今回は、2022年8月31日にオンラインで開催した「まだまだ間に合う!Web3.0とNFTのキホンと最新情報」のイベントレポート第三弾をお届けします!

この記事で得られる学び

  • Web3時代を取り巻く最新の基礎知識
  • 自分がより快適になる「Web3」生活のすすめ
  • NFTを今始める3つのメリット

1.まだまだ間に合う!Web3.0とNFTのキホンと最新情報

「Web3.0(ウェブスリー)によってインターネットは大きく変化し、個人が輝く」…そんな言葉をよく目にするようになった昨今。しかし、NFTやメタバース、ブロックチェーンなど、Web3.0において注目されているもので具体的にどんなことができるの? 日々進化し、複雑化しているWeb3.0界隈の動きはキャッチアップするにも情報量が多く、追い付けていないと感じている方も多いはずです。

今回は2022年1月、5月とC&R社イベントで大好評だったNFTアーティストのおねんねさんが再度ご登壇。NFTの最新情報を中心に、この一年で起こっているWeb3.0での動きについて、基礎情報から実際におねんねさんが行っているテクニックの一部まで、すぐに役立つ知識をレクチャーいただきました!

2.登壇者紹介

おねんね氏


YouTuber、NFTアーティスト、コラムニスト。
日本人女性。
Twitter @OnenneNft
NFTについてのコラムを多数執筆。
日本最大級のNFTコミュニティ「Soudan DAO」にもコラムを寄稿。
YouTubeチャンネル「おねんねハウジング」を運営しており、このチャンネルは大人気ゲームであるファイナルファンタジー14のハウジングという機能に特化したチャンネルの中では世界一の規模である。その経験を活かし、YouTube運営(特にゲーム実況)や、Twitterなど各SNSとの連携についてのアドバイスを行っている。著書に「NFTアート最初の1枚を売る方法: イラストのド素人でも売れた!仮想通貨のキホンから解説 (おねんね書房) Kindle版」がある。

2022年1月にC&R社主催で開催しご登壇いただいた「クリエイターの可能性が広がる!仮想通貨の基本から学ぶ、NFTアートの世界」は300人以上の方にお申込みいただきました。

3.トークセッション(前回からの続き)

NFTの現在~海外プロジェクトのメジャーな流れ~

――NFTが日本よりもはるかに盛り上がっている、海外プロジェクトのメジャーな流れを教えてください。

まずは、NFTの企画段階で概要が発表されます。例として挙げると、靴のNFTを購入し街を歩くと仮想通貨が稼げるSTEPNというアプリや、睡眠時間の目標を設定してiPhoneやApple Watchで睡眠を自動計測し、目標通りに睡眠が取れているとNFTや仮想通貨がもらえるSleepagotchiというアプリなどもそうでした。ローンチ前のまだ全然できあがっていない段階で企画概要をドーンと発表してしまい、おもしろそう! と思った人をDiscordに集め、そこでNFTの優先購入権や、ゲームの先行体験ができるホワイトリストを配布します。ホワイトリストは、Twitterキャンペーンとして配布されているのを実際に目にしたことがある人もいるのでは。Twitter上でRTなどで拡散してもらい、ホワイトリストを少しずつ広めて盛り上げていきます。必要であれば、インフルエンサーに宣伝してもらうケースも。インフルエンサーがマーケターになって宣伝している場合も非常に多いですね。

なぜこのように盛り上げる必要があるのかというと、盛り上げて完売が確約される状態を作るためです。例えば1万人くらいがこの盛り上がりに巻き込まれていれば、そこに100個のNFTを売れば絶対完売するよねという状態。できればホワイトリストもすべて売り切り、ホワイトリストで安く買った人が、買えなかった人に高く売ります。そこで利益が発生すると、「このプロジェクトは儲かるんだね」と思われるんです。従来型のマーケティングとはまったく異なり、事前マーケティングを1年くらいしているプロジェクトも普通にある世界です。

