株式会社ペンマーク(本社:東京都目黒区、代表取締役:横山直明)は、全国の若手社会人を対象に「この人の下では働きたくない」と感じる上司の特徴に関する意識調査を実施した。調査対象は1996年から2005年生まれのいわゆるZ世代で、有効回答数は176名。Z世代の働き方や価値観が注目されるなか、上司に対する評価基準が明らかになった。

調査結果によると、最も多くの若手社会人が敬遠すると答えたのは「高圧的・威圧的な態度」で、61.9%が該当すると回答した。次いで「感情的な言動が多い」(54.5%)が2位に入り、いずれも人間性に関わる要素が上位を占めた。これに続く3位は「指示が曖昧・矛盾している」(42.6%)で、上司としての基本的な業務遂行能力への不信も浮き彫りとなった。

この結果は、Z世代が職場において心理的安全性を重視していることを物語っている。彼らは、上司に求めるのはスキルや実績よりもまず「人として信頼できるかどうか」であり、尊敬できない態度や不安定な言動は、上司としての資質を大きく損なうと捉えている。威圧的な態度や感情的な振る舞いは、若手社員の挑戦心や率直な意見を抑圧し、組織全体の生産性と創造性の低下を招く恐れがある。

また、「指示の曖昧さ」が3位に挙がった点も注目に値する。Z世代は上司を「共に成果を出すビジネスパートナー」として冷静に評価しており、不明確な指示や矛盾した方針に対して強いストレスを感じている。タイムパフォーマンスを重視する傾向が強い彼らにとって、非効率な業務指示は信頼関係を損なう要因となる。

こうした結果を踏まえ、企業には上司の育成と登用の見直しが求められている。プレイヤーとしての優秀さだけでは、管理職としての資質を担保できない時代に突入している。今後のマネージャーには、部下一人ひとりを尊重し、心理的安全性を確保しながら的確な業務指示を行える「人間性」と「マネジメント能力」の両立が必要不可欠となる。

そのためには、360度評価の導入や、心理的安全性に関する研修の実施といった施策を通じて、部下から信頼される上司像を明確に育成していく必要がある。Z世代の価値観を理解し、「この人の下で働きたい」と思われる上司を増やしていくことが、企業の持続的成長にとって重要な鍵となる。

出典:株式会社ペンマーク「Z世代若手社員の意識調査」
URL:https://corp.penmark.jp/news/20250619