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『サービスを提供する”価値”を見極め”信念”を持つこと』株式会社ディー・エヌ・エー Japanリージョンゲーム事業本部 企画部 部長 佐々木 悠さん

モバイルインターネットを通じて「プラットフォーム事業」と「ゲーム事業」を展開している、株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)。

同社が配信しているゲームの中でも、株式会社スクウェア・エニックスと提供中の『ファイナルファンタジー レコードキーパー』は、2014年9月に配信され、現在500万ダウンロードを突破した人気タイトルです。

そこで今回は、『ファイナルファンタジー レコードキーパー』のプロデューサーDeNAの佐々木 悠さんに、モバイルゲームの魅力やゲームクリエイターに求められることなど、お話を伺いました。

 

■ ゲームに魅了された学生時代

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子どもの頃から大のゲーム好きだったので、私の兄の世代に発売されたファミリーコンピューターをはじめ、当時流行っていたゲームはジャンル問わず幅広く遊んでいました。学校が終わったら友達の家に集まっては、NINTENDO64で『大乱闘スマッシュブラザーズ』をワイワイやっていましたね。それから、本屋や駄菓子屋さんの店頭に置いてある筐体のゲーム機で『ザ・キング・オブ・ファイターズ』などの格闘ゲームに熱中してました。

たくさんあるゲームの中でも特に『ファイナルファンタジー』や『ドラゴンクエスト』は、シリーズを通して相当遊んでいました。一番やり込んだタイトルは『ファイナルファンタジーX』ですね。プレイ時間は数百時間を超えてます(笑)。『ファイナルファンタジー』のゲーム内の世界観はもちろん、テレビCMも秀逸でしたよね。今でも強く印象に残っています。

ちなみに、ゲーム以外ではストリートダンスが趣味です。大学から始めて、社会人になった今でも続けています。髪型がアフロなのはダンスの振りが大きくみえるから、という理由なんですが、会社でもアフロキャラがすっかり定着して仲間からモシャモシャと触られて可愛がられます(笑)。ゲームとストリートダンスって、全然違うもののようですが共通点もあるんですよ。個人的には、みんなで盛り上がるコンテンツであるところ、仲間と作り上げるもの、というところがすごく似ているな、と思います。だからどちらもやめられないんですよね(笑)。

 

■ 入社後、DeNAの成長とともに、ゲームを「作る」側に

実は、就職活動をしていた頃は有名企業ばかり受けていて、IT企業は一社も受けていなかったんですよ。就職活動中に知り合って仲良くなった人に、「おまえに合いそうな企業があるよ」とおしえてもらったのが、DeNAだったんです。

それまでは会社の存在も知らなければ、何の事業をやっている企業かも知らなくて(笑)。でも、選考を受けて面接の時に「すごくおもしろい会社だな」とめちゃくちゃ惹かれるものを感じたんですね。「この会社に入社するぞ!」と直感的に思いました。

2009年の入社当時は『モバオク』のサイト運営に携わり、半年くらい担当した後にアフィリエイト広告の営業を経験しました。私が『Mobage(モバゲー)』の純広告に関わる業務に就いていた頃、DeNAは『怪盗ロワイヤル』がヒットし全社が沸いていました。ソーシャルゲームの開発部隊を強化するタイミングで、私もプランナーとしてゲーム部門に異動することになりました。

DeNAのゲーム事業は、自社内製タイトルだけでなく、数多くの有名IPタイトルのゲームも手がけています。当時の私にも、大手ゲームパブリッシャー様と一緒に超有名IPを活用したゲームをつくる、という機会が与えられました。ゲームが大好きだった自分が、気づけばゲームを「作る」側になっていました。そしてなにより、幼い頃から大好きだったIPでゲームを作らせてもらえることになり、心底嬉しくて。一人でにやにやしてたことを覚えています(笑)。

ゲームを「作る」側になって、転機となったのは、あるひとりの上司との出会いでした。

2012年頃、今後のソーシャルゲームの可能性を考えた時に、モバイルゲームはこれまでのブラウザゲームと比較しても全く異なるものになり、当時の私にとっては作り方や技術、表現方法は未知の世界でした。「このままじゃだめだ、ゲーム作りを基礎から勉強しなくては」と思いました。

そこで、当時社内にいたコンシューマーゲームの制作経験を持つ方と「一緒に働かせてください!」と直談判しました。鼻息も荒かったですし、いきなりのお願いで相当驚かれたと思います(笑)。念願が叶って、その方のもとで学ぶ日々が始まりました。企画で大事なこと、開発力をあげること、チームをまとめること、など学んだことはたくさんありすぎて話すと長くなってしまいます(笑)。

そんな私が現在では、ひとつの部署を任せてもらえるようになり、『三国志ロワイヤル』や『ファイナルファンタジー レコードキーパー』など、複数のタイトルを運営しています。

 

■『ファイナルファンタジー レコードキーパー』は、昔と今が融合した『ファイナルファンタジー』

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© SQUARE ENIX CO., LTD. © DeNA Co., Ltd.

