」をコンセプトに掲げ、人と人が交わり、新しい価値を生み出す「都市の余白」としての役割を目指す。周辺の神宮外苑でランニングを楽しんだ後にシャワーを浴びて仕事に戻るなど、日常と創造の境界を感じさせない利用スタイルも提案している。
メンバーシップ制度も導入され、「FELLOW MEMBER(無料)」ではイベントへの参加やスペース利用が可能となり、「ALLIANCE MEMBER(月額制)」は優先利用やディスカウント、運営メンバーとの連携機会などを得られる。入会には紹介と審査が必要となる。
共同運営に携わるのはKotobitoをはじめ、不動産運営のHitoiki、設計コンサルのArchitect Lab、ブランド企画のStandby、編集を手がけるZodiac、空間設計の稲田真一氏、デジタル運営支援のFussy、撮影監修のSantalの8組である。代表の石島知氏は「CINCIは意思ある個の“群れ”が交わる場所。この街で予測不能な出会いと熱を生みたい」と語った。
施設内にはバーカウンターやバルコニー、屋上テラスもあり、都心の景色を背景にしたイベント開催も可能だ。
Webサイト:https://cinci.tokyo


