大手キュレーションメディアが閉鎖に追い込まれた事件が社会問題としてマスコミに大きく取り上げられたことは記憶に新しいところですが、Webメディアにおける著作物の引用や転載などは、権利がグレーとなっているものもあり、どんな方法が安全なのかわからないという声や、問題ないと思って掲載したら、実は権利を侵害する行為にあたっていたという話も聞かれます。
今何かと注目される「著作権」のなかでも、「画像の扱い方」について押さえておきたいポイントを、フォトストックエージェンシーの「PIXTA」が開催したセミナーからご紹介します。

まずはキホンを理解しよう!画像に含まれる権利とは?

突然ですが問題です。こちらの画像に含まれる権利は何かわかりますか?
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色線で囲ってある部分が該当する箇所です。
まず写真左上のPIXTAのロゴは「商標権」。
こちらを向いている男性は「肖像権」。
ホワイトボードに貼られたポスターおよびこの写真全体は「著作権」。
これらの権利が、この写真1枚に含まれています。

商標権 事業者が「商品」または「役務」について登録した文字や図、記号、色彩などの商標を独占的に使用できる権利
肖像権 生存している個人が本人の承諾なしに写真やビデオにとられたり、それらを無断で公表されたり、利用したりされないように主張できる権利
著作権 著作物の創作者に対して与えられる権利。著作者は自由に複製したり加工したりインターネットで配信できる。独占的な権利のため、許諾、権利の期間もかなり細かい。作者の死後50年間などと定められている。実際制作した方(著作者人格権)と著作物(著作財産権)の両方が権利として守られているのが著作権

こんなケースは利用できる?できない?

Q 大阪の道頓堀の様子を撮影した画像をイメージで使いたいが、大手メーカーの看板ロゴが映り込んでいる。使える?使えない?
A 使用OK。ただし、あくまでもその写真に風景の一部として映り込んでいるものとして使用すれば問題は無し。利用方法によってはクレームになる場合もありうるため、事前に確認を取っておくのが望ましい。

Q 具体的に建造物が映っている写真は使える?
A 町並み、都市風景の一部であれば基本的に使用OK。たとえば東京スカイツリーなど特定の建造物がメインの被写体として撮影された写真は、その写真がどう使われるかという点が問題になる。どういう用途を明示して使用するかにもよる。使い方に疑問や不安があれば、その写真の被写体の権利者に許諾を得て使用するのがベスト。

Q ある人物の写真をWebメディアで使ってOK?
A 被写体の方に承諾を得る必要あり。撮り下ろしではなく、写真素材を外部で調達する場合は、利用規約に沿って利用すること。PIXTAでは被写体が特定の商品やサービスを宣伝しているような使い方や、被写体の人格権を傷つける(被写体に加工を施したりなど)ような使い方は基本的にNGとしている。

トラブルにならないために正しく「引用」しよう

写真を撮り下ろさない場合、何かしらの手段を用いて写真素材を調達することになります。その中で、「引用して使用する」方法について解説します。

引用とは・・・

公開された著作物は引用して利用できる。
この場合において、その引用は公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるものでなければならない。

著作権法第32条より

著作権法では上記のように定められています。
ではこの内容に則って著作物を引用するためには、具体的にどうすればよいのでしょうか。6つのポイントにまとめてみました。

(1)一般に公にされていないものはNG
(2)自分の作品と引用したものとを明確に区別している
(3)主従関係が明確になっており、主となる内容を補完するために引用している
(4)必然性があるかどうか。それを使用する必然性がないと引用として認められにくい
(5)同一性保持の必要性から、使用する著作物の改変はできない
(6)出処明示の必要性から、それを見た人がオリジナル作品にたどり着けるよう情報を明示する

引用にもならず、著作権違法にもあたらない?「直リンク」

実は、引用にも著作権違法とは言い切れないケースもあるのです。
それは、ブログなどにある画像を自分のサイトに直接呼び出して表示させるという方法で、「直リンク」と呼ばれます。
自分のサイトのサーバーに保存(複製)してサイトに表示(サーバーから“送信可能化”の状態)させるとNGなのですが、直リンクの場合は、自分のサイトに直接呼び出すので、構造上はブログの写真を直接見せているだけとなり、複製にも送信可能化状態にもなっていないということになります。こうした状態では現行の法律では取り締まれず、著作権違法にあたらない可能性があります。
しかし、見た目は複製されていようがされていまいが全く同じなため、直リンクをされた側としては「勝手に使われている」などと、心象が害されるといったリスクも考えられます。
安易に「直リンクだから問題ない」と考えず、こうしたリスクを鑑みて、リンク元にきちんと敬意を払えるかどうかが大切です。

あなたも誤解している!?「フリー素材」の正体

写真を撮り下ろすよりも時間もコストも抑えられるメリットのある素材サイト。中でも「フリー素材」ならコストゼロで利用できることもありますよね。
しかし、サイトによって“フリー”の定義はまちまちだったりします。
そのため、「フリー素材=料金フリー」という思い込みはキケンです。

・料金フリー 使用料金は発生しないが、商用利用ができないなどの制限があるなど、サイトによって様々な規約が設けられていることが多い
・著作権フリー 著作権は行使しないと宣言している。ただ営利目的不可など制約があるので必ず利用規約内容を把握して使用すること
・使用権フリー 使用許諾の範囲内で何度でも使えるもの。ただし購入したからと言って著作権を保有しているわけではない点には注意

「著作権フリー」なのに訴えられる!?

素材サイトで著作権フリーとされているからといって、安心は禁物です。被写体(人物・建物・ロゴマーク等)の中には、権利者の特定が難しいものも実際には多数存在します。著作物は権利者の権限が強く、一度訴えられてしまうと負けてしまうケースも実は多いのです。
また、写真の撮影者が著作権を放棄しても、被写体になんらかの著作物が含まれていた場合、その被写体の著作権者も著作権を行使しないとは限りません。

こうしたリスクを避けるためにも、まずは写真の中に含まれる権利が何かを知っておくことが大事だと言えるでしょう。その上で、各素材サイトの特徴(何がフリーか等)を把握し、どのサイトで写真を調達するかを選ぶ指標の一つとして、素材の管理や補償サポートの有無を確認するとベターでしょう。

画像豊富なWebコンテンツを作って目指せPVアップ!

コンテンツにおける画像の役割は重要です。
プレスリリース配信サイト「PRTIMES」が行った調査による画像の有無によるプレスリリースの読了率を調べたところ、画像を多用したプレスリリースの方が画像の無いプレスリリースと比較して約1.4倍(PCの場合)高いという結果が出ました。特に、記事最下部にまで画像を配置すると効果が上がるということです。グラフ1
キャッチとなる画像の役割はとても重要です。
クリーンなWebメディアの運用を行うためにも、権利関連をしっかり理解し、ユーザーからの信頼度の高いコンテンツ作りを心掛けましょう。

(CREATIVE VILLAGE編集部)