『ファイナルファンタジー レコードキーパー』を制作するにあたり拘ったのは、ビジュアルですね。初作からVIをプレイしていた方には”懐かしい”と思ってもらえるよう、敵もキャラクターもドット絵で演出し、またVII以降をプレイしていた方には、”新鮮だな”と感じてもらえるように、エフェクトを新しい仕様にしました。ビジュアルの見せ方には細部まで徹底的に拘りました。

さらに、『ファイナルファンタジー』の世界観では音が持つ力もまた圧倒的ですよね。それを活かすために初作からXIIIまでの各ステージで流れるBGMを使用し、また懐かしい効果音を使うことで、ドット絵だけじゃなく、音でも歓喜してもらいたい、という狙いがありました。

『ファイナルファンタジー』の世界観を崩すことなく、でも、ただのリメイクで終わることなく、大切な部分は残して新たな奥深さを表現する。昔と今が融合した『ファイナルファンタジー』を体感してほしいですね。

モバイルゲームって、手軽にプレイできるということが大前提にあります。テレビの前に腰を据えて、「今日は2時間ゲームするぞ!」という意気込みじゃなく、いつでもどこでもプレイできる。そんなスマートフォンならではの気軽さがありながらも、懐かしさや奥深さを存分に楽しめるゲームを今後も提供したいと思っています。

 

■ モバイルゲームはユーザーと一緒に作り上げていく感覚

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© SQUARE ENIX CO., LTD. © DeNA Co., Ltd.

モバイルゲームは作り手の自分たちが考えたことを、早い段階でアウトプットできて、それに対してユーザーの反応もすぐに返ってきます。

世界的に見渡しても、ここまで速いスピードでアウトプットとフィードバックが繰り返されるサービスって、他にあまりないと思います。常にユーザーと対話しながらサービスを提供し続けることは、難しいことなのですが非常に楽しいです。

ゲームを運営していく上で大事なことは、3年、4年と長くゲームを運営していくことを見越した上で、開発初期からシステムやシナリオといったものを計画的に練っておくことがとても重要になります。リリースしたあとは、毎日ユーザーと対話をし、自分たちが作ったコンテンツが、少しずつユーザーに寄り添ったものへと変化していくんですよね。まるで一緒になってゲームを作りあげてるような、そんな独特の感覚があります。これを体験するとやめられないですね(笑)。

モバイルゲームは、リリースしたら終わりではなく、実はその先の運営にこそ大事な「肝」があるんです。リリースした後が本番といっても過言ではありませんね。

一方で、ユーザーの意見だけを取り込んでいても良い作品にはならない。これが実に難しいところなんですが、ただの御用聞きになるのではなく本当に良い作品を提供するために、まずはその作品の”価値”を見極めて、作り手としての自分なりの信念を持つこと。その上で、ユーザーが求めていることをうまく反映させ、楽しんでもらう。私は、そのバランスを最も大切にしています。自分だけの考えに寄り過ぎていないか、逆にユーザーに寄り添い過ぎていないか、常に意識していますね。

 

■ 名前がつくのは後からでいい

今後は今あるゲームという形に留まらず、ユーザーに “新しい体験”を感じてもらえるサービスを提供したいと思っています。

今でこそ “ソーシャルゲーム”という呼称が存在しますが、新しいサービスが世に出たばかりの頃は、それが将来どんな呼称になるかなんて誰にも分からなかったですよね。それこそ、”ゲーム”という名称が付くかどうかさえ分からなかった。

結果として、多くのひとに価値を提供できて、周知され世に広まっているからこそ名前がついたんだと思うんです。そういうことが本当の新しい体験の価値なのかな、とも思います。

過去を振り返ると、『怪盗ロワイヤル』がリリースされた当時、1分から3分間という短い時間の中で楽しめる遊び=ゲームが、ユーザー体験を大きく変えた。革新的だった。それがおもしろかったからこそ、ソーシャルゲームが一気に流行り、広まっていったのではないでしょうか。

 

■ エンターテイメントに関わる者として大切にしていること、伝えたいこと

インターネットが一気に普及した昨今では、とにかく情報量が多いですよね。情報過多だと、得てして周りに流されてしまいがちになってしまうと思うんです。

肝心なことは、「自分はどうしたいのか」。自分の中に持つ”信念”や”想い”は大切にしてほしいです。頑固になれということではなく、ちゃんと周りの意見も聞く。そのバランス感が、とても重要です。

時代には必ず流れがあるので、それを真摯に受け止めるべきです。いま流行っているものは、何故流行っているのか、どこが面白いのか。それを突き詰め、世の中に新しい体験、価値を与えることが出来る、というサービスを作り続けるという信念を持つべきだと思っています。


 

■作品情報

「僕たちは知っている。すべての物語を…」

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ファイナルファンタジー レコードキーパー』は、ある王国を舞台に主人公「デシ」が、「絵画」に封印された歴史上の偉大な物語の「記憶」を取り戻すため、さまざまな世界を冒険してまわる物語を描くRPGです。

プレイヤーは主人公「デシ」となり、「Dr.モグ」や「シド」のサポートを受けながら、封印された歴代「ファイナルファンタジー」作品の世界を冒険して戦闘を重ね、各世界にちりばめられた「記憶」を取り戻していきます。

※2015年2月に500万ダウンロードを突破しました。

iPhone/iPad(iOS 6.0以上)、Android(Android OS 2.3 以上)で好評配信中です。

■オフィシャルサイト

http://ffrk.jp

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© SQUARE ENIX CO., LTD. © DeNA Co., Ltd.

(2015年2月26日更新)

佐々木 悠(ささき・ゆう)

株式会社ディー・エヌ・エー
Japanリージョンゲーム事業本部 企画部 部長
1987年生まれ。慶應義塾大学卒。2009年DeNA新卒入社。
入社後はモバイルオークションのサイト運営、広告営業の経験を経て、住み着き妖精セトルリンの運営を担当。
その後有名IPゲームの立ち上げ、三国志ロワイヤルやファイナルファンタジー レコードキーパーの企画、組織立ち上げを行い、現在はゲーム開発本部の企画メンバーの横断的なマネジメントを担当。

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