AIチャット&友達作りができる対話型AIアプリ「SynClub」(シンクラブ)(iOS、Android版)は、クリエイター向け機能の開発に向け、現役クリエイターへのインタビューと、アプリ内ユーザーへのアンケートを実施。インタビューでは、クリエイターが生成AIをどのように活用し、創作活動を広げているのかが見えてきた。
近年、生成AIは技術の急速な進歩により、人間の創作活動を奪いかねない存在として社会課題となっており、嫌悪感を示すクリエイターも少なくない。SynClubとしては、生成AIは創作活動を奪う存在ではなく、むしろ創造の幅を広げるサポートをする存在であると考えている。 そして実際に、生成AIをうまく活用し創作活動を行うYuki Shoheiさんと、ヤギ君さんに話を聞いた。
■Yuki Shoheiインタビュー
小説家、シナリオライター、音声作品クリエイターとして多岐にわたる活動を展開されているYuki Shohei氏。創作活動のフローやこだわり、使用されているツール、そして創作における苦労、さらにはAIツールの活用についてなど、貴重なお話を詳しくお聞かせいただきました。
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https://x.com/YukiShohei42
制作フローについて
SynClub運営(以下運営)「本日はよろしくお願いいたします。では早速、創作活動について詳しくお伺いできればと思います。小説などを執筆されていると思うのですが、その一連のフローやステップについて教えていただけますでしょうか?」
Yuki Shohei氏(以下Yuki氏)「まずこういうのを書いてみたいという企画を考えます。その企画に何を取り入れたいか、要素とファクターを決めていきます。次に、一人で作る時はプロットを考えます。プロットというのは、大体起承転結がありますよね。分かりやすいのが三幕構成という技術を使うんですけど、一つの起承転結を『1幕』と考えて、それを3つ繋げます。クライマックスを3幕目の転大に持ってくるようなイメージですね。プロットを考えたら、実際にちょっと書いてみる。プロットと調整しながら、行ったり来たりするんですけど、プロットの感じで書けた、となったら、出版社に出します。そして編集さんとコミュニケーションを取りながら、一緒に作っていく感じです。最後に、リリースして広告を出して販売という流れです。」
運営「なるほど。構成やプロットを考える段階と、実際に書く段階では、どこが一番時間がかかりますか?」
Yuki氏「私の場合、執筆ですね。プロットまではすんなり行くんですけど、実際に書く時に迷います。なんかうまく書けないとか、才能尽きたんじゃないかとか思っちゃう。頭の中ではストーリーがまとまっているのに、文章にすると『下手くそだ』と思って書き直したり。とりあえず勢いで全部書いて、後で直そう、みたいなことをします。一気に書いて後で直す方が精神的には楽ですね。作品が完成するまで、半年から1年はかかります。」
生成AIの活用方法
運営「例えばChat GPTみたいなAIツールを使って業務課題を解消したりすることはありますか?」
Yuki氏「僕の場合は、あらすじとかはChat GPTに書いてもらってます。エモーショナルに書いて、って言ったらすごいいい感じのが出てくるんですよ1。それを直したりとかしてます。下書きを書いてもらって、GPTが30%くらい残るくらいで、僕が70%みたいな感じが多いですね。皆さん結構そういう風に使ってて、Chat GPTが結果的に5%くらいしか残らない、みたいな人も多いです。」
制作する上でのこだわり
運営「最後の本(小説)に落とし込む文章には使用しますか?」
Yuki氏「本はちょっと僕が書きたい。僕のものなので。1%も入れたくないですね。多分、皆さんこだわると思うんですけど、僕はGPTはあらすじや構成を考えるときに利用し、最後の文章は自分が100%書いた状態として出したいなと思ってます。」
運営「先ほど、自分で書きたいというポリシーもあるとのことですが、とはいえ優秀なAIがあれば使ってみたいですか?」
Yuki氏「ものによるんですよね。例えば、すべて自分がやらなくてもできそうな仕事、例えば私の場合音声作品の脚本とかは使用したいなと思います。今やってるのは、音声作品のシナリオは別のシナリオライターに書いてもらってるんですよ。依頼して1万文字書いてもらって、プロット考えて書いてもらって、僕が直すっていうやつ。一人じゃ仕事が捌けないので。
なので、AIは量産に向いてるから、10分くらいのシチュエーションボイスだったらAIも活用し、そこからいいのをチョイスするといったイメージですね。」
