電通デジタルと電通は、広告コピー生成ツール「AICO2」に新たにボディコピーの自動生成機能を追加したと発表した。これにより、従来はキャッチコピーの生成に特化していた「AICO2」が、商品やブランドの背景、価値、ストーリーをより深く伝える長文表現にも対応可能となり、広告全体の訴求力が一層高まることが期待されている。

「AICO2」は、電通のコピーライターが長年培ってきた思考プロセスを人工知能に学習させて開発された広告コピー生成ツールで、2024年8月よりキャッチコピーの自動生成機能を中心に運用が始まっていた。今回新たに追加されたボディコピーの自動生成機能では、OpenAIが開発した最新の大規模言語モデルGPT-4.1を基に、電通独自の創造的思考モデルをファインチューニングしたAIが搭載されている。

この機能強化により、「AICO2」はキャッチコピーだけでは伝えきれない商品やサービスの価値、ブランドの世界観、背景にあるストーリーなどを、文脈に沿った自然な文章で表現できるようになった。電通はこの表現力によって、読み手の共感を呼び起こし、ブランドと生活者との間により深いコミュニケーションを築くことが可能になるとしている。

これまでの「AICO2」は、短く印象的なキャッチコピーの自動生成に特化し、多くのブランドの魅力を効果的に伝えてきた。今回のボディコピー機能の追加により、広告表現の質と量の両立が図られ、より一貫性と深みのある広告制作が可能になると両社は説明する。

また、この取り組みは電通グループが推進するAI戦略「AI For Growth」の一環でもある。「AI For Growth」は、人間の知とAIの知を掛け合わせ、顧客や社会の成長に貢献することを目的とした独自戦略であり、今後も電通と電通デジタルは高品質な広告制作を通じて企業の事業成長と社会の持続的な発展に貢献していく方針を示している。