現代美術家 松山智一(まつやま ともかず)氏が手がけた、バワリー・ミューラルの壁画プロジェクトのタイムラプス映像が公開された。

2008年から始動したバワリー・ミューラルの壁画プロジェクト。近年、この伝統的な壁に描かれてきた芸術作品は落書きによって覆われ、2022年6月には更新の一時休止が発表されていたが、松山氏はこの状況を変えるムーブメントを起こすべく、本作品の制作を決意したという。

タイムラプス映像では、日本初公開となる壁画と120平方メートルを超える巨大なスペースが、一日で生まれ変わる様子を見ることができる。

松山智一 アーティスト・ステートメント

2023年9月1日、バワリー・ミューラルで新たな作品に着手しました。何十年にも渡り歴史を紡いできた象徴的なミューラル。たった一日で設営したこの作品には、普段のニューヨーカー、雑誌に登場するカルチャー・アイコン、映画のワンシーン、そして自分が20年NYに暮らして撮影した身近な人々など30人のポートレイトが描かれており、あらゆる人に対するオマージュ。


ニューヨークは「愛と憎しみ」「受容と排除」「承認と拒絶」といった二面性を持つ街。しかし、僕を含めたマイノリティがグローバルに飛躍できるチャンスを与えてくれる多様性とチャレンジ精神が生きる街でもあり、その精神を封じ込めた作品を見せることが、アーティストができるこの街への還元だと考えた。ニューヨークが「情熱と献身」と受け止めてくれると信じている。去年の秋以降、その存在意義を封印したかのようなミューラルの佇まいには居た堪れない気持ちで、だからこそ今回このミューラル・プロジェクトに新たな息吹を吹き込もうと決めた。前を向いていこう。長年に渡りアートと文化の導き手として多くの作家に愛されてきたこの特別なミューラルの新しい始まりとなることを心から願っている。

タイムラプス映像

https://drive.google.com/drive/folders/1StPEj1aIecHlYS-_SVJq6mZ758EHvZLZ?usp=sharing

作家プロフィール


松山智一 MATSUYAMA Tomokazu
1976年岐阜県生まれ、ブルックリン在住。絵画を中心に、彫刻やインスタレーションを発表。アジアとヨーロッパ、古代と現代、具象と抽象といった両極の要素を有機的に結びつけて再構築し、異文化間での自身の経験や情報化の中で移ろう現代社会の姿を反映した作品を制作する。バワリーミューラルでの壁画制作(ニューヨーク/米国、2019年)や、《花尾》(新宿東口駅前広場、東京、2020年)、《Wheels of Fortune》(「神宮の社芸術祝祭」明治神宮、東京、2020年)など、大規模なパブリックアートプロジェクトも手がけている。近年の主な個展に、「Accountable Nature」龍美術館(上海/中国、2020年|重慶/中国、2021年)、「雪月花のとき」 弘前れんが倉庫美術館(弘前/日本、2023年)などがある。

引用元:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000095875.html