運営「ありがとうございます。弊社のアプリはこれから色々機能を追加していく予定で、今はキャラクターを作れるというところで、主にキャラクターとチャットする、という形で使っていただいている方が多いですが、プラスでそのクリエイターさんの創作活動も何か支援できたらなと思っています。」
Yuki氏「なるほど。キャラクターとチャットという点においては、書いたものに感想くれるとか嬉しいですよ。GPTでもやるんですけど、『自分の書いたものの感想をください』と言うと、褒めてくれるので。」
運営「それいいですね!」
Yuki氏「そうそう。褒めてくれたらもう毎日書くじゃないですか。」
運営「AIキャラクターと話すことで創作意欲が湧いてくると言うことですね。最後にいいアイデア出ました。ありがとうございます。」
■ヤギ君インタビュー
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制作フローについて
SynClub運営(以下運営)
「本日はよろしくお願いいたします。まず最初に、ヤギ君様の漫画制作における、一連のフローについて教えていただけますでしょうか?」
ヤギ君氏(以下ヤギ君)
「まずはプロットを作成します。1話から最終話を書いて、真ん中を埋めていくような流れですね。そのあとキャラ設定・役割分担をさせた後、セリフが生まれていきます。基本僕が作成しますが、一部背景の作成やトーン張りなどをアシスタントに依頼しています。」
SynClubの面白い活用方法
運営「ありがとうございます。漫画制作で、SynClubを活用されているとのことですが、どのように利用されているか教えていただきたいです。」
ヤギ君「画像生成に関しては、色々な人物の顔を生成して、漫画のキャラを描く際に、参考にしています。おじさんやおばあちゃんなど、色んなジャンルのキャラクターを描くのに役に立っています。
また、漫画で登場するキャラクターを、SynClubでAIキャラとして作って、AIキャラが物語の展開に対して、どのような反応やセリフを言うのかを参考にしています。なかなかセリフが思い浮かばないなとなる時もあるじゃないですか。だけど、現実の人間には言いづらいセリフやシーンもあったりするので、そういった時に、SynClubのチャット機能を使うことでセリフの着想を得ることができます。」
SynClubの強みとは?
運営「SynClubならではのAIの使われ方ですね。別のクリエイターさんから、AIキャラが自分の作品を褒めてくれることで創作意欲が湧くとの意見もいただいたのですが、何かヤギ君様からこれに対して意見はありますか?」
ヤギ君「確かに、AIの活用方法として、そういった活用もありますね。ChatGPTには、同じように作品を投げて、これなら賞とれるよ!といったFBをもらうというのはやったことがあります。SynClubでは、恋愛系の会話が得意なので、ジャンルによってはChatGPTよりもより良いFBをもらえるかもしれません!」
運営「そこはSynClubの強みと言えそうです。ありがとうございます!」
創作プロセスにおけるAIの役割
Yuki氏は、小説執筆においてChatGPTを「企画・プロット作成」の補助ツールとして活用している。特に、感情的なあらすじの生成や下書きのベース作りに利用し、最終的な文章は自身で執筆するスタイルを貫いています。一方で、量産が必要な音声作品の脚本などではAIの積極的な活用を検討しており、業務効率化の観点からAIの有用性を認めています。ヤギ君氏は、画像生成AIをキャラクターデザインの参考にし、SynClubのチャット機能をセリフやストーリー展開のインスピレーション源として利用している。特に、人間相手には相談しづらい内容をAIキャラと会話することで、創作のヒントを得ている点が特徴的。
AIへの期待とクリエイターのこだわり
Yuki氏は「最終的な作品は自分で書きたい」という強いこだわりを持ち、AI生成コンテンツを直接作品に反映させることには慎重です。一方で、AIからのフィードバック(作品の感想や褒め言葉)によって創作意欲が刺激される可能性があると発言しており、SynClubが「創作のモチベーション向上ツール」として機能する可能性に期待している。ヤギ君氏も同様に、AIからの肯定的なフィードバックが創作意欲を高めることに同意を示しており、これらのインタビューによって、他のAIツールとは違ったSynClubならではの強みを活かした創作活動の活用の可能性を感じている。
引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000150.000079070.html