生成AIの急速な普及が、国内のクリエイターに深い影響を与えている。一般社団法人日本フリーランスリーグ(FLJ、名誉会長やくみつる)は、こうした動きを把握するため「生成AIと日本のクリエイターの未来についてのアンケート」を実施している。9月30日の開始からわずか3週間で約2万4千件の回答が寄せられ、現時点で国内最大級の調査となっている。
調査は、漫画家やイラストレーターなど創作活動に携わるフリーランスを対象に、生成AIがもたらす課題を多角的に尋ねる内容だ。特に著作権を含む学習データの扱い、AIによる創作物の補償や報酬配分など、従来の議論では触れられにくかった点に踏み込んでいる。全14問、所要時間は約5分で、インターネット上から匿名で回答できる。締切は10月31日までだ。
FLJは文化、芸能、芸術など幅広い分野で活動する団体と連携している。協力団体には日本俳優連合、日本音楽家ユニオン、東京イラストレーターズ・ソサエティ、ふくしまクリエイター著作権協会などが名を連ねる。団体横断での取り組みは、生成AIをめぐる議論をより実態に即したものにする狙いがある。
寄せられた回答は、今後の政策提言や業界内の建設的な対話促進に役立てられる見通しだ。FLJは「現場の声を集め、グローバルな環境変化に対応する戦略の一助としたい」として、さらなる協力を呼びかけている。
FLJは2024年4月に設立され、フリーランスの労働環境改善や権利保護を目的に活動している。発注側と受注側双方に公正な関係づくりを進め、クリエイターの地位向上と産業発展を目指している。



