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プロボノのススメ 第1回「心意気人脈術!~クリエイターのプロボノワークは、仕事につながる!~」

2008/12/05 インタビュー

クリエイティブ・ビレッジをご覧の皆様、はじめまして。ヤマグチガクと申します。僕は、ネット発祥の総合マーケティング会社「オプト」で働いています。そこで2008年9月エコ・プロジェクトという新規事業を立ち上げました。なぜ、僕が今、マーケティング会社で自分のやりたかったエコを軸としたな仕事ができているのか、その秘密が、タイトルの「心意気人脈術」にあります。僕のこの商売は、「心意気人脈術」で培った人脈があってこそ、始めることができました。

では、「心意気人脈術」とはなんでしょう?一言で言うと「プロボノワーク」に積極的に参加することで人脈を拡げる方法です。プロボノワークは、大抵、誰かの「心意気=ビジョン」に共感する人間達が集まって進行します。特定の「心意気=ビジョン」に共感できるということは、そこに集まる人は同じ価値観を持っている可能性が非常に高いのです。同じ価値観を持っているということは、意気投合する確立も高く、その後、付き合いが続く可能性も高く、仕事に繋がる可能性も高いのです。そのあたりについて、もう少し詳しくお話していきましょう。

 

~プロボノワークとは~

プロボノワークとは、「専門職の熟練者が、利益のためでなく公益性のために働くこと」と僕のお師匠さんのマエキタミヤコさんが著作「エコシフト」の中に書いています。「世界の広告業界四大グループのひとつ、WPPグループは、全社員のためにワークタイムの4%のプロボノワークを推奨していますし、アメリカ法曹協会も弁護士に年間五十時間以上のプロボノワークを薦めています。」とも紹介されています。つまり、ビデオの編集ができる人は、編集の能力で、Webサイトのコーディングができる人は、コーディング能力で、デザインができる人はデザインの能力で、社会に貢献する働きがプロボノワークなのです。 では、プロボノワークは、どのように進められるのでしょうか。僕の友人のフリーランスWEBデザイナーAさん(女性)の例で、ご説明します。

 

~プロボノワークの進行フレーム~

大抵、プロボノワークは以下のような順番で進んでいきます。
1. 誰かがビジョンを描く。(主にNGOが特定の社会問題を解決したいと強く願ってビジョンを描きます)
2. 同じ志の人が集まる。(主にNGOが、手当たり次第にいろいろな人に声をかけているうちに、わらわらと人が集まってきます。それはもう奇跡的な出会いです。)
3. 意気投合して仲間になり、輪が広がる。(価値観が似た仲間が集まりますし、見ているビジョンが同じなので、出あった時の会話の密度が、普通のお仕事で出あった人とは全く違います。)
4. 才能・能力が集まる。(1+1>2)(各々が自分のできることで、そのビジョンを具現化するために動き出します。)
5. いつも以上の力が発揮できる。(さらに大抵の仕事が資金不足や、人材不足だったりするので、普段の仕事では絶対に手を出さない領域などもやることになってしまいますし、それに、モチベーションも自由度も高いので、普段の仕事より質の高い仕事ができたりします。)
6. 誰かから仕事がまわってくるようになる。(プロボノワークで知り合った仲間達から、今度は、違う仕事の話が入ってくるようになります。)

僕が中堅の広告代理店で、社内SE兼WEBディレクターとして働いている時、Aさんが僕の会社に派遣されてきました。見た事のある顔だと思っていたら、実は、Aさんは僕が前に働いていた御茶ノ水のエコロジーショップのお客さんだったのです。おぉ、そういうことなら、僕がやっているプロボノワークでも、きっと手伝ってくれるに違いない。そう思った僕は、まずはあるエコ系イベント団体のHPの制作をお願いしました。そこからの彼女の動きはとても早く、自分でどんどんとエコ系プロボノワーク集団のところへ顔を出したり、自分でプロジェクトの立ち上げに参加したりして、人脈を広げていきました。今では、彼女の普段のお仕事の4割ぐらいは、社会貢献型の仕事が多いのではないでしょうか。 Aさんを先述のプロボノワークのフレームに当てはめて見てみると、以下のようになります。

1 .誰かがビジョンを描く。(NGOやエコな生き方をしている人たちが集まるイベントを開きたい!)
2. 同じ志の人が集まる。(僕はそのイベントの趣旨に共感して、WEBやイベントの手伝いをしていました。)
3. 意気投合して仲間になり、輪が広がる。(たまたまAさんと出会い価値観を共有していたAさんを巻き込みました。)
4. 才能・能力が集まる。(1+1>2)(さらに彼女は自分で人脈を広げていきました。)
5. いつも以上の力が発揮できる。(ほぼ僕にその仕事をまる振りされてしまった彼女は、普段やらないディレクター的な仕事もやるようになりました。)
6. 誰かから仕事がまわってくるようになる。(そんな彼女に他のNGOからもどんどんと相談が来るようになりました。)

 

~大切なこと~

「ウェブ進化論」でも言われていたり、「勝間和代」さん「酒井 穣」さんがよく語っていますが、良い情報を得、良い人脈を作るには、「Give & Take」ではなくて、「Give, Give, Give, Give and Give」が良いように思います。そのための絶好の機会のひとつが僕はプロボノワークだと思います。「Give&Take」でtakeがないとgiveしないようなやり方で作られる人脈と能力の広がりは拡がりに限りがあります。そこには、本当に心の深い部分で通じ合うコミュニケーションは少ないように思います。心の深い部分で通じ合うコミュニケーションが一度、成立すると、その人間関係はなかなか簡単には壊れることはありません。そんな人間関係の中でする仕事はとても心地の良いものです。

 

~僕の場合~

僕も自分を必要とされれば求められるままに数々のプロボノワークをやってきました。列挙してみると、2001~2003頃のアースデイ東京でのボランティアコーディネートや、アースガーデン@代々木公園のイベント制作、野外イベントでのゴミ処理隊等のイベント系。NGO(YWCA)のWEBサイトディレクション(http://www.ywca.or.jp/)、きのころのサイトディレクションと、エコプロダクツ展でのブースプロデュース。ホワイトバンドキャンペーンの初期のサイト構築とコピーワーク。いろいろな場に顔を出しているうちに、自然と人脈が広がっていき、普段の仕事上でもいろいろな声がかかるようになりました。

また、この過程で培った人脈をベースに、僕は今の会社に、「エコ」を仕事にするというビジネスプランを出したのです。この人脈は、今の会社では誰も持っていないものでした。たまたま洞爺湖サミットが開催され「エコ」が流行っていたこともあり、僕のプランが通ってしまったわけです。今も過去に培ってきた人脈をフルに活用しながら、お仕事として成立させるべく奮闘中です。

是非、クリエイターのみなさんもプロボノワークという活躍の方法があることを知ってください。プロボノワークに参加して、素敵な人脈とお仕事をゲットしてみてください!次回は、プロボノワークで発揮される「素人パワー」についてお話できればと思っています。お楽しみに!

 

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ヤマグチガク(やまぐち・がく)

ネット広告会社 エコ事業担当


青山学院大学国際政治経済学部卒。在学中より環境NGO、エコロジーショップに勤務。


卒業後、総合広告代理店にて情報システム管理業務、Web制作プロデュース&ディレクション業務を担当。数々のWebサイトを立ち上げ、2006年10月よりネット広告会社にて、クリエイティブ・企画業務を担当。D2Cモバイル広告大賞プッシュ型広告賞受賞。


BLOG「コミュニケーションが世界にできること」執筆中。32歳1女1男の子持ち。家族と仕事を愛してます。

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