・NFTの1年の変革…個人戦からチーム戦へ

――移り変わりの激しいNFTの、ここ1年間の変革はどのようなものだったのでしょう。

今から約1年前の2021年秋“NFTブーム”が起こり、「海外でBAYCというNFTアートが約3000万円で売買された」というとんでもないニュースが日本を駆け巡りました。それを受けて日本では、既にイラストなどで生計を立てている小規模個人の人たちが手探りでNFT運用を模索し始めました。有名なアーティストですと、イラストレーター・漫画家として著名なさいとうなおきさんがYouTubeでNFTについて話したり、実際にNFTをリリースしたりしていますね。NFTを売っていく方法を、小規模個人のみんなで模索し合う熱い時代でした。しかし、2021年から2022年にかけて、ETH価格が大変動する事件が起こりました。1ETHが高い時で約55万円だったのが、なんと約13万円まで下落したのです。

▼2021年から2022年にかけてのETH価格
https://coinmarketcap.com/ja/currencies/ethereum/

これは仮想通貨を数年間見ている者としてはわりと普通なことで、「それでも13万円するんだ~」と感じましたが、やっぱり55万円や30万円の時に始めた人からすると大きな衝撃で、これをきっかけに小規模個人の方がバタバタと仮想通貨やNFTを辞めてしまいました。私が最近強く感じているのは、私のような小規模個人と、大規模チームとのあいだに隔たりがあることです。隔たりというのは不仲という意味ではなくて、売り方に交点がなくなってきているんですよね。チームで運営する“ジェネラティブNFT”が盛り上がってきています。

例として挙げると、この鳥の絵はCNP(※CryptoNinja Partners…4万人以上が参加する国内最大級のNFTコミュニティ「NinjaDAO」発プロジェクトで、時価総額は2022年9月現在、約40億円)のものです。このNFTは誰かが1枚1枚描いているわけではなく、はちまきの形、スカーフ、背中に差しているものまでレイヤーが複数あり、その組み合わせを用いて自動生成された絵です。一気に3000枚などのNFTを作るため、プログラマーやマーケター、元の絵を描くイラストレーターなど多くの協力者が必要です。2021年末くらいまでは、インフルエンサーの方が「個人としてこういうふうに売っていったらいいんじゃないか」という話をされていましたが、2022年に入ってきてからは、こういったチームでの戦い方について論じる方が非常に多くなってきました。

日本のNFTの課題は…「競技人口が少なく、予算規模が小さい」こと

――では、日本のNFT市場に課題はありますか。

大きな課題のひとつは、“競技人口が少ない”こと。競技人口が少ないと、予算規模が少なくなる。海外と比べてNFTの価格自体も違いますし、海外プロジェクトは基本的に共通言語が英語ですからいろんな国籍の英語話者が参加していて、土俵に上がっている人数が桁違いです。特に日本人の国民性として保守的な方が多いですし、仮想通貨と聞くと危ないのではないかと構えてしまう方も多く、総人口の1%もまだNFTに注目していないのでは。ですので、もしも日本の全員のウォレットの中身をすべて合わせたとしても、海外の全員のお財布に遠く及ばないんです。

例えば、1人1万円持っている人が2000人しかいない場合、全員のお財布を合わせて2000万円です。対して、なんらかのプロジェクトが最初のローンチで3万円のNFTを1000枚売ることを目標に、3000万円調達しようする。その時点で予算が足りないんですよね。そういった“Mint割れ”(※Mint…NFTを新たに発行すること)が発生し、先に安く買った人が他の人に高く売れない・儲けることができない状態が起きていて、「このプロジェクトはダメだな」っていう判断をされてしまうんです。日本でNFTで戦っていくなら、まずは「いかにNFTを広めていくか」が非常に大事です。NFTを知らない人に向けて自分の商品を売っていって人を集めるべきで、NFTについて既に詳しい人のあいだでNFTを回し合ったり、議論を深めたりするばかりでは煮詰まってしまいます。

最近ですと、前澤勇作さんがMZDAOというものを企画し約20万人位の人が参加していていて、とても素晴らしい取り組みだと思います。NFTに触れたことがない人が、「DAOって何だろう」、「DAOってよくわからないけれど、お金配りおじさんがやっているから入ってみた」といった些細なきっかけで参加しています。たしか今は参加締め切りをしてしまっていたかと思いますが、最終的には100万人くらいまで参加者を増やしたいと仰っていた気がするので、オープンになったときに是非入ってみては。そうしたムーブをきっかけに、NFT、Web3、DAOなどの世界に触れる人が少しずつ増えていくと思います。

次回更新では大盛況だった質問コーナーについてレポートします。

その他の質問についての回答はこちら⇒
「現物の絵とそのNFTは別で販売して良いの?」NFTにまつわる7の質問に、おねんね氏が回答

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