仕事が嫌いになったわけではない。人間関係にも大きな不満はないし、評価も決して悪くない。それなのに、「このままでいいのだろうか」と感じる瞬間がある。実は、この違和感をきっかけにキャリアを見つめ直すクリエイターは少なくありません。
今回は、Webディレクターとして働いていた中村さん(32歳)のエピソードをご紹介します。
「成長している実感」がなくなった
広告制作会社で働く中村さんは、入社から8年目。プロジェクトを任されることも増え、クライアントからの信頼も厚く、社内では後輩を指導する立場になっていました。忙しい毎日でしたが、大きなトラブルもなく、順調なキャリアを歩んでいるように見えました。転機になったのは、ある定例会議です。
後輩がAIを活用した企画の進め方を提案していました。その発表を聞きながら、自分はここ数年、同じフレームワーク、同じ説明、同じ仕事の進め方を繰り返していることに気づきます。もちろん、それで仕事は回っていました。むしろ評価もされていました。それでも会議が終わったあと、「自分は今も成長しているのだろうか」という疑問が頭から離れなくなったそうです。
「仕事はうまくいっている。でも、以前のようなワクワク感がない。」その違和感が、少しずつ大きくなっていきました。
まず始めたのは「転職」ではなく情報収集だった
中村さんは、その日に転職サイトへ登録したわけではありません。まずは、他社ではどんなスキルが求められているのかを知ろうと思いました。求人票を眺めたり、クリエイターのインタビュー記事を読んだり、SNSで他社のディレクターが発信する内容を見たり。休日にはオンラインセミナーや勉強会にも参加するようになりました。すると、自分が興味を持っていたのは「ディレクション」だけではなく、UX設計やサービス企画にも関われる仕事だったことに気づきます。また、社外の人と話すことで、自分が当たり前だと思っていた経験やスキルが、実は市場では評価される強みだったことも知りました。
「環境が変われば、もっと力を発揮できるかもしれない。」その考えが少しずつ現実味を帯びていきます。数か月後、中村さんはカジュアル面談を経て、企画からサービス改善まで携われる企業へ転職しました。今では以前よりも裁量が大きくなり、「自分でサービスを育てている実感がある」と話しています。
「転職がゴールだったわけではありません。自分が本当にやりたいことを知るために動いてみた結果、今の環境にたどり着きました。」
「もっとできるはず」は前向きなサインかもしれない
「もっとできるはず」という気持ちは、自分を否定する感情ではありません。むしろ、「まだ成長したい」「もっと挑戦したい」という前向きなエネルギーが残っている証拠です。もし、あなたも「ここでいいのかな」と感じることがあるなら、いきなり転職を決断する必要はありません。
まずは他社の事例を見たり、求人を眺めたり、誰かとキャリアについて話してみたりするだけでも十分です。小さな一歩が、自分の可能性を広げるきっかけになるかもしれません。
今回ご紹介したクリエイターたちも、最初から転職を決めていたわけではありません。
「このままでいいのかな。」「もっと自分に合う働き方があるかもしれない。」そんな小さな違和感をきっかけに、自分のキャリアを見つめ直したことが、新しい一歩につながっています。もしあなたも少しでも共感したなら、一人で答えを出そうとせず、まずは現在の市場価値やキャリアの可能性を整理してみませんか?
経験豊富なキャリアアドバイザーが、あなたの経験や強みを一緒に言語化し、これからの選択肢を整理するお手伝いをします。



